発売当時、『絶対に落ちないお守り』として話題となったジェットエンジンの廃棄部品を加工したアクセサリー。
1万時間以上もの長きにわたり安全に空を飛び、定期交換で取り外され廃棄部品。本来であればただ捨てられるだけのエンジン部品(タービンブレード)に新たな命を吹き込んだ全日空の整備士の方々。
1990年代後半から2000年初頭にかけて販売されたこの商品は、航空ファンの間で話題となりネット販売だけでなく機内販売でも登場した。
しかし、あまりの人気に再販しても蒸発するかのように一瞬で消えた幻の商品。
B747SR JA8138 タービンブレード チョーカー
・このようなジェットエンジンの部品を加工して作られたアクセサリーが販売されていたのは、1995年~2000年初頭の頃でした。
全日空のB747(ジャンボジェット)として1万時間以上空を飛び、定期交換で取り外され廃棄を待つだけエンジン部品。壊れてもいない部品に新たな命を吹き込み、多くの人達に少しでも飛行機の素晴らしさを知ってもらいたい。
当時の全日空の整備士の方々がアイディアを出し合い商品化。今回紹介のチョーカーだけでなく、ネクタイピンやキーホルダーなど数種類のアクセサリが販売された。
テレビでも紹介されたことで大人気となり、機内販売もされるほどに。
イベントでの即売会では¥5,000前後、機内販売だと¥10,000(証明タグ打刻のキーホルダー付き)だったかと記憶しています。
さらに、航空ファンの心を掴む演出が『CERTIFICATION TAG』と呼ばれる付属の証明書でした。
その内容には、B747SR JA8138の1番エンジン(CF6-45A2)に搭載され 20,266時間飛行したということがカードに記載されている。
その証明カードを残念ながらなくしてしまい実物を紹介できませんが、メモに残っていたデータを再現すると、このような感じのカードです。
CERTIFICATION TAG | |
REM. A/C TYPE | BOEING 747SR |
REM.A/C | JA8138 |
REM.DATE | 1995/07/10 |
POS.No | #1 |
ENG.TYPE | CF6-45A2 |
PARTS | HPT STG1 BLADE |
USED HOUR | 20266.11 hr |
INSPECTOR | 担当者サイン |
※REMは”REMOVE”、A/Cは”AIRCRAFT”の略
このような廃棄ブレードを、カットし鏡面磨きを施すことでチョーカーのような商品になった。
タービンブレード チョーカーの画像
・ジェットエンジンの心臓部 タービンブレード1段目(HPT1)は、エンジン内で最も過酷な環境で動作することから、熱に大変強く、錆びにくく、赤熱するほどの温度でも強度を維持できるという特殊な超合金で作られています。
それでも、離陸時には燃焼ガスが1,300℃前後に達することから、ブレード内部には 8箇所の通路を設け燃焼前の圧縮空気で空冷されています。
この断面形状が、一般的には無いデザインのアクセサリーとして人気を博している。
現在の入手事情(タービンブレード・アクセサリー)
・このような廃棄パーツアクセサリーが販売されていた時期が、1995年~2000年初頭と古いため現在では中古市場でのみ限定的に流通しています。
しかし面白いのは、このアクセサリーに使われている材料が、錆に強く・一度磨くと輝きを維持するという特殊な耐熱合金なので、20年前の中古でも未使用なら新品同様に近いというのが普通の中古品とは違うところ。
オークションサイトや中古リサイクルショップなどを根気よく探していると出会える可能性があります。
相場的には、全日空のB747 タービンネクタイピン(¥6,000前後)、タービンブレードキーホルダー(¥8,000前後)、タービンチョーカー(¥7,500前後)といったところです。
先日、空港でibexエアラインズの機体(ja11rj)の左エンジンテールコーンに緑青のようなものが付着しているのを発見したのですが、このようなことはよくあるのでしょうか。
現役で整備をしている中村と申します。当該機の左エンジンですね。何らかのフルードが漏れた跡にも見えますが、これだけでは何とも判断できかねます。ご参考になれば。
先日、空港でibexエアラインズの機体(ja11rj)の左エンジンテイルコーンに緑青のようなものが付着していたのを発見したのですが理由をご存知でしょうか。珍しいなと思ってコメントしてみました。