2080年代には『日本からニューヨークへ4時間』極超音速旅客機の時代が到来する。
これは、よくある近未来とんでも予想ではなく、米空軍や航空自衛隊で航空実務に携わった経歴を持つ著者の話。
将来の超音速旅客機についての内容、現代のB787やA380といった次世代技術の架け橋となる航空機の話なども興味深い。後半は、将来の航空管制や衛星による精密管制の話となっている。
未来の航空:園山耕司 (著者)
本の内容は?
・超音速飛行を可能にするためには、解決しなければならない問題が山ほどある。それは、1976年に商業運航を開始し2003年に運航を終えた『超音速旅客機 コンコルド』で問題は明るみになっている。
音の2倍で飛行するというだけで、衝撃波による地上への被害、莫大な燃料費、環境問題、座席数が少ないことによる運航コスト高、採算性など多義にわたる。
しかし、2080年には音速の5倍で飛行できる極超音速旅客機の時代を目指しているという。その将来へ向けて、NASAやJAXA、航空機製造会社は本気で取り組んでいる。昔のような夢物語の想像図ではない。現在の材料技術・設計・テクノロジーなどを考慮した実現可能な話として現在も実験が進められている。
現に、最新のB787の胴体や翼は、従来のアルミ合金から炭素繊維強化プラスチック(CFRP)に変更され、翼形状も金属ではできなかった複雑は形状となっている。
本書は他にも、将来の航空管制について触れている。今後ますます高頻度で運航される航空機。過密化する空域をどのような技術で管制するか?そして、衛星を活用した精密航空管制の話にもふれている。
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