・同じ空港・同じ飛行機でも、雲量が変わると違った印象の飛行機写真になります。これまであまり気にしなかった雲の量とはなんなのか?
エアバンドのATIS(飛行場放送)やMETAR:(定時航空実況気象通報式)の内容には、雲量(FEW ヒュー、BKN ブロークンなど)を示す気象略語が5種類あります。
その略語の読み方や、5タイプの雲量を見比べる画像を紹介。
もくじ
ATISやMETARで提供される雲量の情報
・普段、飛行機撮影で利用しているエアバンドのATIS(気象情報)や、スマホで確認できるMETARでは、雲量はこのように示されています。
ATIS(エアバンド)
・飛行機撮影では主に使用滑走路の情報を利用しますが、そのまま聴いていると視程情報の次に雲量の情報が提供されます。
Fukuoka Airport Infomation “B” 2200Z ILS Runway 34 Approach Using Runway 34 Departure Frequency 119.7 Wind 020 degrees 10 knot Visibility 20 km FEW 1,500 feet cumulus Temperature 14 Dewpoint 9 QNH 29.85 inches Advice You Have Infomation “B”
METAR
・耳で確認するATISに対して、文字情報で確認できるMETARはスマホでもチェックできるので、飛行機撮影前に利用している人も多い。雲の情報は、ATISと同じFEWやBKNなどの略号で提供されています。
もっと詳しく!ATIS&METAR
・もっと深く知りたいという方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
【エアバンド入門 #10】空港に行く前にATISで使用滑走路を調べよう【一瞬で理解できる!】METARとTAFの読み方|自分でできる天気予報(日常生活編)
解説:雲量の略号(5種類)
・先ほどのATISやMETARでは、雲量を【FEW013】や【BKN030】といった略語で表されています。一見、難しそうですが画像で見比べるとスムーズに理解できます。
雲量は空を8分割(単位:オクタス)
・航空気象観測では、見上げた空を8分割(単位:オクタス)し、空港周辺にどれくらいの雲量があるかを示しています。
例えば、下記はSKC(スカイクリアー)とBKN(ブロークン)の日に同一機体を撮影した画像です。
【SKC:スカイクリアー】の時に撮影した画像
【BKN:ブロークン】の時に撮影した画像
記号 | 状態 | 雲量(8分割) |
SKC (Sky clear) | 雲一つない快晴 | 0オクタス |
FEW (Few cloud) | ポツンと少しだけ雲がある | 1~2オクタス |
SCT (Scattered) | 雲が点在している | 3~4オクタス |
BKN (Broken) | ほとんど雲に覆われている | 5~7オクタス |
OVC (Overcast) | 完全に雲に覆われている | 8オクタス |
3ケタの数字〇〇〇は雲の高度
・例えば、【FEW013】の3ケタの数字は、雲の高度を100 ft(フィート)単位で末尾2桁を省略して表示しています。
この数値を百倍することで、その雲の高度がわかります。
- 013⇒13×100=1,300 ft
- 030⇒30×100=3,000 ft
- 150⇒150×100=15,000 ft
馴染み深いメートルに変換したい時は0.3を掛けるだけ。
1,300 ft × 0.3 =390 m(メートル)
※【FEW013】という表示は、空港周辺の高度1,300ft(約390m)に雲がポツン(雲量1~2オクタス)とある状態。
雲量の違う日に撮影した画像
・METARの情報を確認しながら撮影した5種類の画像がこちら。
SKC(スカイクリアー)0オクタス
FEW(ヒュウ)1~2オクタス
SCT(スキャタード)3~4オクタス
BKN(ブロークン)5~7オクタス
OVC(オーバーキャスト)8オクタス
~雲量で事前に空がイメージできる~
・雲の量を表す略語はたった5つですが、同じ空港で同じ飛行機を撮影しても全く違う印象の写真となります。ぜひ、撮影前に使用滑走路だけでなく雲量もチェックしてみてください。
撮影スポットに到着してから「今日は曇りか~」と悩むより、移動中の間に「曇りなら今日はこのアングルで」と行動する方がより楽しく飛行機撮影ができると思います。
・この記事の内容は、METARを確認しながら撮影した画像を5種類に分類したものです。厳密な定義とは微妙にズレている場合があります。趣味以外で利用する際には十分ご注意ください。