一等航空整備士を受験する航空従事者・航空学生の7割以上が理解に苦しんでいるという科目、それがアビオニクス(航空電子工学)という教科。
この本はマンガで覚えるというこれまでの常識を見事に覆し業界を賑わした初めての専門書で、内容の一部は他の参考書を超えるほど深く詳細でわかりやすいとエンジニアの間では有名。
32冊目の本は、著者:山崎 正秀・青空ねこ 氏の【いちから始めるAvionics Lesson(アビオニクス レッスン)】を紹介します。
飛行機に取り憑かれた中の人が愛読している航空ファンに役立ちそうな飛行機の本を紹介しています。
航空メカニズムに関する書籍が多いのですが、よろしければ覗いてみてください。
いちから始めるAvionics lesson
本の内容は?
航空ファンには有名な『フライトレーダー24』というアプリ。飛行中の機体がまるで管制塔のレーダーのようにスマホの画面で見れる。
この仕組みは航空機側が送信するトランスポンダーという装置の電波を、世界各地の航空ファンが受信してネット上にまとめているもの。では、本来の目的は何なのか?
他にもアビオニクスが網羅する範囲は幅広く、電波を扱った装置だけでも通信・気象レーダー・電波高度計にDME(距離測定装置)・ADF・VORなど様々。
理解するのが難しいとされるGPSや自立航法装置の一つIRS(慣性基準装置)がどのように自機の現在地を割り出すのかといった内容をマンガを加えながらわかりやすく解説している。
本の目次
- B737-800のコックピット
- B737-800のアンテナ配置
- B737-800とエンブラエル170のディスプレイ装置
- IRS
- GPS
- 電波の話
- ATC トランスポンダー
- TCAS
- DME
- Radio Altimeter(電波高度計)
- ELT
- ADF・VOR
- ILS
- Weather Radar(気象レーダー)
- GPWS
- FMS
- あとがき
どんな人におすすめ?
この本が発行される以前に一等航空整備士の資格を取得した多くのエンジニアが『もっと早く発売されていればorz』と口をそろえて言うほど素晴らしい教材。
それもそのはず、著者はJ-AIRの整備部 教育訓練グループに携わっている現職の整備士。だからこそ初心者が何で悩みどこで間違うのかを熟知している。
斬新な表紙を見れば一目だが、今まで航空技術協会が発行する専門書(教材)は当たり前だがどれもシンプルで絵や写真はほとんど無いという堅いものだった。
しかし、この本はいい意味でぶっ飛んでいる。これには衝撃だ(笑)
著者のこの言葉が気に入った!
今までの航空専門書には例のない形態。~主人公の優は一等航空整備士の勉強中に悩んでいた自分自身。~各話ともにベースとなっているのは私自身が一等航空整備士の訓練中に話している事。
読んだ人の感想
ヒコぐま
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