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航空ジャンク部品・オークション・フリマの歴史 |ついでに禁断の損益分岐点教えます、原価は〇〇円

飛行機部品-ヤフオク-メルカリ

年々、人気が高まる航空ジャンク部品(航空機パーツ )は、どのような歴史をたどってきたのか?

飛行機で実際に使われた中古部品の販売。最近、再び賑わってきたが航空ジャンク市や部品オークションの歴史は結構古い。

今回は「ジェットエンジンのパーツだけ」という限定した枠で、過去30年の歴史を振り返ってみたいと思います。

プロの収集家の方には当時を振り返る懐かしい思い出話、初心者の方はこんな時代もあったのかという驚きがあるかもしれません。

 

1990年~:黎明期

上からイベント景品、機内カタログ通販(B747 JT9D HPT2)、ジャンク市ブレード(JT9D HPC)

・航空ジャンク部品が人々に認知され始めた黎明期。

実際に空を飛んだ飛行機の部品を持っている」というだけで、仲間内ではちょっと自慢できるアイテムでした。

現代のようにネットもない時代。航空機の廃品パーツの入手方法といえば、航空ジャンク市・エアラインの催し・機内販売など、運よく現地に居合わせた人だけが買えるという限られた入手方法しかありませんでした。

しかし、販売されていたパーツ類はどれも上質。

大手エアラインからの提供品がほとんどで、マニア好みの機種やタービンブレードといった部品がごく当然のように販売されていました。

 

タービンブレードオブジェ日航商事から販売された「B747エンジンの置物」、品名はシンプルだが中身は高圧タービン動翼 1段目という現在では入手困難な部品が普通に使われていた。

この時代最大の魅力は廃棄部品を欲しがる人が少なく、販売価格が安かった。

当時の飛行機は豪華で滅多に乗れない乗り物という印象が強く、憧れのファーストクラスで使われた食器類や機内備品は常に人気で即完売。

今も昔も、人の好みは基本的にあまり変わりません。

華のある機内用品とは真逆のエンジン部品は、油や焼け汚れで誰も触らず見向きもしないためダンボールに纏められ片隅に放置されていた。元々、廃棄処分される金属ゴミ扱いだったので値付けも適当というありさま。

コンプレッサーブレードなど小さなものは¥100~¥300、タービンなら長さや重さを基準に¥1000~2500という時代でした。

1990年代も後半になると、電話回線を使ったパソコン通信(ニフティー)などのコミュニティーが流行となり、お互いの収集品を個人間で交換するという界隈も一部でありました。

また、全日空 原動機工場の整備士の方々の発案による「もっと飛行機を身近に感じてほしい」というコンセプトで登場したアイテムが、エンジン部品を加工したアクセサリー。

 

全日空原動機工場の整備士の方による発案によって商品化された、エンジン部品アクセサリー

・B747-200(CF6 エンジン)、トライスター(RB211)、B737-200(JT8D)など、整備で廃棄となった部品に再び命を吹き込むというコンセプトで販売された商品。

特に、高圧タービンブレード 1段目と呼ばれる希少な部位(マグロでいう大トロ)を惜しみなく使った商品がラインナップされた。

イベント・通販・機内販売でスタートしたパーツ加工アイテムの販売は、キーホルダーやチョーカー、ZIPPOなど一般流通品とは違う奇抜さが話題となった。

 

2000年~:公式販売と個人出品

ジャンク市ではB727/B737 JT8Dエンジン(上と左)、オークションでは 777や747-400に搭載された Trent 800 HPC(真中)、RB211-524G/H IPC(右)などの出品もあった。

・2000年に入ると、エアラインの公式通販サイトや機内販売・飛行機ショップ・ヤフオクなど入手の幅が広がり始めました。

日航商事(JALUX)からは、B747クラシック(JT9D エンジン)の高圧1段目タービンブレード 丸々一枚を贅沢に使ったオブジェが1999年暮れから2000年にかけて販売された。価格は¥9,800くらい。

2002年には、JAL B747-400のエンジン(CF6-80C2)の高圧1段目タービン翼に加工(内部クーリングが見える穴あけ)が施され、ツリー部分に時計が埋め込まれたオブジェが¥29,800で販売された。

その他、JT9Dのファンブレードのダブテール部分をゴルフクラブのパターに変身させた面白アイテムなどもあった。

全日空商事からは、前述のアクセサリー(キーホルダーやチョーカー)が引き続き販売されていた。

これらの商品は通販だけでなく、一タミ時代の羽田空港内にあった ANAショップや空マニアの聖地(ブックスフジ 羽田空港店:現在閉店)でも扱っていた。

 

2005年~:予告なく販売されたアイテム

上からB747 CF6ネクタイピン、左 CF6チョーカー、右 B777 JA8968 PW4074 HPT1

・この頃は、特に引退や初就航といったイベントとは無関係にいきなり販売されるケースが多かった。

例えば、ANAからはB777-200に搭載されていたPW4074/77(PW4000-112)エンジンの高圧1段目 タービンブレードをカットしたキーホルダーが証明証付きで販売された。

3枚にカットされた切り身は(Top・Middle・Bottom)と3種類用意され、好きなモノを購入できるという仕様。

また、搭載機種(JA8968)・エンジン使用時間・担当者のサインが記載された証明カードも付属するなど、航空マニアの心を掴む演出が施された豪華な商品だった。価格は¥7980くらい。

この時代のエアライン放出品の特徴としては、エンジン性能の要となりメーカーも全力で開発する重要な部品(ファンや高圧タービン翼 1段目)を惜しみなく大胆に使った商品開発がされていた。

飛行機ファンや航空関連を目指す学生が手にしてほしいというエアライン各社の熱意は今よりも強く、ほとんどの商品が採算度外視の¥3,000~¥10,000くらいだった。

個人が自由に出品できるヤフオクは、始まって数年ということもあり欲しい物が自由に買えるという和やかな雰囲気だった。

 

 

オークション界隈では、航空ジャンク部品の相場が確立されていなかったこともあり、CF6 HPT1が¥2000~3000、V2500 HPT1が3枚で¥6,000くらい、Trent 800のHPCが3枚で¥2,000というのが標準的な価格だった。

V2500のファンブレードに至っては、送料が高いという懸念で誰も買わずに放置され¥4,500くらいで争わずに買えた。今なら程度にもよるが、4~5万円くらいで出品しても買う人がいると思われる。

2000年代の比率としては、国内産(国内エアライン)が8割、海外産(海外エアライン)が2割くらいの割合で部品が出回っているという感じだった。

国内で利用したことのあるエアラインの部品が比較的簡単に入手でき、海外産も出品者が丁寧にエアライン名を教えてくれるという大らかな時代だった。

 

2010年~:珍事と海外産の流入

どちらも¥100で落札(左:CF6-80C2 HPC 右:HPT 1)右のタービンの相場は、現在 公式品が6万円、個人出品が2万円くらい

・この辺りから航空ジャンク部品も少しずつ変化してきた。

例えば、これまでは B747(JT9D-7Aや-7Q エンジン)のファンブレードが市場に放出されれば、無条件にあのエアライン(機種や型式不明という表記でも国内だと鶴社)に決まりという安心感があった。

しかし、唐突に海外(ほぼアメリカ)からの出物と思われるRB211-524のファンブレードや、機種不明の大小様々なコンプレッサーブレードやタービンブレードが中古市場に加わるようになった。

海外産の流入によって、何を買っても国内エアラインで使われたジャンク部品という常識が少しずつ崩れ、日本では就航していない飛行機の部品が出回り始めた。

2010年に入っても相変わらず航空ジャンク品の明確な価格相場は決まっておらず、HPT1:¥5000前後、HPT2:¥3000、HPC:¥500くらい、ファンブレードは1~2万円というのが入札によって最終的に収まる値段だった。

かなりぶっ飛んだ例外としては、今では1枚 2万円くらいの 747-400や767-300で使用された「CF6-80C2のHPT1」が1枚 100円で買えたという事もあった。

出品者がHPCとHPTの価値を同じとしたことで起きた珍事のような出来事。

JALのB747クラシックや747-400の退役、エアライン各社の初便や退役イベントなどでも実際に空を飛んだ部品(HPC)が景品になる機会も多かった。

 

イベントの景品などで普通に貰えたジェットエンジンの部品(コンプレッサーブレード

また、SNSや個人ブログでも航空部品が次々と紹介されたことで注目度も上がり、飛行機部品マニアの人口が少しずつ増え始めた。

そして、売れるとわかればどこからともなく現れる輸入業者の存在。

2012年頃から、海外産のジャンクパーツも少しずつ中古市場に流入するようになった。

比率としては 7:3といったところで、適当に買ってもまだまだ国内産が7割といった感じだった。

 

2014年~2016年:幻想の3年間

公式品:左から747-400(CF6 HPT1)、747-400(CF6 HPT2)、777-300ER(GE90 HPT1)

・2014年から2016年は、航空機パーツの人気が一気に沸き上がった。

その大きな要因となったのが、ANA B747-400の退役。全国的に知名度が高かったジャンボジェットの引退は、別れを惜しむ声も多く、様々な退役ツアーやイベントが開催された。

そのような中で販売されたのが、ANA 747-400のエンジン部品を使った退役記念オブジェ。

747-400の原動力だったCF6-80C2エンジン。その燃費や性能のカギを握る重要なパーツとなる高圧タービンブレード(1段目と2段目)がそれぞれ台座付きで発売された。

「ANA」「B747-400」「高圧タービンブレード 丸々1枚」と全ての条件が揃った奇跡的な商品は ¥19800という当時としては挑戦的な価格設定で登場したが、奇跡的条件によって瞬く間に売り切れた。

発売日や販売時間の告知もなく静かにスタートしたが、開始後すぐにサーバーが数十分間も落ちるほどの人気ぶりだった。

これをキッカケに、HPT(高圧タービンブレード1段目)の相場は公式品が2万円、個人の出所不明品は1万円という見えない常識が確立され始めた。また、海外産も多く加わったことで比率としては 5:5くらいになった。

さながらタービンブレードのゴールドラッシュとされた幻想の3年間

公式からは747-400だけでなく、777-300ER GE90のタービンも販売された。

また、ヤフオクでは様々なHPTが個人出品され価格は日々下落の一途、平均相場は1万円を切り3千円を下回る時もあった。

747-400の時には瞬間的に売切れたHPT1も、現役の777-300ER(GE90)はなぜか当時は不人気で売り切れるまで時間を要した。

公式品が定価 2万円という破格でも売れ残る時代。これが5年後には6~7倍まで高騰するとは誰も予想できなかった・・・

2017年~2020年:大高騰時代

中古市場で大物と呼ばれる「高圧タービンブレード」が消えた3年間、買えるものといったら限られた放出品だけだった。

・2016年まで飽和状態により大幅下落したHPT1の値動きも遂に底打ちし、大高騰時代へと突入する。

公式品は2016年を最後に波が引くように販売は全て終了。

一方のオークションやフリマサイトでは、出所不明の個人出品物を買うよりも、公式の再販売が繰り返しあると期待した人達が増えたことで中古市場は終わりを迎え始めた。

業者を含む個人出品者たちは続々と姿を消し、市場に現れることはなかった。

 

中古市場で流通するほとんどの部品が、コンプレッサーブレードとなった。多くの人が望んでいたタービンブレードはほとんど姿を消した。

ここから暗黒時代へと入る。

1年・2年・3年と経過しても公式品はミールカートや機内用品といった商品ばかりで、ファンが待ち望んでいたHPTの再販売は一切なし。

試しに、大手エアライン2社に販売のリクエストをしても「検討します」という素っ気ない回答。

欲しがる人は多いが、物はない。
探している人は多いが一切ない。
どこにもない、中古もない。

2019年、HPT1がその辺のダイヤモンドよりも価値が上がった瞬間だった。

それを察知した人達の行動は早く、過去の公式品を定価の2倍(4万円)で出品。瞬く間に落札。

次の人は定価の3倍(6万円)、これも少し間はあったが落札。

この辺りからプロと呼ばれる出品者が登場する。試しに 8倍(16万円)で出品するが流石に高すぎる。これは売れないが、看板代わりにしばらく市場に放置された。

その間にも、早々に売り抜けたい人たちが殺到。定価の4倍(8万円)が妥当なアンカーとなり次々と落札されていく。

しかし、個人が買った公式の商品には数の限界というものがあり、1年も待てば売りは確実に止まる。

その時をじっと待っていたプロは、その瞬間を見極め定価の 7倍(14万円)で再び勝負に出た。その出品物は、見事に買い逃した人の心を掴み、過去最高額で売り抜けた。

2020年、基準価格が再び高値に変わった瞬間だった。

さらに追い打ちをかけるかのように流行病による行動制限、飛行機好きにとっては乗れない・見れない・撮れないという地獄の日々に突入。

耐え難い欲求の一部は、飛行機アイテムを買って自宅で心を満たすという行動へと変化する。

その感情を誰よりも早く察知したのが、エアライン各社ではなく航空ファンだった。

当時は思い出の品でも、購入して5年も経過すれば飽きたり興味対象が変わることが多い。このような物置に寝ている 2万円で買ったアイテムが10万円になるという魅力は大きい。

エアライン各社は相変わらず動きが遅く、機内食やカートの販売ばかりに専念し、待望のエンジン部品販売の気配は2020年の時点ではなかった。

そうとわかれば、10万円でも売れるかもしれないという期待を持つ出品者も増え始め、再び過去の公式品が市場に現れた。

出品を待ち望んでいた人にとっては、定価の5倍・6倍(10~12万円)でも安くみえるという摩訶不思議な状況となり連日落札され、最終的に8万円前後に落ち着いた。

 

2021年~:Newcomer

特殊な処理によって表面の汚れが除去されたブルーのタービンブレード。コンプレッサーブレードの青は焼けによるもの。同じブルーでも微妙に意味が違う。

航空ジャンク部品を売るというのは見かけよりも難しい。

過去には、大手エアラインが実機で使用した部品を販売しても売れ残った。(最終的には売れたが…)また、ゴールドラッシュ時代の人達や業者も早々に手を引いた。

そんな物品に再び挑戦する新感覚を持った業者さんや、出品者さんの方々が5年ぶりに市場に現れた。

タービンブレードの中には、仕入れ値の10倍でも難なく売れる特殊な物が一部だがある。

しかし、この手のモノは飽きられるのも早い。

永遠に腐れない在庫を抱えてじっくり待つ先代のスタイルをとるか、それとも安くする?それだと別の者が買い叩いてどこかで高く売る。

原価割れ・・・それはない。

予測される1枚の仕入れ値の目安は今も昔も 3~5千円、そこまで値段を下げれば必ずどこかの段階で誰かが買う。欲しい人は多い。

「適当に処分するだけなら最も簡単で最も損をしないのが、タービンブレードと呼ばれる航空ジャンク部品」

分岐点以上の高値で買って転売という考えも、悪くはないがうまみが少なく継続は難しい。的を外せば、長期ブレード漬けの保有資産となる。

タービンブレードには実際に空を飛んだというロマン、真っ赤に赤熱しても耐えられるという特殊な素材や形状、人類の技術の英知がこの塊りには詰まっている

だからこそ、手のひらサイズの銀色に輝くニッケル合金は数万円というお札に変化する。

今後、どのようなアイディアで「購入者の飽き」を切り開くのか興味深い。

 

2022年~:エアライン各社 再び参入

・2016年を最後に公式品の販売は終わったかのようにみえたが、2021年の中古フリマ市場に影響されたのか、あるいは腰が重いだけだったのかわからないが、2022年に入りようやく本家エアラインが動きだした。

完全個人的な意見として「少し出遅れ感」、2020年だったら大々的に取り上げられて人気の的だったかもしれない。

2016年以降、廃品エンジン部品界隈は出品が出尽くして暗黒時代に入った。しかし、求める人は日々増える一方。

特に「タービンブレード」と呼ばれる廃棄部品は大トロ的な希少さがあり、マニアの目に留まればすぐに売れるという商品。それが市場にほとんど出てこない。そうなれば当然ようにプレミアがつき値上がりは必須。

定価2万円が一瞬だが14万円に化けた。

この話題は、これまでタービンという文字に気にも留めなかった人たちにまで波及。この小さな金属部品は、5年の歳月をかけて一躍人気の的となった。

しかし2021年、儚くも崩れた。

どこからともなくフリマ市場に大量投入されたタービンブレード。欲しいと願っていた人達に満遍なく行き渡っただろう。素晴らしいことではあるが、当然のごとく価格破壊。

「数少ない希少性」に憧れていた人は目が覚め、コレクターには「見飽きたブレード」まで格下げされた。

【タービンブレード】の価値は、一気に2015年まで戻された。

2022年現在、マニアの間で交わされるHPTの価値は「7,000円」

このような状況に飛び込んできた本家エアライン。

公式品という信頼度があるので売切れは間違いない。ただし、売れる速度がどうなるのか個人的に気になるところ。

 


・この記事の内容は、管理人が航空関連資料を扱っていた古物商時代の考え・感想であり、中古タービンブレード 1枚の仕入れ値はあくまで経営側としてみた個人の予測価格です。

もちろん現実の価格とは大きく乖離している可能性もあります。ただ、これくらいの原価で仕入れなければ商売としては成り立たないだろうという単純な試算結果です。

 

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