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【F-15 イーグル】F100-PW-100 エンジンのファンブレード

F-15‗F100エンジン

・制空戦闘機として活躍している F-15 イーグルに搭載されていたP&W F100 エンジンのファンブレードを紹介します。

 

F100-PW-100エンジンの概要

McDonnell Douglas

F-15 Eagle

F100-PW-100 FAN BLADE

エンジン概要
型式Pratt and Whitney
F100-PW-100
最大推力6,520 kgf
アフターバーナー(A/B時)10,590 kgf
ファン形式スナバ―付・ファンブレード
ファン直径0.88 m
ファンブレード長0.28 m
ブレード枚数40枚
ブレード材質チタン合金
(Ti-8Al-1Mo-1V)
バイパス比0.71
全圧力比25
ファン回転数(N1)11,500 rpm
コア回転数(N2)13,200 rpm
搭載機種F-15 Eagle

・マクダネル ダグラスが1972年にアメリカ空軍の制空戦闘用として開発したF-15イーグルは、世界トップクラスの性能を持つ重量20トン級の大型戦闘機。

 

高い機動性が要求される空中戦においても、大型の翼と2基の強力なエンジンよって高G旋回や複雑な機動飛行が可能でライバル機を凌ぐ性能を有している。また、戦術上はあまり有用ではないが、最大速度はマッハ2.5(スパロー4発・サイドワインダー4発搭載時はM1.78以下)という超音速飛行も可能。

 

空中戦・対地攻撃など様々な任務に対応できる機動性を実現するために開発された P&W F100-PW-100エンジンは、最大推力 6,500kgf(アフターバーナー作動時 10,500kgf)という凄まじいパワーを発生するが、エンジンの重量は1,370㎏と従来型のTF30よりも軽量で、推力重量比は8:1(民間機は 4~5:1程度)にもなる。

 

このような推力重量比を達成できたのは、ファンや圧縮機の高負荷化による全体圧力比の向上、タービン入口温度を1,400℃級(-229は1,600℃級ともいわれている)まで引き上げなど様々な改良によって可能となった。

 

そのエンジンパワーは、20トンのイーグルを理論上は加速しながら垂直に上昇させることも可能とされている。

 

参考画像:JASDF F-15 F100-IHI(PW)-220Eエンジン

F100-PW-100 ファンブレードの画像

ファンブレード(#1)と高圧圧縮機HPC4(#7)のサイズ比較

画像からは伝わりにくいが、前縁は民間機のファンブレードよりも若干薄く鋭い形状となっている。

ブレードの振動を防ぐスナバーも、空気抵抗を低減させるため民間機エンジンよりも薄く鋭い三角翼となっている。

衝撃波の発生を後縁側に移動させる目的で、先端の翼型もスーパークリティカル翼に似た形状が採用されている。

ブレード根元側の翼型、先端側とは全く異なっている。

材質は民間機でよく使われるチタン合金(Ti-6Al-4V)ではなく、より耐用温度を上げたTi-8Al-1Mo-1Vとなっている。

根元から先端へ滑から曲線を描くソリッド型スナバー付きファンブレード

ワイドコード化が主流となった現代では少し時代遅れ感もあるが、派生型の-229に関してもスナバー付き(若干ワイドコード)のブレードとなっている。

ファンブレードのサイズ

・ファンブレードのサイズは下記のとおりです。

エンジン型式P&W F100-PW-100
ブレードタイプスナバー付きファンブレード
材質チタン合金
(Ti-8Al-1Mo-1V)
全長280 mm
全幅90 mm
重量460 g

※若干の測定誤差があります。

参考:F-15J/DJ 機体&エンジン スペック

那覇基地フェスタ2019

・制空戦闘機として開発されたF-15イーグルは、強力なエンジンを2基搭載した大型戦闘機。

その性能は、必要な場合には最大速度 マッハ2.5まで達することが可能とされ、亜音速での空中戦における高G旋回など機動性が要求される場面においても、他の戦闘機を凌駕する高い性能を発揮する。

そのパワーの源が、2基の高出力アフターバーナー付きターボファンエンジン。

最大推力 6,500kgf(アフターバーナー作動時 10,500kgf)という凄まじいパワーを発生するが、エンジンの重量は1,370㎏ととても軽量に作られている。

これまでの航空自衛隊 F-15J/DJ戦闘機には、IHI(石川島播磨重工業)でライセンス生産されたF100-IHI-100が搭載されていが、現在はその改良型のF100-IHI-220Eが装備されている。

航空自衛隊(JASDF)F100-IHI-220Eエンジン

作動領域が亜音速から超音速域までと幅広いF100エンジン(低バイパス比ターボファン)は、民間機(高バイパス比ターボファン)のファンブレードと比べると若干の違いがある。

例えば、ブレード前縁部は民間機用エンジンよりも薄く鋭く、ブレード先端の翼型は衝撃波の発生を翼の後縁部に移動させたスーパークリティカル翼に似た形状、材質は一般的な民間機エンジンで採用されているチタン合金(Ti-6Al-4V)ではなく、耐用温度を400℃程度まで高めた(Ti-8Al-1Mo-1V)など違いがある。

F100-100のファンブレード形状は、現在主流の-220/-220Eとほぼ同一に近い形状となっている。

F-15EやF-16に搭載されている改良型の-229は、推力増大のためファンブレードの形状が変更されていが、基本的には従来型と同じスナバー付きブレード形状で若干ワイドコード化されている。

-229は、バイパス比が0.72から0.38、全体圧力比も25から32、タービンブレード材質など様々な点が改良されている。従来の-100/-220/-220Eとは全く別物のエンジンといっても過言ではない。

 

F-15J/DJ 主要スペック
全長19.4m
全幅13.1m
全高5.6m
空虚重量12,900㎏
最大離陸重量30,800㎏
乗員1人(J型)/2人(DJ型)
最大速度M2.5
航続距離約4,600㎞
戦闘行動半径約1,900㎞
エンジンF100-PW(IHI)-220E / F100-PW(IHI)-100
搭載数2基
武装20㎜機関砲
空対空レーダーミサイル
空対空赤外線ミサイル

 

F100-PW-100-220E-229
形式低バイパス比ターボファンエンジン
最大推力6,520 kgf6,623 kgf8,080 kgf
アフターバーナー(A/B時)10,590 kgf10,780 kgf13,240 kgf
構成
ファン3段ファン3段ファン3段
圧縮機10段圧縮機10段圧縮機10段
タービン
高圧2段・低圧2段
タービン
高圧2段・低圧2段
タービン
高圧2段・低圧2段
バイパス比0.71:10.71:10.38:1
全圧力比252532
燃料コントロールアナログ制御デジタル制御デジタル制御
全長4.85m4.85m4.90m
直径0.88m0.88m0.88m
エンジン重量1,370㎏1,476㎏1,737㎏

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