一等航空整備士を受験する航空従事者・航空学生の7割以上が理解に苦しんでいるという科目。それがアビオニクス(航空電子工学)という教科。
この本は、マンガでアビオニクスの知識を学ぶというこれまでの常識を見事に覆し業界を賑わした初めての専門書です。
内容の一部は、他の参考書を超えるほど深く詳細でわかりやすいとエンジニアの間では有名。
いちから始めるAvionics lesson
目次
- B737-800のコックピット
- B737-800のアンテナ配置
- B737-800とエンブラエル170のディスプレイ装置
- IRS
- GPS
- 電波の話
- ATC トランスポンダー
- TCAS
- DME
- Radio Altimeter(電波高度計)
- ELT
- ADF・VOR
- ILS
- Weather Radar(気象レーダー)
- GPWS
- FMS
- あとがき
本の内容
航空ファンには有名な『フライトレーダー24』というアプリ。飛行中の機体がまるで管制塔のレーダーのようにスマホの画面で見れる。
この仕組みは、航空機側が送信するトランスポンダーという装置の電波を、世界各地の航空ファンが受信してネット上にまとめているもの。では、本来の目的は何なのか?
他にもアビオニクスが網羅する範囲は幅広く、電波を扱った装置だけでも通信・気象レーダー・電波高度計にDME(距離測定装置)・ADF・VORなど様々。
理解するのが難しいとされるGPSや自立航法装置の一つIRS(慣性基準装置)、これらがどのような仕組みで自機の現在地を割り出すのかといった内容をマンガを加えながらわかりやすく解説している。
こんな人におすすめ
一等航空整備士の資格を取得したエンジニアの多くが『もっと早く発売されていれば orz』と口をそろえて言うほどらしい…
それもそのはず、著者はJ-AIRの整備部 教育訓練グループに携わっている現職の整備士。だからこそ初心者が何で悩みどこで間違うのかを熟知している。
斬新な表紙からもわかるが、今まで航空技術協会から発行された専門書(教材)は、当然だがどれもシンプルで絵や写真はほとんど無いというお堅いものだった。
しかし、この本はいい意味でぶっ飛んでいる。これには衝撃だ。笑
航空資料館