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エアバンド受信機 MVT-7100を今でも使い続ける理由|1993年製

ユピテル MVT-7100は、発売当時(1993年)広帯域受信機の中でも最高峰と呼ばれる性能を備え、エアバンドの為のレシーバーといわれていました。

なぜ、今でも現行機のDJ-X81と併用して26年前のレシーバーを使い続けているのかについて紹介します。

 

YUPITERU MVT-7100とは

・ユピテルとは、ドライブレコーダーやレーダー探知機のメーカーとして有名な会社ですが、2014年以前(特に1990年代)はエアバンド受信機・広帯域受信機のトップメーカーとして多くの航空ファンから支持されていました。

1993年、HF短波帯・VHF帯・UHF帯の全ての航空無線エアバンドが受信できるマルチバンドレシーバーが販売されました。それがMVT-7100です。

それまで、3バンドマルチ受信は高性能・高価格の固定機のみという時代に、ハンディータイプで定価は7万円台という高性能レシーバーが登場したことが注目された理由。

VHF/UHF帯のエアバンド受信機はMVT-7100以前にもありましたが、HF帯の航空無線が受信できるのは、この機種が唯一のハンディーレシーバーでした。(その後、1994年にAORからHF対応のAR8000が発売)

10m程度の適当な導線を屋外に張っただけの簡易アンテナで、太平洋を横断中の飛行機のHF通信が聴け、メモリーは1000ch、スキャン/サーチ速度も毎秒30ch/30ステップと現行機(2019年)とほとんど変わらないという高性能レシーバー。

そんな広帯域受信機がユピテル MVT-7100です。

 

MVT-7100の後継機
MVT-7100の後継機種として、高周波回路を強化ノイズに強くしたMVT-7200、デュアル受信のMVT-9000などが登場した。

旧機種 MVT-7100を使い続ける5つの理由

遠くの微弱な無線局も高感度で受信

・現行機と比べれば筐体はたしかに大きい。しかし、ボディーが大きいことで内部空間に余裕があり、高周波回路がキッチリと設計されノイズ対策もしっかりされている。

民間機VHF帯に関しては高感度で混変調も少なく、空港内の強電界地帯でも安定した受信性能を発揮している。

ただし、ハンディー機であるため固定機と比べると全般的にノイズには弱めではあるが、現行機の小型ボディー極小高周波回路に比べると違いは歴然の差がある。

MVT-7100とハンディーアンテナの組み合わせでエアバンドを聴いた際、地上の航空機や管制塔に関しては、おおむね15㎞の範囲内が受信エリア。しかし、高度10,000mを巡航中の航空機の場合は100㎞程の圏内が受信可能となる。これに対してDJ-X81の場合は、ノイズに埋もれる場合が多い。

これはアプローチの周波数で、航空機側からのイニシャルコンタクトが受信できるかできないかの差となる。特別機やVIP機の情報はMVT-7100が有利な場合が経験上多い。

 

音声回路の明瞭度が良い

・最近の広帯域受信機全般に言えることは、高音部分が強調されすぎて「シャカシャカ」音が強く音声の明瞭度があまりよくないということ。

これに対して、ユピテルのMVT-7100(MVT-7000も同様)は低音と高音がちょうど良いバランスで明瞭度がよく、受信した音声をハッキリと聞き取ることができる。

この差はイヤホンで聴いているときに顕著に現れます。特にエアバンドの場合、2~3時間くらい聞きっぱなしというのが普通で、撮影後に耳に変な違和感がある現行タイプに対して、ユピテルのMVTシリーズはあまり疲労感はありません。

 

この差はACARSでも顕著に
航空機が会社と文字通信で連絡するACARS(エーカーズ)というシステム。エアバンドとPCさえあれば解析が可能。しかし、この解読には受信機のオーディオ回路が肝となる。MVT-7100は文字化けの発生が比較的少ないが、現行機種はかなり発生する。

微妙な調整ができるアナログスケルチ

・交信が行われていない時に『ザー』となる雑音を消すスケルチ機能。受信信号のレベルを決めることで、これ以上だと交信中と判断し音声を出力、これ以下だと交信していないと判断し『ザー』という雑音を消す装置。

現行機種のほとんどが、スケルチの受信信号(しきい値)を 0~9などデジタル表示で選択します。一見便利なのですが、受信レベルの閾値が微妙な時があり「4」だとスケルチが解放され雑音状態、「5」だと遠方の局から微弱電波を受信できないということが度々おこります。

このとき便利なのがアナログボリュームタイプのスケルチ。解放されるギリギリのラインを狙うことができるので重宝します。

操作性がシンプル

・キーパッドが適度に大きく操作性がよいのがユピテルの広帯域受信機。メモリースキャンやサーチ機能、メモリバンク機能など、現行機種にあるほとんどの機能はMVT-7100が発売された26年以上も前から確立されています。

今の機種にあって旧機種にないのは、せいぜいデュアルチャンネル受信や録音機能、プリセットメモリくらい。

最近の機種はボタンを少なくする傾向にありますが、一つのボタンに機能を複合することで、かえって操作が煩雑になる場合もあります。

 

ディスコーンアンテナと組合わせ固定機に

・小型の現行機に比べると混変調やノイズに強い旧機種は、家や車で使う固定機としても重宝します。

ディスコーンアンテナを屋上やベランダに立てMVT-7100と接続すると、屋内でもエアバンドを聴くことができ、受信範囲も地上局は20㎞程度、巡航中の航空機は200~250㎞先まで追跡が可能。

機種にもよりますが、現行機のハンディータイプ受信機とディスコーンアンテナを接続すると、アンテナの利得が大きすぎてノイズや混変調が多発しました。

古い機種のここが欠点

・以上で旧機種を使う5つの理由を紹介しましたが、全て完ぺきではなく欠点もあります。それは大食いであるということ。

ここでは旧機種の欠点をまとめてみました。

  • バッテリーの持ちが悪い(連続 3~4時間程度)
  • ボディーが大きい(携帯性が悪い)
  • アンテナがBNC端子、最近はSMAタイプで互換性がない

ボディーは正直かなり大きいです。受信性能をとるか携帯性を優先するかで使い分けが必要。バッテリーに関しては、早朝から撮影に入ると午前中でアウト。唯一の救いは単3電池なので急ぎの場合はどうにか調達できる。

まとめ:時には古参機がメインになることも

・バッテリーに関しては大食いという欠点はありますが、長時間に及ぶ飛行機撮影などはやはり旧機種のMVT-7100の方が耳にも負担がなく快適に利用できます。

私の場合は、短時間なら機動性を活かせるDJ-X81を使用、特別機やVIP機など長時間の待機が強いられる場合はMVT-7100を使っています。もちろん予備バッテリーは必須ですが。

現行機のお供に信頼の旧機種を活用するのもおすすめです。

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