機内で流れるBGM集♪♪

墜落 第9巻 着陸、危険な時間|加藤 寛一郎(飛行機の本 #72)

航空事故の半数が発生する進入・着陸の時間帯は魔の時間といわれ、パイロットの技量が生死を分ける。

50年間に起きた航空機事故を徹底分析。難解な事故報告書を一般の方でも理解しやすいよう丁寧に解説。

航空機事故の研究している方の入門書としておすすめです。

 

全10巻で構成されている『墜落シリーズ』、航空機事故を10種類のジャンルに分類。1巻につき4~6の事故事例について概要と原因を説明。著者自身からの論評はあえて控えたとのこと。

墜落:第9巻 着陸、危険な時間

第一章:ボーイング727、就航直後の連続事故

・1964年にデビューしたボーイング727は第二世代旅客機の代表とよばれるほどの傑作機だが、就航開始から2年の間に4件の連続事故を起こした。

1965年8月16日、ユナイテッド航空389便がミシガン湖に墜落。

1965年11月8日、アメリカン航空383便がシンシナティ空港手前に墜落。

1965年11月11日、ユナイテッド航空227便がソルトレークシティー空港手前に墜落。

1966年2月4日、全日空60便が羽田空港手前に墜落。

この4件の連続事故には、着陸時の典型的な共通点があった。

第二章:凍結滑走路をオーバーラン

・1982年1月23日、ワールド・エアウェイズ 30H便 DC-10-30がボストン ローガン空港で着陸に失敗。滑走路が氷結していたため停止できずにオーバーランした。

滑走路の状態を管制官がパイロットに伝えていなかった。

第三章:油圧スイッチの誤操作で胴体着陸

・1996年2月19日、コンチネンタル航空1943便 DC-9-30がヒューストン空港に胴体着陸した。

事故原因は、チェックリストの一項目(油圧)をパイロットが読み飛ばしたため、ランディングギアもフラップも出ていなかった。

第四章:高度を下げ過ぎ、丘の上に墜落

・1997年8月6日、大韓航空801便 ボーイング747-300がグアム空港手前の丘に墜落、機体は大破した。

当日の空港はILS(計器着陸システム)の降下経路を示すグライド・スロープが作動していなかった為、ステップ・ダウン・アプローチが実施されていた。

疲労が極限に達していた機長は誤った降下経路を飛行していたが、副操縦士・航空機関士は機長に異議を唱えることができなかった。

第五章:羽田空港、工事中の新滑走路に着陸

・2000年2月28日、日本エアシステム346便 MD-87が工事中の滑走路に誤って着陸した。負傷者・機体の損傷はなかった。

当時、羽田空港は新B滑走路の新設工事中だった。

現B滑走路に進入中、機長は副操縦士の指導に集中。現Bに進入していると思い込んでいたが、それは建設中の新B滑走路だった。


・この本は、事故事例を報告書に基づき紹介した内容です。概要や事故原因、管制官との無線交信、ボイスレコーダーの内容を時系列に紹介。

著者は自身の論評をあえて控え、一般の方が理解しやすい容易な文章(図)で事実を淡々と解説しています。

論評を期待している方にはあまり向きません。

 

航空資料館

着陸は一瞬の判断遅れや間違った対処で危機的状況は一瞬で起こる。

 

この本のまとめ
読みやすさ(初心者向き)
(4.0)
メカ的な面白さ
(3.0)
写真・図面の豊富さ
(3.0)
値段
(4.0)
入手性
(4.0)
買うべきか
(4.0)
0

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

Translate »