『飛行中は常に先の先まで考え予測し行動することが大切』、目の前に積乱雲を見つけたので避けるではもう遅い。常に未来を予測して今を行動することが大事。
国際線機長が教える『トラブルが起きない仕事術』
航空資料館
国際線機長の危機対応力
本の内容は?
・音速近い速度で飛行するジェット機は、常に先の先を予測して行動することが鉄則。
遠くの積乱雲と自機の未来位置を予測して的確に判断し行動する。なぜか?空は自由なようで自由には飛べない。コースを少し外れるにも管制官に許可をもらわなければ他機と衝突など危険を伴う。また、判断を迷っていると許可を貰い旋回する前に積乱雲に突入することになる。
他にも、予測不可能なエンジン故障、バードストライク、緊急脱出、急病人の発生などあらゆるリスクに備えて行動する必要がある。
何が起きても動じないためにはどう備える必要があるのか。機長の危機対応力を多くの職種に活用できる仕事術として紹介。
B747と比較してB767はなぜ揺れる?
・本編とは少し外れるが、航空ファンとしてとても興味深いのがこの内容『B747と比較してB767はなぜ揺れる?』ではないか。
C-1輸送機の設計を担当し、B767の設計にも参加したという方に著者が直接質問したこの内容。
回答がとても的確で、なるほど!という面白い説明だった。
その一部を抜粋すると、
オイルショック以前に設計されたB747はとにかく大量輸送・高速飛行が最大の目的だった。しかし、オイルショック後に設計されたB767は低燃費で効率的に飛ぶとことが最大の優先事項となった。
そこでボーイング 767は、翼のテーパー比(翼付け根から先端に向かって細くなる比)を大きく、つまり細長い翼となり後退角も浅く(B747は37.5°)かつ、翼面荷重も小さな翼となった。
その結果、空力面で効率的な翼を持つ低燃費な機体が完成したが、B747に比べて風に翻弄されるようになった。
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