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【JAL B747-100】タービンブレード オブジェ|JT9D エンジン

・日航商事(JALUX)から、今から20年前に限定発売された『B747 JT9D 高圧タービンブレード・オブジェ 』を紹介します。

この商品は、日本航空のボーイング 747-100のジェットエンジンとして国内・海外を飛び回り、整備のため取り外されたエンジンの部品(タービンブレード)を整備士の手によってオブジェにし商品化したものです。

 

JT9D-7A 高圧タービンブレード 1段目

BOEING 747-100

Pratt and Whitney JT9D-7A

High Pressure Turbine Blade Stg1 (HPT1)

  • エンジン型式:P&W JT9D-7A
  • 開発年:1971年
  • 材質:ニッケル基耐熱超合金
  • 合金名:PWA1455(B1900+Hf)後にPWA1422
  • 結晶構造:精密鋳造多結晶(PWA1455)、一方向凝固(PWA1422)
  • 冷却方式:コンベクション+インピンジメント
  • 搭載機種:ボーイング B747-100
  • 備考:1971年から2000年代前半まで活躍したJT9D-7Aエンジンは、時代と共に様々な改良が加えられてきた。その中でも、燃費や性能・整備コストを左右するエンジンコア内の高圧タービンブレードやノズルは何度も大きな改良が行われてきた。例えば、この高圧タービンブレード(初段)に関しては、見た目の形状はほとんど変わらないが、合金の材質や鋳造方法を精密鋳造多結晶(CC)から一方向凝固(DS材)へと大きく進化させている。DS材といえば、1990年代のハイテク機とされていた747-400や767に搭載されているCF6-80C2のHPT1にも使用されているほど高性能な合金。(2000年以降~は大多数のエンジンが、さらに進化した単結晶材(SC)の高圧タービンに変更している。)

※オブジェの溶接外れによりこのような展示形態となっています。

タービンブレードの画像

・初飛行から数年間、最初期のボーイング747-100には非力なJT9D-3 エンジンが搭載されていたため、離陸時や上昇時に推力不足に悩まされたという。また、燃費や性能を左右するエンジンの主要部品(高圧タービンブレード)には、当初 Udimet 700というニッケル基耐熱超合金が使用されていた。

しかし、この精密鋳造ブレードは結晶の隙間からクラックが発生するという問題があり、使用開始からわずか500~1000時間でブレード破断によるエンジン故障が多発したという話もある。

この致命的ともいえる欠点を改良するために、JT9D-7A用の高圧タービンは再設計された。合金材料をより先進的な当時最新のPWA1455(精密鋳造)に変更。それと同時に、ブレード内部冷却構造の改良も行ったことで、ブレードの寿命は5000時間以上を超えたといわれている。

 

長さ9.0㎝・重さ103グラムのブレード。当時、最新技術の粋を集めて改良した高圧1段目 タービンブレードは大幅に性能が向上。その効果は、燃費だけでなく定時出発率も大幅に改善することができたとされている。

この小さな手のひらサイズのブレードが巨大なB747の性能を左右する。

 

・高圧タービンブレード(初段)は離陸時、最高温度1270℃に達する燃焼ガスに晒される。また、その時のブレード根元部分には、バス2台分とも例えられる約15トンもの遠心力が作用する。

・ブレードの翼型や形状に関しては、その後登場する高出力・低燃費を達成した最終型のJT9D-7Rシリーズ(B747-300型・B767用)とあまり変わらない。

もちろん、金属材料や鋳造方法・翼表面コーティング・フィルム冷却孔など様々な改良が施されているのはいうまでもない。しかし、ベースとなる形状部分は1970年から2000年以降まで30年も使用されることを見越して設計されていた。

※B747-200型やDC-10に搭載されていたJT9D-7Q/-59Aのコアは、-7Aや-7Rシリーズとは別設計となっているので高圧タービンブレードの形状も全く異なります。

・ブレード空冷用の圧縮空気は、ブレードの底部から流入し内部を循環した後、翼後縁から排出される。

『B747 タービンブレード オブジェ』について

・今回紹介した、このエンジン廃棄パーツは2000年にJALショップで『JAL B747 JT9D タービンオブジェ』として販売されていた商品です。

オブジェに使われた部品はどれも特殊な物で、747型機のエンジンの主要動力部品ともいうべき高圧タービンブレードに、ファンブレード用ベアリングSwirlerと呼ばれる燃料ノズルの部品などを組み合わせ、メカニックによってハンドメイドで製作されたオブジェです。

また、IPCと呼ばれるJT9Dのパーツカタログ図面も添付された、航空マニアの心をくすぐる素晴らしい企画商品でした。

 

タービンブレードオブジェ

BOEING-747型エンジンの主要動力部品ともいうべきブレード、ベアリング等のスクラップ部品を使い、この度JALエンジン整備工場のメカニック達によるデザイン、製作されたオリジナル商品になります。

素材も大変高価なもので重量感もあり、ひとつひとつハンドメイドになります。

―商品紹介より一部抜粋―

商品概要
商品名 BOEING-747型 タービンブレード・オブジェ
パーツ名 P&W JT9D-7A 高圧タービンブレード HPT1
付属品 タービンブレード オブジェ・説明書
価格 ¥9,800(発売当時の価格)

 

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