ジェットエンジンのスクラップパーツを収集して何が楽しいのか?普通の人から見れば『同じ形状』の物を2つも買う意味が理解できないらしい。
しかし、そこに面白さがある。実はこの右のブレード、左の旧式と形は似ていても空力性能が全く違う格段に進化したコンプレッサーブレードなのです。
航空機のスクラップ部品を集める醍醐味の一つは、このような小さな進化を発見できた時なのかもしれない。
同じものを2個も買う意味がわからない
スタッフ
管理人
スタッフのその一言が始まり。
航空ジャンク イベントで買ってきたジェットエンジンの廃棄ブレードを、無造作にデスクに置いてあったのを見たらしい。
『興味がない人にはそう見えるのか…』
同じようで全く違う進化したブレード
・このジャンク市で購入してきた2つのコンプレッサーブレード。一瞬だけ見ると同じように見えますが、下の拡大した画像を注意深く見ると微妙に違います。
※取付け部分のダブテール形状ではありません。ヒントは翼面
同一エンジンの新旧コンプレッサーブレード:根元のダブテールではなく翼面に違いがあります
※ジャンク市では、同一ブレードとして数十枚が同じ箱に入れられ販売されていますが、よく観察すると微妙に変わった物が混じっている場合があります。
3Dエアロ翼と呼ばれるコンプレッサー動翼
・上の画像だと、左側が旧タイプ・右側が新タイプになっています、どちらも同じエンジンです。
このような細かな違いを比較する場合には、強い光に当てるとすぐに判別可能です。
コンプレッサーブレード(旧タイプ):前縁が直線状になっている
コンプレッサーブレード(新タイプ):3Dエアロ翼が採用され曲線を描く形になっている
旧タイプは前縁が直線状になっていますが、新タイプは前縁が曲線になっている3Dエアロ翼と呼ばれるCFD(数値流体解析)による設計となっています。
3Dエアロ翼について専門書で調べてみると、超音速流で剥離した気流が再付着しやすくなる形状だと記載されていました。
『似ているようで全く違う』
このような違いはコンプレッサーブレードだけでなくタービンブレードにもありますが、また別の機会にでもしょうかいしたいと思います、
今回は、このような日々の雑記ネタでした。
※このブレードが何のエンジンか興味がある方は、こちらから探してみてください。いい暇つぶしになるかと思います。
【航空ジャンク入門 ⑨】コンプレッサーブレードの種類と形状!