・AeroWeatherを利用すると、スマホで簡単に日本各地(世界)の空港の天気情報 METAR / TAFを無料で瞬時に取得できます。
パイロットや管制官・航空関係者が利用している気象通報、METARは飛行場周辺の天気実況、TAFは30時間以内の天気予報です。
飛行機撮影など活動中の時でも、天気予測が自分でできる便利なスマホアプリ”AeroWeather”の使い方について紹介します。
AeroWeatherについて
・AeroWeatherは、フライト計画を立てるパイロット・航空ファン、気象予報士のために作られたスマホアプリで、iOSとAndroid用どちらも無料でダウンロードできます。
一部の機能解放には課金が必要なようですが、普通に使用する分にはフリーで特に問題ありません。
AeroWeatherの特徴
- 世界各地の空港のMETARとTAFを取得可能
- 生データまたは加工したDecorded表示が選択可能
- 天候の最新のデータを常に更新
- 日の出/日の入り、月の出/入りも表示可能
- iOSとAndoroidどちらにも対応
METARとATISの違い
・飛行場の状態や気象状況を放送するという点では、METARもATISもあまり違いはありませんが、航空ファンとして利用する場合の違いについて簡単にまとめてみました。
METAR
- 航空気象情報を英数字による文字で通報
- 30分または1時間ごとの定時に更新される
- 世界中の空港の気象状況を知ることができる
- ネット回線があればどこからでも情報を使用できる
- ICAOで定められた略語や書式となっている
ATIS
- 気象状況や空港状況を音声で自動放送
- 情報の更新はMETARと同じ30分または1時間
- エアバンド受信機が必要
- 電波の届く範囲の飛行場のみ受信可能
- バードストライクなどイレギュラーの際の情報更新が早い
画面はシンプルで操作は簡単
デフォルトで海外の空港が登録されていますので不要なら、対象の空港を選択し右上のメニューから”Delete”をして消去しましょう。
羽田空港の天候を知りたい場合は、”RJTT”と入力し右下のチェックボタンを押す。
国内主要空港の4レターコード千歳空港:RJCC
羽田空港:RJTT
成田国際空港:RJAA
中部セントレア:RJGG
関西国際空港:RJBB
大阪伊丹空港:RJOO
福岡空港:RJFF
那覇空港:ROAH
※その他の国内空港4レター/3レターコード一覧はこちら
空港が登録されるとタイトル画面に一覧が表示されます。風速や気温など概要は自動的に更新されます。詳細な気象状況を見たい場合は選択してください。
・METAR/TAFの詳細な情報が表示されます。左下の【Raw/Decoded切替え】は、Rawデータ(生情報)で表示するか、加工されたDecodedにするかの選択です。
この画面はRaw表示、慣れるとこちらのほうが素早く確認できます。
画面を読むときのコツMETARはほとんど定型表示になっています。音声版のATISと内容はあまりかわりません。
TAFは基本的に表示されている内容が少ないほど、数時間後の天気は良好。行が多い場合は、数時間後から天気が崩れることを意味しています。
慣れるまでは、Rawデータ表示よりもこちらのDecoded表示にしたほうが見やすいかと思います。
お気に入りの空港を登録すれば、画面のように一覧で状況を把握でき、必要な場合は詳細をみることができます。
METARの画面
・METARはATIS(音声)の文字通信版と考えても趣味としてなら大丈夫です。(厳密には違います)
METARを受信したときのスクリーンショットが下記の画像。
・内容の読み方については基本的にATISとあまり違いはありません。まだ略語に慣れていないという方は、エアバンド初心者講座10も参考にしてみてください。
【エアバンド入門 #10】空港に行く前にATISで使用滑走路を調べよう
TAFの画面
・TAFは30時間以内の天気予報。TAFが特に便利と思うのが、撮影中の数時間の間に風向風速が変化、雨や雷雨など悪天候になる可能性を事前に知ることができます。
METAR / TAF 最低限必要な用語
・METAR&TAFについての詳細解説は別記事にて紹介予定なので、ここではこれさえ覚えていればすぐに使えるという用語をまとめました。
・風向は360°方位、風速はKnots表示(数値を半分にするとm/s)
・風速に”G”があれば突風(120/10G25:120°方向から10ノット突風20ノット)
・雲 Clouds:Few(少し)、SCT(所々)、BRK(本曇り)
・天候:TSRA(雷雨)、SHRA(大雨)、RA(雨)、TS(雷)
・温度:29℃/24℃(気温29℃、露天温度24℃=湿度換算74%)
・備考RMK:CB、CU、TSなどがあれば雷や天気の急変に注意。
まとめ:ATISの代わりになるのか?
・METAR&TAF スマホアプリがエアバンドのATISの代わりになるか?
その答えとしては3つ。
①:ATISは電波を使った音声放送のためどうしても空港周辺でしか受信できません。それに対してMETAR&TAFアプリはネット環境があれば情報収集できるというのが強み。
②:電車など移動中でもMETARから”風向風速”を確認、使用滑走路が判断できるので効率的な移動が可能。しかし、使用滑走路を自分で予測する必要があるので慣れるまでは難しい。一方、ATISは使用滑走路も放送されている。
③:情報更新の早さ。ランウェイクローズなどこれに関してはATISの方が経験上更新が早い気がします。バードストライクの情報などもATISではすぐに反映されますがMETARは更新なしというのが過去に何度かありました。
・まとめると、METAR&TAFは飛行機撮影など趣味としてならこれだけでも十分な情報量です。特にATISの確認は必要ないかと思います。ただ、イレギュラー時の情報収集の早さという点では、まだまだエアバンドが活躍しそうです。
最後に内容をまとめると
・AeroWeatherとは:
世界中の飛行場の気象情報METAR&TAF情報が無料で取得できるスマホアプリ
・魅力と活用
ネット環境があればいつでも確認可能。数時間後の天候予測が簡単。パイロットや管制官も使用している。
・エアバンドのATIS放送は不要か?
イレギュラー時の情報更新の早さは経験上ATISの方が早い。エアバンド受信機でも時々確認したほうがより正確に判断できる。
※この記事の内容は、あくまで趣味の範囲でMETAR&TAFを活用する記事です。ご注意ください。