・B787やA350などの大型旅客機から軍用機まで、様々なジェットエンジンを開発しているロールス・ロイス社。そのRRが発行したジェットエンジンの技術解説書(翻訳:日本航空技術協会)の最新版を紹介します。
滅多に見る機会のないジェットエンジンの内部。最新のTrentエンジンを題材に、豊富なカラー写真とイラストで技術解説しているのが特徴。
The Jet Engine:日本航空技術協会 翻訳
本の目次
- 理論と基本構造
- 経験
- 設計及び開発
- 環境への影響
- 性能
- ファン及びコンプレッサー
- 燃焼器
- タービン
- 負荷伝達装置
- 流体システム
- コントロール・システム
- 製造および組立
- エンジンの装備
- 整備
- 将来
・本書は1955年に初版の『The Jet Engine』が発行れて以来、何度も改訂されてきたが、本書は時代に合わせ内容を全面改訂・再編集された全く新しいジェットエンジンの技術書となっている。
航空ファンにとって特に魅力を感じるのが、エンジンを構成している部品の章ではないかと思う。
普段、あまり目にする機会がないジェットエンジン内部、ファンブレードや燃焼室、タービンブレード、FADECの基板といった部品の形状をカラー写真やイラストで詳細に解説している。
ジェットエンジンが好きな人なら、これだけでも資料として購入する価値は十分ある。
【中古購入時は注意が必要】
・2011年以前の【ザ・ジェットエンジン:翻訳 日本航空技術協会】とは内容が全く違うので、もし中古本を購入する際は注意が必要。
表紙が黒い『The Jet Engine』が2011年以降の発行となっています。
改訂前と改訂後では何が違うのか?詳しくは下記の記事で紹介しています。
ザ・ジェットエンジン:日本航空技術協会【飛行機の本 #39】
【どんな人におすすめ?】
航空入門者から航空従事者まで、ジェットエンジンに興味があればきっと役に立ちます。
この言葉が印象的だった!
タービン・システムの最初の仕事は生き残ることである・・・溶融点を充分越える温度の下で作動し毎秒500メートルの速度で移動する。各ブレードは18トンの遠心力で引っ張られる。【一部抜粋】
航空資料館