・タイ国際航空は RR Trent 800のローンチカスタマーで、1996年4月 世界で最初にTrent 800を搭載したB777-200(HS-TJA)の商業運航を開始したエアライン。
しかし、1995年5月にRR搭載機として初の試験飛行を行ったのは、キャセイパシフィック航空向けのB777だったというエピソードもある。
日本でB777-300といえば、JALやANAの機体に搭載されたPW4090が知名度としては高いが、RR Trent 搭載機のB777も成田・関空ではお馴染みの顔として飛来していた。
今回は、オールメタル製ボディーで再現度やクオリティーには定評のある「StarJets 1/500 Thai Boeing 777-300」を紹介します。
THAI AIRWAYS BOEING 777-300 HS-TKA
B747に代わる双発の近・中距離国際線機材 777-300
B747ジャンボジェット並みの座席数を供給できる双発機のB777-300は、近・中距離の国際線において高需要路線の多いアジア地域をターゲットに開発された。
後に開発された、B777-300ERは長距離国際線機材として開発されたため、似ているようでコンセプトが全く違う。
その巨大な双発機 777-300を、1/500スケール オールメタル製で忠実に再現したStarJetsのモデルプレーン。2000年頃に急激にシェアを伸ばし、これまで1/500といえばHerpaという概念をいい意味で打ち砕いた。
個人的に、初期のHerpaは全体的なディテールの再現度は素晴らしいが、ランディングギアのクオリティーが少し雑でチープな感があった。後のシリーズではHerpaも改良されたが、その頃には集めるならStarJetsという雰囲気になっていた。
機体経歴
・1998年12月新造:タイ国際航空(HS-TKA)
・2020年3月:保管
【Thai 777-300関連動画】
※自動取得のためタイトルと関係内容の場合があります。
機体画像:ノーズからテール
機体全体
ノーズ部分
胴体中央(左)
後方(左)
垂直尾翼
後方(右)
中央(右)
右側ノーズ
右主翼(レジ:HS-TKA)
Trent 800は他社の追従を許さない軽さが特徴
・2000年初頭の日本では、B777-300といえばP&W PW4090エンジンを搭載したタイプが主流だったことから、トリプルセブンといえばP&Wといわれるほど定着していた。
その後は、GE90-115Bのみしか選択できない長距離用 B777-300ERをJALやANAも採用したことから、航空ファンの間ではPW派かGE派かに分かれるほどになった。
B777-200/-200ER/-300 には第三のエンジンメーカーとしてRRも搭載可能だが、この頃の航空ファンの間ではRRエンジン機はどちらかというとマイナーな存在だった。
しかし、RR Trent 800の最大の特徴でもある軽さは他社の追従を許さないほどだった。
単純に乾燥重量で比べると、GE90-94Bの重さが約7.8トン、PW4090が約7.4トン、Trent 800は約5.9トンとなっている。
GE90とTrent892の重量差は1.9トン、B777は双発機なので合計すると3.8トン(乗用車2台分)もの差となる。これだけ違うと、ペイロード(有償貨物)や燃料の追加による航続距離延長など運航面でも大きく違いが現れる。
RRは3軸式のためメンテナンスが複雑、交換パーツも高いことで有名なエンジンだが海外エアラインでは採用されることが多い。日本ではL-1011 トライスター以降、B787やA350・A380で再び注目されるようになった。
日本ではPW4090の印象が強くてTrent 892のイメージが掴めにくいが、推力で比較するとPW4090(90,000 lbf)、Trent 892(92,000 lbf)となっている。
また、エンジン単体の推力重量比だとTrent 892は”7.0”と、戦闘機エンジン(F100-PW-100)並みの値となっている。一般的な民間機エンジンは4~6なので、かなりの軽量・高出力エンジンといえる。
Thai Airways B777-300(HS-TKA)Rolls-Royce Trent 892