【急上昇】機内で流れる集BGM集

【A340-200/-300】CFM56-5C エンジン|高圧タービンブレード

航空ジャンク_cfm56

今でもCFM56ファミリー最強の推力を誇る-5Cシリーズ

CFM56シリーズ中、最も大きな推力を発生する A340用のエンジン。

エアバス A340は、B747ほどの座席数は必要なく、3発機では航続距離が足りない需要路線に対応するため、1993年に運用を開始した4発エンジンの大型長距離旅客機。(現在は高性能な双発機にその座を奪われ、退役の道を進んでいる。)

開発当時、このA340には推力 30,000~34,000 lbf(15トンクラス)のエンジンが必要とされたが、1980年代後半のCFM56のラインナップは、A320ceo旧型用に開発された CFM56-5A1 推力 25,000 lbf(11.3トン)が最大だった。

-5Cシリーズは、この-5Aをベースに様々な改良が加えられ誕生。CFM56ファミリー史上、最も推力の大きなエンジンとなった。

Airbus A340-211, Airbus Industrie AN0726637Anthony Noble (GFDL 1.2 または GFDL 1.2), ウィキメディア・コモンズ経由で

AIRBUS A340(最大離陸重量 250トン、座席数 300、航続距離 13,000㎞)

CFM56-5C 高圧タービンブレード

AIRBUS A340-200/-300

CFM56-5C

High Pressure Turbine Blade (HPT)

  • エンジン型式:CFMI CFM56-5C
  • エンジン運用開始:1993年
  • 材質:ニッケル基耐熱超合金 N5
    (運用開始から数年間はDS材の可能性もあります)
  • 結晶構造:単結晶(SC材)
  • 冷却方式:コンベクション+インピンジメント+フィルム
  • 搭載機種:AIRBUS A340-200/-300

・1980年代後半、CFM56ファミリーの中で最大出力を誇るエンジンは、A320ceo用に開発されたCFM56-5A1(推力 25,000 lbf)でした。しかし、大型長距離用の A340には更に5,000 lbf 以上大きな推力(30,000~34,000 lbfクラス)のエンジンが必要とされ、CFM56-5Cの開発がスタート。

 

ベースとなったのは CFM56-5A1エンジン。

 

単純な推力増強方法としては、コスト増しになるコア(高圧圧縮機・高圧タービン)は極力変更せずに、コアへ流入する空気流量を増加させて排気速度を上げる方法がある。

 

一例をあげると、ベースエンジンのバイパス比を下げることでコアへの空気流量が増加、さらに低圧圧縮機(LPC)を追加することで全体圧力比が上がり排気速度も上がる。その余剰エネルギーを利用して、ファンの回転速度(N1)を性能の限界まで引き上げることが可能となるので、結果的に推力を増強することができる。しかし、この簡易的な方法は大きな改良が不要というメリットはあるが、燃費や高圧系の寿命に影響する場合もある。

 

上述の欠点を補う方法として、低圧タービン(LPT)を追加するという方法もある。高めた排気速度を追加したLPTに吸収させることで駆動力が上がり、より大型のファンを取り付けて推力を増強できる。この場合、コアの変更ほどではないが、ファンの再設計やLPTの追加によるコスト増しも大きい。

 

CFM56-5Cの場合、ファン径を1.73m(-5A1)から1.84m(-5C)に大型化。LPCを1段追加、3次元設計によるHPC翼型、全体圧力比の高圧化(31.3→39.2)、単結晶によるHPTブレード、LPT段の1段追加などが行われた。

 

これらの改良によって CFM56-5Cシリーズは、ファミリー(-2~-7B)で最も大きな推力を発生させるエンジンとなった。

 

※自動取得しているため、内容が違う場合があります。

タービンブレードの画像

A340-200/-300用に開発されたCFM56-5Cエンジンの心臓部。このブレード 70~80枚をディスクに取り付けることで1段のタービン部を形成。

最大出力時(レッドライン)、高圧段は15,183rpm(105% N2)で回転。これによって9段の高圧圧縮機を駆動し、全体圧力比 39.2という現代の大型エンジンにも匹敵するほどの高圧化を達成する。

また、様々な補器類(燃料ポンプ・油圧ポンプ・機内用発電機)も、このタービンブレードによって発生した力によって駆動されている。

 

・A320ceo旧型のCFM56-5A1コアから派生した-5Cシリーズ。EGTと呼ばれる排気ガス温度の制限値も大きく向上した。

一般的にEGT(排気ガス温度)は、高温になる高圧タービン側(HPT)ではなく、若干温度が下がる低圧タービン入口側で測定される型式が多い。EGTには厳格な制限値があり、これを超えて運転するとHPTが熱損する場合もある。

同一エンジンコアの場合、あくまで趣味の範囲ではあるがこのEGTのスペック値を比較することで、どれくらい性能が向上したのかわかる場合もある。

EGT(レッドライン)は10℃程度の上昇でもかなりの進化といわれるが、-5A1は915℃、-5C4の場合は975℃と大幅に向上している。

このコア技術が、後にラインナップされるCFM56-5B/-7Bにも適用されている。

※CFM56-5BはA320ファミリー用、-7BはB737NGファミリーに搭載されています。

 

・実際に使用されるタービンブレードは、このような状態ではなく金属コートやTBC(セラミック・コーティング)などの表面処理が施されています。

今回紹介のブレードは、スクラップ処理が施され展示鑑賞用に鏡面加工されているため実際の色とは違います。

 

CFM56-5シリーズ スペック比較

CFM56 series-5A1-5C2-5B4
Thrust (lbs)25,00031,200
(34,000 : -5C4)
27,000
Bypass ratio6.06.65.7
Mass flow (lb/s)8521,025900
OPR31.338.3
(39.2 : -5C4)
32.6
Fan/LP/HP Compressor1+3+91+4+91+4+9
HP/LP Turbine1+41+51+4
N1 (rpm)5,1004,8005,200
N2 (rpm)15,18315,18315,183
EGT (℃)915975950
AircraftA320ceoA340-200/-300A320ceo
Entry service198819931995

 

CFM56-5B/-7Bのコア
CFM56-5シリーズの運用開始は、 -5A1(1988年)→-5C2(1993年)→-5B1(1994年)→-7B22(1997年)となっておりA,B,Cという順ではない。そのため、A320ceoやB737NGに使用されているCFM56-5Bや-7Bは、-5Cからの派生型コアが使用されている。しかし、現在活躍している機材のエンジンが、そのまま古い-5Bや-7Bコアというわけではなく幾度となく改良されている。また、2011年以降に適用されたPIP(Performance Improvement Package)によって、コアの性能が大きく向上し -5B/Pや-7BEと呼ばれる型式に変更されている。興味深いことに、ベースとなった-5Cのコアに-5B/Pの技術が逆に適用された-5C/Pと呼ばれる性能向上型もある。

参考画像:A320ceo CFM56-5B

 

※記事の内容は、CFM56の開発歴史などを遡り趣味として個人的に調べた内容です。間違いや勘違いをしている場合もあります。おかしな点や不備などがありましたら教えてください。随時、内容の修正・追加を行っています。

1+

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

Translate »