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RB211-524D4 タービンブレード HPT【B747-200B】|RRブレードの見分け方

Rolls Royce RB211-524D4 高圧タービンブレード(HPT)について紹介します。

ボーイング747-200B/-300/-SPなどクラシックタイプに搭載されていた、英 Rolls Royce RB211-524D4エンジン。

前作のトライスター用エンジン(-22B)から受け継ぐ伝統の3軸エンジンは、高い効率で燃費が良く・騒音も小さく・信頼性も抜群ということで、BAやカンタス航空・キャセイパシフィックなどに採用され急激にシェアを伸ばした。

今回は、その心臓部であり性能の決め手となった高圧タービンブレードを紹介します。

 

Qantas Boeing 747-300 engines Koch-1Darren Koch (GFDL 1.2 または GFDL 1.2), 

その前に、ちょっとCM

小学生でも見分けられるRB211のタービンブレード
左からRB211-524D4(B747クラシック)、-524G(B747-400/B767)、-524G-T(B747-400/B767):精密鋳造→一方向凝固→単結晶と鋳造方法が変わり材質も変更されている。-524G-TはTrent700/800の技術が適用されたことで、燃費は-524Gと比べて-2%、ブレード使用時間も劇的に延び長寿命化された。(全てのブレードは、使用不可を示すノッチが入りスクラップ処置が施されています)

HPTをフィルム孔だけで見分けている人は要注意。

見た目がシンプルだから古いHPTと判断して良いのか?…答えは否。

一般的にHPTはフィルム孔が極限まで増えた次は材質の変更が入り、フィルム孔が再び少なくなる→孔が増える→材質変更を繰り返す傾向があります。

進化した材料に変更することで冷却空気量を減らし燃費を改善するという手法は他社も同じですが、RRのHPTはフィルム孔に反映される傾向が顕著に見受けられる。

誰でも間違う事の多いHPTの型式特定。識者と呼ばれるプロコレクターやネット・書籍だけを鵜呑みにせず、様々な情報ソースからご自身で調べることを強くお勧めします。

当サイトの情報も間違っている可能性は十分ありますが、これ以上信頼できる書類はない極上のペーパーに記載された番号と、ブレード打刻の一致は最低限の基本として注意深く確認しています。

型式をどう判断されるかは皆さんの自由です。当サイトではこう判断しているだけですので、クレームや検証資料の要求などは受け付けておりません。

 

RR RB211-524D4 高圧タービンブレード

BOEING 747-200B

Rolls Royce RB211-524D4

High Pressure Turbine Blade (HPT)

  • エンジン型式:Rolls Royce RB211-524D4
  • 開発年:1981年
  • 材質:ニッケル基耐熱超合金 MAR-M-002
  • 結晶構造:精密鋳造(1981~)一方向性凝固(1987~)
  • 冷却方式:コンベクション+フィルム
  • 搭載機種:B747-200B/-300/-SP

RB211-524D4はB747クラシック用として、-524B2/B4(B747)をベースに改良されたエンジン。

 

元々-524は、B747やL1011派生型のために開発されたエンジンだったが、当初は目標よりも燃費が悪く重量も重いという欠点があった。しかし、それでも当時のJT9Dと比べると約7%も燃費が良く、静かなエンジンとされていた。

 

1977年に運用開始した-524B2に続き、1980年に性能向上型の-524B4、さらに3000 lbfの推力増強と燃費改善が必要となり-524D4(53,000 lbf)が1981年に誕生した。

 

性能の要となる高圧タービンブレードは、-22の時代(材質Nimonic:鍛造~精密鋳造)から少しずつ進化した。

 

-524が開発された1970年代後半は、精密鋳造に必須のセラミックコアの精度が悪く非常に壊れやすいという欠点があり、現代のような複雑な中空構造は難しい時代だった。

 

-22Bや初期の-524では、8本程度の耐熱ガラス棒を翼先端から根元に貫通させ鋳造。鋳込み後は、ガラス棒を酸で除去することで空冷用の内部トンネルを成形した。

 

ガラス棒によって作られた一つ一つのトンネル断面が、競技場のトラックに見えることから「レーストラック・ブレード(Racetrack Blade)」とも呼ばれていた。

 

 

耐熱ガラス棒によって一つ一つ成形されたトンネル断面が競技場のトラックのように見えることから、当時は「レーストラック・ブレード」と呼ばれていた。

ブレード画像

・初代B747-100(1969年)の就航から遅れること約8年、当時主力エンジンだったP&W JT9Dと比較して-7%の燃費改善と静粛性を兼ね備えて登場したRB211-524B2。その改良版となる-524D4はさらに-1.8%の燃費改善を達成。

その安全性と効率性が認められ、ブリティッシュエアウェイズ、カンタス航空、キャセイパシフィック航空など長距離性能が求められるエアラインに数多く採用された。

 

当時は、精密鋳造に必須のセラミックコアの精度が悪く非常に壊れやすいという欠点があり、現代のような複雑な中空構造を形成するロストワックス鋳造はまだまだ難しい時代だった。

しかし、それでも-524D4の先端シュラウドには高い技術が求められる構造が採用されていた。

シュラウド前縁部分は中空のトンネルを形成、そこから中央に向かって冷却空気を噴き出す。また、2つのフィンと1つのフェンスによって燃焼ガスの漏洩を最小限に抑えるという構成。

最新鋭のTrent XWBにおいてもフィンとフェンスのみを備えた簡易的なシュラウド方式が採用され、-524Dのような冷却空気の吹き出し構造は使われていない。

 

※このブレードは展示鑑賞用オブジェのため、ノッチと呼ばれる使用不可処置やコーティングの一部が剥がされています。

 

2度のアップグレードで大きく進化した-524D4

BA 747-200 G-BDXN at LHR (16748337441)G B_NZ, CC BY-SA 2.0

1981年にRB211-524B2/-524B4の改良型として登場した-524D4エンジン。

運用開始から3年後に一度目の性能アップグレード(1984年)が行われ、1987年に最終アップグレードが行われた。その際に、燃費や性能の要となる高圧タービンブレード(HPT)も改良されたことで形状が微妙に変化した。

形がどのように変わったのか簡単に紹介します。

RB211-524D4(1981年)

British-Airways-Flight-9 turbine and compressor bladesNova13, CC BY-SA 3.0

初期のHPT形状がこちら。火山灰によるエンジン停止で有名になったBA009便 B747-236B(G-BDXH)の高圧タービンブレード。

2011年までオークランド博物館に展示されていたが、現在は所有者に返却されている。

-524D4アップグレード(1984~1986年)

最初の改良アップグレードによって、-524D4初期と比較して燃費が-1.8%改善。

HPTは空冷用のトンネル位置変更やフィルム孔の追加、翼形状の変更が行われた。

-524D4最終アップグレード(1987年~)

最終アップグレードでは、RB211-535E4のHPT形状をベースに再設計(Mar-M-002材:一方向凝固)された。

前縁のステージ付近、帽子のツバのように飛び出ているシールリップが二重になっている。これが-524D4 HPTを見分ける特徴。

この形状はRB211-535系列でも見られるが、そもそも535を一部参考にしている部分もあるので似ていて当然なのかもしれない。

ちなみに、シールリップが一つのHPTは-524G/H系列となっているので、気になる方は下記の記事もチェックしてみてください。

 

【B747-400】RR RB211-524Gのジェットエンジン部品|タービンブレード

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