ボーイング B787に搭載されているRR Trent 1000エンジン。直径2.85mの大型ファンは離陸時、1秒間に1,212kgの空気を吸込む。ファンブレードの枚数は20枚、ブレード根元には1枚あたり100トンの遠心力が作用している。
『B787の補助動力装置 APUには、1,100馬力の軸出力を発生するガスタービンエンジン(APS5000)が搭載されている。この軸出力で容量225kVAの発電機を2台駆動している』
中部セントレア『フライト・オブ・ドリームズ』に展示されているB787 初号機(ZA001)の組立て・初フライト・試験飛行でのトラブルなども紹介されています。
BOEING 787 DREAMLINER
本の目次
- Bringing back the magic
- Super efficient
- Dreamtime
- Golf,Missiles and Dreamliner
- System advantage
- Power packs
- Dreamlifter
- Testing times
- Devil in the details
- Taking Flight
- Specifications and Milestones
本の内容
当初、『ソニッククルーザー』という名で開発が進められていた現在のB787。遷音速(M0.95)という現状の旅客機より若干速度の早い飛行機として開発が進められていた。
しかし、9.11によりエアライン各社は速さよりも高効率で低燃費・コストのかからない旅客機を求めていた。そこでボーイングは効率を重視したB7E7(B787)の開発に変更。
著者の『GUY NORRIS and MARK WAGNER』は航空写真家として世界的に有名。彼らの書籍は、通常なら制限されるボーイング工場内の写真も豊富に紹介すると同時に、航空機のシステムについても詳しく解説することから世界中に熱狂的なファンが大勢いる。
美しい写真集としても楽しめ、B787のシステムについても深く知ることができる技術書でもある。そんな内容となっています。
『カーボン複合材(CFRP)』『フライバイワイヤ操縦装置』『ブレーキバイワイヤー』『大電力システム』、APUのテスト風景、ペイント前の胴体、翼の構造写真、Trent1000・GEnxエンジンなど、国内の書籍ではあまり詳しく紹介されていない視点で解説しているのが面白い。
ボーイング787に少しでも興味があれば十分楽しめる内容となっています。
航空資料館
APUの解説を大変興味深く読ませていただきました。さて、本題なのですが他の航空機のAPUについてはどうなのか気になりました。まとめ記事などがあるといいです。