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おにぎり→ビーフン→お餅=タービンブレード|鋳造法はこの覚え方が便利

単結晶・一方向性凝固合金

「おにぎり」「ビーフン」「お餅」、昔から伝わる伝統の覚え方。タービンブレードの鋳造(結晶制御)はこうイメージすると理解しやすい。

 

・ジェットエンジンの勉強で挫折しそうになるのが、計算式・材料・結晶ではないでしょうか。

エンジン部品の構造は楽しくワクワクする内容ですが、材料や結晶構造となると途端に憂鬱になる場合も。

特にタービンの章に入ると、いきなり「タービン動翼の鋳造はCC・DS・SCなど・・・」という内容で嫌になる。

その原因の一つがイメージしにくいから。

「単結晶だから何?、一方向性凝固合金って舌かみそう、結晶粒界とか言われてもね。」

こういったものは、最初の例えがイメージできれば後はスムーズに頭に入る…かもしれない。

ということで、今回は昔から伝わる伝統の「タービンブレードの鋳造(結晶制御)はどうイメージすればいいのか」を少しアレンジしてサクッと紹介します。

 

鋳物技術とは

EarlyAthenianCoinI, PHGCOM, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

・鋳造とは、金属を溶かして型に流し込むことで複雑な形状を作る方法。

その歴史は紀元前 3,500年ごろまでさかのぼり、古代ギリシャでは ブロンズ像やコインなどが鋳造によって作られていた。

詳しくは、前回の「【 空飛ぶ超合金 】飛行機は美しい金属で空を飛ぶ|そのお値段1枚 100万円!」で紹介しています。

 

CC・DS・SCはこうイメージする

・ジェットエンジンのタービン動翼や静翼の製造には、一般的に鋳造技術が使われています。

鋳造は溶けた金属が凝固するときに、普通に冷やすか、特別な方法で冷やすかによって結晶を制御することができます。

教科書によく書かれているのが、普通鋳造(CC:Conventional Cadting)は結晶粒界が色々な方向にできるため、応力がかかると割れやすい。

一方向性凝固(DS:Directional Solidification)は、力のかかる方向に対して垂直方向の結晶粒界を除去したことで耐熱温度がCCよりも30~40℃高い。

結晶粒界が全くない単結晶(SC:Single Crystal)も開発され実用化されている。

これらの特徴は、「ごはん」をイメージすると理解しやすくなります。

 

Googleで検索すると教科書によく出る(普通鋳造・一方向性凝固・単結晶)などの画像が表示される

普通鋳造(CC)

CCは、ご飯を「おにぎり」と例えます。

お米とお米の隙間が結晶粒界。綺麗な三角のおにぎりを作っても粒界が多いので、少しの力で変形したり、ボロボロと崩れる。

そんなイメージが普通鋳造です。

もちろん、実際のタービン動・静翼には凄く改良された材料や製法が使われているのでボロボロにはなりません。あくまでイメージ。

 

一方向性凝固(DS:Directional Solidification)

一方向性凝固(DS)のイメージは「ビーフン(ほんとは、うどんが覚えやすい)

ご飯を加工して麺にしたイメージ。

その麺を束にすることで、長さ方向に引っ張っても伸びることで耐えるのでなかなか千切れません。

これがCCより、30~40℃も耐熱温度を上げられる理由。

しかし欠点は、長さ方向に垂直な力を受けると折れやすい。麺と麺の間(結晶粒界)をどうくっつけるかによって性能が変わります。

実際のDSタービン翼では、ハフニウム(Hf)など結晶間結合強化元素を添加することで強化しています。

ただ、様々な強化元素を含むと合金の溶解温度が下がるので、無暗に添加するということはできない。

一方向性凝固は、クリープ寿命と製造コストのバランスが良いことから現在でも多くのエンジンで使われています。

B767/747-400(CF6-80C2)の高圧タービン翼 1・2段目にも最近までDS翼が使われていた。(現在のHPT1は単結晶)

 

単結晶(SC:Single Crystal)

単結晶(SC)のイメージは「お餅

おにぎりや麺を、いっそのこと全部まとめて一つにしてしまったお餅。

米と米との隙間や、麺と麺の間にあった粒界がなくなったことで、これまでの弱点が解決された。

おまけに結晶間の結合強化元素が不要となったことで、溶解温度も上げることが可能となった。

DS翼と比べて寿命は3倍耐熱温度は17℃も上昇という高性能で優秀なお餅。

しかし、欠点はコスト。

お米を完全に潰して、餅の中の空気も完全に抜くほどこねる必要がある。普通に考えると難しい。

実際の単結晶鋳造も、溶融状態から凝固させる冷却過程はかなり高度な制御が必要で、それがそのまま製造コストに反映される。

しかし、低燃費や軽量高出力が求められる現代の大型ターボファンや戦闘機エンジン。そのほとんどの高圧タービン動・静翼には、単結晶(SC)が採用されている。
(一部では、低圧初段の動翼にも単結晶が使われている)

 

 

民間機初のSCタービン翼・SCによる高圧タービン動翼が量産され実用化されたのは1982年。民間機では、B747/767に搭載されていた P&W JT9D-7Rシリーズが世界初のSC翼採用エンジンとされている。

JT9D-7Rシリーズの高圧1段目タービンブレード(SC翼)


「おにぎり(CC)」「ビーフン(DS)」「お餅(SC)」というイメージ、覚えやすかったのではないでしょうか。

冒頭でもお伝えしましたが、この覚え方は昔からある一般的な覚え方です。

本当は、ビーフンじゃなくて「うどん」や「そうめん」なんですけど、それは米じゃないだろうと時代とともにマジレスも増えたためビーフンとしています。

しかし、言葉を変えると肝心の「ビーフン」というキーワードが思い出せない。

その辺は、使う人が自由に変えれば良いかと思います。

 

航空資料館

やっぱりビーフンって思い出せない…管理人は「おにぎり」「うどん」「お餅」の方が覚えやすいので普段はこちらを使っています。

飛行機部品図鑑タービン左から747(JT9D:CC)、747-400(CF6:DS)、757-200(PW2000:SC)高圧1段目 タービン翼

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