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【違和感】前方にドアが2つある767-300ERが過去にいた|スカイマーク

ボーイング 767-300ERといえば、前方にドアが1か所で乗り降りに時間がかかるという印象がありますが、過去には前方にドアが2か所ある767-300ERも存在していました。

今回は、そんな珍しいオプション仕様で運航されていたスカイマークの機材を紹介します。

航空機のドアについて

飛行機の乗降用ドアや非常口は、利便性や適当に配置しているわけではありません。

エンジン火災や不時着など緊急時に、左右片側どちらかの非常口から乗客全員が『90秒以内に脱出』しなければならないという絶対条件が規定で定められており、その非常口ドアのタイプにもいくつか種類があります。

例えば、通常時は乗客の出入口として使用されている兼用の非常口ドアはタイプAドアと呼ばれています。また、非常口専用ドアはサイズや取り付け場所によりタイプⅠ~Ⅳの型があります。

まとめるとこのようになります。

航空機のドア
種類サイズ用途
タイプA型幅107cmX高さ183cm 以上出入口及び非常口兼用
タイプⅠ型幅61cmX高さ122cm 以上非常口専用
タイプⅡ型幅51cmX高さ112cm 以上非常口専用
タイプⅢ型幅51cmX高さ92cm 以上主翼上脱出専用
タイプⅣ型幅48cmX高さ66cm 以上主翼上脱出専用

※数値は四捨五入しています。厳密な内容が必要な方は耐空性審査要領をご確認ください。

座席数はドアの数と配置で決まる
・最大座席数はドアの数や配置によって厳密に決められています。例え機内に余裕があっても、勝手に座席を増やすことはできません。

B767-300ERのドア配置

・JALやANAで運航されているB767-300ERは、通常仕様タイプのドア配置となっています。

通常仕様

ドア配置(タイプA-タイプⅢ-タイプⅢ-タイプA

・通常仕様機は、前方と後方に出入口兼用のタイプAドアを配置し、主翼上にタイプⅢ型の非常口が2か所あります。

オプション仕様①

ドア配置(タイプA-タイプA-タイプⅢ-タイプA

・このタイプは、前方2か所と後方1か所に出入口兼用のAタイプ主翼上にタイプⅢ型の非常口を配置した仕様。

オプション仕様②

ドア配置(タイプA-タイプA-タイプⅠ-タイプA

B767-36NER-VP-BAZCassiopeia sweet [Public domain]

・この仕様は、主翼上に小さなⅢ型非常口は配置せずに、主翼後方にタイプⅠ型の非常口を配置。前方2か所と後方1か所は出入口兼用のAタイプとしたもの。

なぜ、ドアのオプション仕様があるのか?

・エアラインは航空機を導入する際に、客室内の座席数やレイアウトが自由に変更できる機材を望むことが多い。特に、チャーター機専門会社やLCC(ローコストキャリア)などの格安航空会社ではハイデンシティ(詰込み型座席)仕様が要求される傾向にある。

その最大座席数をいかに多くするかという条件に大きく関わっているのがドアの配置(大きさ)となります。冒頭で紹介した『90秒脱出』の条件です。

B767-300ER(標準仕様機)の最大座席数は290席となっていますが、オプション仕様に変更することで最大350席まで増席することが可能です。

もう一つのメリットとしては、クラス分けが明確にできるという点も喜ばれているようです。

一説によると、この特別仕様はボーイングがエアバスを意識した結果、開発されたのではという話があります。1980~90年当時、B757/B767のライバルとして登場したA310/A300-600Rの売れ行きが伸びていた時期でもありました。

日本でも運航されていたオプション仕様機

・このような特殊な仕様機、JALやANAではこれまで使用されたという記録はありません。しかし、過去にはスカイマークで運用されていました。

 

・1998年9月19日に羽田~福岡線で就航したスカイマーク、当初配分された羽田空港の発着枠は3往復(6便)のみ。

大手エアラインのドル箱路線に新規参入したスカイマークは、独自のアイディアとコスト削減により他社の運賃よりも安く提供するという方針を打ち出した。

当初、1日3往復(後に2000年7月には6往復)という羽田枠で多くの乗客を乗せるために用意された機材が、リースマーケットでも人気だったB767-300ERだった。

しかし、通常仕様機を導入すれば座席は(2-3-2配置)で最大290席まで。

そこで、スカイマークはここでも斬新なアイディアを駆使。ハイデンシティ仕様(2-4-2)配置の309席仕様機を導入を決定した。

ドア配置(タイプA-タイプA-タイプⅠ-タイプA

ただ詰め込みで狭くするという考えではなく、上級クラス(シグナスクラス)12席も用意。普通席297席と組み合わせたコンフィグレーションだった。

数を減らしつつある特殊仕様機

・スカイマークは早々にこの特殊な767-300ERを引退。現在の主力機種である737-800に変更し機材を統一しています。

このような片側に4つのドアを持つB767-300ERは、中古市場でも今はあまり人気がなく世界的に希少な存在となっています。

エアラインにとって、導入する飛行機は機種・エンジン型式・内装・座席数などオペレーションの面では共通仕様にしたほうが経済的です。

新規路線や既存路線の需要増しで中古機を購入する際に、このような特殊仕様機が混じるとコスト的に不利となるので毛嫌いされるようです。

1980後半~2000年頃までは、中距離国際線で250席クラスの旅客機が人気ということもあり、新規参入会社やチャーター専門会社が767クラスの旅客機を採用する傾向にありました。

しかし、現在は小型機でも中距離路線をカバーできるほどの航続性能を持つと同時に、空席率が高くなる可能性のある中型機よりも、150~200席クラスを満席に近い状態で稼動させた方が効率的なので、B737やA320といった小型機が採用されることが多くなりました。

中型機が必要な新規エアラインはB787などを採用することもあります。

 

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