・2019年9月1日から就航開始したJAL A350-900、航空ファンにとって今大人気なのが鳥の目のようにリアルタイムで機外の映像が見れるバードアイカメラ。
画期的なこのシステムですが、実は1998年に就航開始したB777-300から既にコックピット内ではパイロットが利用していました。
元々、このカメラの目的は何だったのか?コックピットではどのように使用しているのかについて紹介します。
※トップ画像:JAL 国内線 エアバス A350の紹介からお借りしました。
もくじ
キッカケは交通系YouTuber スーツさんの動画
・JAL A350-900の初便が気になり搭乗レビュー動画を探していたら、交通系YouTuber スーツさんの【JALの新型機 A350-900 福岡→東京初便 クラスJに搭乗】という動画を発見。
動画内で紹介された機外カメラの映像は想像以上に綺麗で驚きました。離着陸はもちろん、飛行中も、スポットに到着する時も、好きな時に映像を楽しめる。これこそ飛行機マニアが長年求めていたサービス。
国内線でこのようなサービスが提供されるのは嬉しいことです。
・動画を見ていてふと思ったのが、このシステムどこかで見た気がする。昔からあったような…
この動画をキッカケに、1998年に就航開始したB777-300のことを思い出しました。
GMSS(Ground Maneuver Camera System)
・GMSS(Ground Maneuver Camera System)とは、胴体が長いB777-300が地上走行中に誘導路から脱輪しないよう、前輪と主脚の映像をコックピットのND(ナビゲーション・ディスプレイ)に映し出すシステムとして開発されたものです。
機外カメラは、777-300の胴体下側と水平尾翼の左右に取り付けられています。
パイロットのインタビュー記事には、機体の感覚は訓練で身につくので実際の運航ではあまり使用しない、GMSSは走行しにくい誘導路、出発・到着時のルートが複雑な空港で参考程度に使うといったことが書かれていました。
B777-300ERで使用中の映像
・Air CanadaのB777-300ERで実際に機外カメラGMSSを使用しているコックピット映像を紹介します。
地上走行中の様子や、飛行中のエンジンから吐き出される飛行機雲が確認できます。
機外映像を乗客にも提供するというエアバスの発想力
・このカメラシステムを世界で初めて採用したのはボーイング社。B777-300就航当時、コックピット内で機外の様子が確認できる画期的なシステムとして一躍有名になりました。
その後、エアバスもA340-600やA380といった胴体が長い機体に採用しました。
本来は、パイロットが地上移動中や飛行中の様子を確認する安全システム。これをエンターテイメントとして個人モニターに映像を提供したエアバス。
操縦システムや機体開発だけでなく、『中央席の客をどう楽しませるか?』という細かなところまで配慮するエアバスの発想力。鋭い洞察力を持つ設計陣がいるという話は本当なのかもしれない。
~エアバスの優れた洞察力とは~
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