バイデン大統領の日韓訪問にあわせ、E-4B ナイトウォッチが2022年5月20日 嘉手納基地に飛来。
5月22日午前、複数のC-17(グローブマスター)と共に嘉手納基地にて翼を休めていた。
撮影:2022年5月22日(嘉手納基地)
Flightradar24より:2022年5月20日 15時45分頃 嘉手納基地に着陸したアメリカ空軍 E-4B
E-4B ナイトウォッチ「空中指揮機」は、米大統領の外遊など移動に使用されるエアフォースワンに随行する飛行機。
不測の事態や有事の際に、空中からアメリカ軍の全ての指揮がとれる国家空中作戦センター(NAOC:National Airborne Operations Center)の役割を持つ。
ボーイング 747-200Bをベースに改良された機体は、強力な電磁パルス(EMP)に対するシールドが施され、特徴的な屋根のコブにはSHF/EHF帯 通信衛星用アンテナが装備されている。
SHF帯(マイクロ波)/ 3GHz~30GHz
マイクロ波は、気象レーダーや衛星放送・通信などに利用されている周波数帯。雨などの降雨時には電波が減衰し通信障害が発生する場合もある。
EHF帯(ミリ波)/ 30GHz以上
ミリ波帯は非常に大容量の伝送が可能な通信システムだが、ほぼ光と同じような性質となるため指向性が高く、雨や霧によって著しく減衰するという欠点もある。
アメリカ空軍が運用しているロッキードマーチン A2100M 軍用通信衛星は、EHF帯の通信速度が最大8.192 Mbit/s(1ユーザーあたり)という高速通信が確保されている。
最低限の文字情報だけを伝送できる低ビットレート(75~1200 bit/s)での通信も可能。
機体尾部には、長波 LF/超長波 VLFによる対潜水艦通信用の曳航用ワイヤーアンテナ(全長6㎞)を装備。
エンジンは、GE製 CF6-50の軍用版 F103-GE-100が装備されている。
現在主流の電子式燃料制御(FADEC)ではなく、機械油圧式(MEC)という旧世代のエンジンを使う理由も電磁パルス対策の一つなのかもしれない。
連続飛行時間は約12時間とされており、空中給油を受けることで長時間の飛行継続も可能だが、エンジンオイル消費の関係で72時間がスペック的には限界となっている。
(任務に応じた改良が施される可能性があるため、あくまでスペック的な話)
CF6-50E2ベースのF103-GE-100エンジン:エンジンオイル消費の関係で連続運転は72時間とされている(スペック上)
E-4B(ナイトウォッチ)スペック | |
全長 | 70.5 m |
全幅 | 59.6 m |
全高 | 19.3 m |
最大離陸重量 | 180 t |
最大速度 | M 0.86 |
エンジン | GE F103-GE-100 |
最大飛行時間 | 約 12時間 72時間(空中給油による連続飛行) |