・ダグラス DC-10に搭載されていたGE CF6-50C エンジンの高圧1段目 タービンブレード(HPT1)を紹介します。
中距離路線用の3発ワイドボディージェットとして1980年代に活躍した機体は、今では奇異に映る垂直尾翼に串刺しになったエンジンが特徴。日本国内でもJAL(日本航空)やJAS(日本エアシステム)で活躍していた。
Communi core by S.Fujioka [CC BY-SA 3.0],
CF6-50C 高圧タービンブレード 1段目
Douglas DC-10
General Electric
CF6-50C
High Pressure Turbine Blade Stg1 (HPT1)
- エンジン型式:GE CF6-50C
- 開発年:1972年
- 材質:ニッケル基耐熱超合金 Rene 80
- 結晶構造:一方向性凝固(DS材)
- 冷却方式:コンベクション+インピンジメント+フィルム
- 搭載機種:ダグラス DC-10、エアバス A300B2/B4
- 備考:開発当初から複雑な空冷方式のタービン翼が採用されていたCF6エンジン。一見、金属の塊のように見えるブレードだが、内部は中空構造で3つのトンネルを主とした複雑な冷却回路を形成されている。また、加工の難しい翼表面のフィルム冷却孔も採用されていた。
タービンブレードの画像
・CF6-50Cエンジンの燃費や性能を決める心臓部。高圧1段目のタービンブレードは、長さ11㎝・重さ250グラムと小さなブレード。
離陸時には、この1枚が500馬力を超えるパワーを発生させる。
・1960年代のGEエンジン(J79・TF39・CF6-6)のHPT1は、もなかタイプの二枚一組でディスクに取り付ける形状だったが、このCF6-50からは1枚タイプに変更されている。
離陸時には最高温度1250℃に達する燃焼ガスに晒されるブレードは、緑青のように一部が変色している。
・ブレード形状は、その後登場するハイパフォーマンスタイプのCF6-50E2やCF6-80Cとあまり変わらない。
もちろん、材質やコーティング技術・フィルム冷却孔などは大幅に進化しているが、ベースとなる部分は数十年先も見越して設計されていたことがブレードを通して見えてくる。
タービンブレードのアクセサリー誰か私にプレゼントしてくれないかな~☺️