・ボーイング 777-200ER (トリプルセブン)に搭載されていたGE製 GE90-94B エンジンのCFRP(カーボンファイバー複合材) ワイドコード・ファンブレードを紹介します。
Boeing 777-200ER:GE90-94B
※記事の内容と画像のエアラインは一切関係ありません。
GE90-94B エンジンについて
BOEING 777-200ER
GE90-94B Engine
FAN BLADE
エンジン概要 | |
型式 | GE90-94B |
最大推力 | 93,700 lbf (41,600 kgf) |
回転数(100% N1) | 2,261 rpm |
ファン形式 | CFRP ワイドコード・ファンブレード |
ファン直径 | 3.12m |
ファンブレード長 | 1.21m |
ブレード枚数 | 22枚 |
ブレード材質 | カーボンファイバー複合材(CFRP) |
バイパス比 | 8.3 |
空気流量 | 3,269 lb/s (1484 kg/s) |
搭載機種 | Boeing 777-200ER |
GE90-94B ターボファンエンジン
・GE Aviationは、世界最大の双発機 Boeing 777用のエンジンとしてGE90を開発。当時、それは世界史上最も大型のエンジンで 1993年3月 初運転に成功した。
前面にある巨大なファンの直径は312cm(初期型)。これはBoeing737の胴体の幅に匹敵するほどの大きさ。しかし、ファンの大口径化による高バイパス化は燃費改善の主な手段ではあるが、ブレード単体の重量が増すことで、エンジンが重くなり飛行機トータルでみると燃費改善分は相殺される場合もある。
そこでGEは、これまでのファンブレードに使用されていたチタン合金をカーボンファイバー(炭素繊維複合材)に変更することで大幅な軽量化に挑んだ。その効果はチタン合金で製作した場合に比べファン全体で数百ポンドの軽量化といわれている。
CFRP製ファンブレードは軽量というメリットはあるが、鳥などの異物突入の耐久性に弱いといわれている。その対策として、高靭性エポキシ材の開発やブレード前縁・翼先端・後縁にチタン合金を貼り付けている。
GE90には、1993年開発した初期型のGE90-85B、2000年に型式証明を取得した改良型のGE90-94B、B777-300ER用のGE90-115Bと大きく分けて3つのタイプがある。
GE90のCFRPファンは、第一世代(手作業による積層)ブレードと呼ばれている。また、より高バイパス化する最近のエンジン(GEnx等)は自動化積層による第二世代ブレードとなっている。LEAPの場合はさらに新しい製法の3D-RTMという積層が使われている。
GE90-94B ワイドコード・ファンブレードの画像
GE90-115Bのブレードとはわずか5cmの差、巨大なCFRPブレード
チタン合金製ワイドコードと特に形状の違いはない
氷や雹など異物突入によりポリウレタン・コーティングが剥がれている。
バードストライクにより先端のチタン保護材が割れSCRAP処理されたブレード
CFRPシートが何層にも積層されている
重量6.8kgのブレードで遠心力は100トンに達する。GE90は重量15 kg(右:747用CF6-50)
ファンブレードのサイズと比較
・ファンブレードのサイズは下記のとおりです。
エンジン型式 | GE90-94B |
ブレードタイプ | CFRP ワイドコード・ファンブレード |
材質 | カーボンファイバー複合材(CFRP) |
全長 | 1,210 mm |
全幅 | 540 mm |
重量 | 15.4 kg |
※若干の測定誤差はご了承ください。
比較画像 B747 vs B777
左:B747-200B (CF6-50E2) 右:B777-200ER (GE90-94B)
比較画像(追加:2020/10/13)
左:B737-400 (CFM56-3C1) 中:B747-200B (CF6-50E2) 右:B777-200ER (GE90-94B)
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ファンブレードの比較画像がわかりやすくて良いです。GE90がこんなにも大きいとは。頭では判っていても驚くべきことです。
これは!遂にGE90のブレードですか。長年の夢が叶ったようで良かったですね!おめでとうございます。こうして比べると異様に大きいのがすぐにわかりますね。