・【みんなが疑問に思うあの値段シリーズ3】旅客機のエンジンの値段って一体いくらなのか。普段よく利用する身近な航空機 エアバスA350、A380、B787など色々なエンジンの値段をまとめました。
前回の内容は、ファンブレード1枚の値段は高級車が1台買えるほど高額という内容でした。
300トンの機体を軽々と浮かすエンジンの値段
・空港に行くと大小様々な旅客機が大空へと飛び立っています。100トン程度の国内線から300トン前後の国際線、560トンの2階建てのカメまで様々。
これらの機体を軽々と浮かす原動力となるエンジンの値段は1台いくらなのか?
まとめた表がこちら(2012~2017年のリストプライス)カタログ価格を参考にしています。
エンジン価格一覧
機体 | エンジン型式 | カタログ価格 (2012~2017年) |
日本円換算 ($1⇒¥110) |
A320 | CFM56-5B | $ 10M | 11億円 |
A320 | V2500 | $ 9.5M | 10.4億円 |
A320neo | LEAP-1A | $ 14.5M | 16億円 |
A320neo | PW1100G | $ 12M | 13.2億円 |
A330 | CF6-80E1 | $ 12.2M | 13.4億円 |
A330 | Trent 700 | $ 23.25M | 25.5億円 |
A350-900 | Trent XWB-97 | $ 35M | 38.5億円 |
B737-400 | CFM56-3 | $ 7M | 7.7億円 |
B737-800 | CFM56-7BE | $ 10.8M | 11.9億円 |
B737 MAX 8 | LEAP-1B | $ 14.5M | 16億円 |
B747-400 | CF6-80C2 | $ 10M | 11億円 |
B747-400 | PW4056 | $ 9.3M | 10.2億円 |
B747-8 | Genx-2B | $ 22.5M | 24.7億円 |
B767-300ER | CF6-80C2B7 | $ 11M | 12.1億円 |
B777-200/300 | Trent 800 | $ 25M | 27.5億円 |
B777-200ER | GE90-85B | $ 20M | 22億円 |
B777-200ER | GE90-94B | $ 24M | 26.5億円 |
B777-300ER | GE90-115B | $ 27.5M | 30.2億円 |
B777X | GE9X | $ 41.4M | 45.5億円 |
B787-8 | Trent 1000 | $ 30M | 33億円 |
B787-8 | GEnx-1B | $ 25.6M | 28億円 |
B787-9 | GEnx-1B | $ 28.7M | 31.5億円 |
E170/175 | CF34-8C | $ 4M | 4.4億円 |
E190/195 | CF34-10E | $ 7.3M | 8億円 |
KC-135R | CFM56-2 F108 | $ 8.75M | 9.6億円 |
P-8A | CFM56-7B F108 | $ 13.7M | 15億円 |
※エンジンの価格は、エアラインの仕様や購入数、購入時期等によっても大きく変化し、ドルのレートによっても左右されます。標準的な価格がプライスリストとなっています。 |
なぜ最近のエンジンは高額なのか?
・エンジンのプライスリストを見ると、最近のエンジンは高額になっている傾向にあります。
例えば、CF34の場合は-8から-10で約2倍、同じ推力クラスのCF6とGEnxも2倍といった感じになっています。大雑把にいって今まで10億前後のエンジンが20~30億となっています。なぜか?
これには様々な要因がありますが、調べてみると面白い情報がありましたので紹介します。
近年の大型ターボファンエンジンは、一つの型式から様々な機種に合うように推力を変更しタイプを枝分かれさせています。例えばCF6-80シリーズだと-80C2B1F、-80C2B4、-80C2B7など。(一部のメーカーではエンジンコンピューターのプラグを変更するだけで最大推力を変更できます。)
このような方式のエンジン内部は、ほとんど同じ共通仕様で設計されていることから、構成部品や仕様はシリーズ中、最大推力の型式に合わせて製造されています。
基本構成は高推力エンジン、それをエンジンタイプに合わせて推力を減格する。その為、内部の構成部品は高性能な材質や仕様になっているため、販売価格が高額になっているという一例がありました。
・では、同一エンジンの推力減格タイプを購入することは損なのかというと、実際はそうでもないようです。
元々、高推力設定のエンジン部品は耐久性が格段に進化しています。それを減格推力で運用することで部品の寿命が大幅に長くなります。その結果、メンテナンスコストを安く抑えることができるのが大きなメリットとなっています。
この方式は、B777で使用されているPW4090をソフトウェアによって推力を減格しPW4074Dとして運用している例もあります。
※この記事にある画像のエアライン・機種とエンジン価格は関係ありません。
元ですけどね。因みにバスタブ曲線の話は、ここの管理人さんから教えてもらった話です。
まぢかーA350XWBのエンジン高えぇー、トレント が高いという噂は本当だったんだな。
ロールスのトレントシリーズは3軸エンジンですから、そのあたりも高額になる要因なのでしょう。燃費効率がよいので結果的に回収できるはずです。日本航空が導入したのは意外でした。
787のように壊れなゃいいんだけど。
バスタブ曲線をご存じですか?どのような工業製品でも初期トラブルはあります。それが徐々に改善され故障率は低下します。でもある一定年数が経過すると故障率はまたあがります。この故障率曲線がバスタブのような曲線に似ていることかたそう呼ばれています。
散歩中の人さんは航空の人?専門的解説わかりやすいです。