究極の超合金 タービンブレードは水光肌のように美しく輝く
今回の航空機廃材は、当サイトのアンケートでも常に上位3位に入る「航空機パーツ・アクセサリ」を紹介。
実際に空を飛んだアップサイクル部品だけが醸し出す輝き、新品の未使用部品には決して現れない美しさがそこにある。
BriYYZ from Toronto, Canada, CC BY-SA 2.0,
アップサイクル 航空機エンジン バッグチャーム
航空機エンジンの心臓部と呼ばれるタービンブレード。
そのウイングシルエット部分には、ニッケル基耐熱超合金という特殊な合金が使われている。
単結晶鋳造によって成形された幾何学的な形状は、単なるデザインではなく旅客機が安全確実なフライトを日々繰り返すために研究された究極の形。
地獄の様相とさえ例えられる現代のジェットエンジンの高温部分で、1万時間以上(距離にして約 800万キロ)も耐え抜いた廃材。
その部品にゆっくりと新たな命を吹き込むと、一般的な貴金属ジュエリーにはない独特の輝きが醸し出される。
水のような光沢感を持つ表面には、メッキやコーティングなどの騙しは一切ない。
金属地金の肌が、見る角度によって鋭さと柔らかさの二重の輝きを放つ。
日常使用においては錆とは無縁、半永久的に輝き続けるスーパーアロイ。
「みんなが集めている航空ジャンク品」アンケートで常に3位に入る理由がこれからもしれない。
タービンブレード・アクセサリの再販はあるのか?
残念ながら現状ではしばらくないだろうというのが正直な感想。
その理由は、材料コストと製作コストが高すぎて、企業が販売しても薄利というよりもボランティアに近いから。
仮にこの航空機廃材 アップサイクル品を当サイトが販売すると仮定したら、キーホルダーで 2~3万円、ペア・ネックレスで6~7万円というのが実売価格になるだろう。
しかし、この価格帯でも購入したい人はそれほど多くない。1万円以下まで下げれば飛ぶように売れるはずだが利益は出ない。
企業が扱うのを止めた理由の一つがここにあるのかもしれない。
このような商品が販売された当時、鏡面仕上げ品と廉価版(メッキ品)が同時に市場に出回っておりどれも1万円前後だった。
鏡面仕上げ品は高い技術が要求される手作業のため製作数が限られる。その点、鏡面工程を省いたメッキ品は大量に製作できることから市場に多く出回った。
しかし、メッキ品は使用していると汗や環境によって青錆のようなものが浮き出てくるという欠点があった。
当時は1万円以下で販売、1990年代からエンジン部品をアップサイクルした商品が存在した。
【タービンブレード廃材加工品:過去にはこのような品もあった】