「ジェットエンジンに関する入門書」の内容が物足りなくなった時、この本をおススメします。
一般的な教科書として使うような専門書は、遊び心などほとんど皆無で余計な情報は不要という雰囲気すらあります。しかし、洋書の世界では真面目な基礎入門書ですら斬新。
重要な原理などは図面だけに1ページ半も使い、概略説明については2~3ページ毎にグラフや図を入れて解説といった感じの内容。
また、息抜きのための情報も面白く、燃料ポンプの駆動に80馬力も必要だとか、空気取入れ口の説明にSR-71やF-14、F-16を例にしたりと飛行機マニアの知識欲も満たしてくれます。
【目次】
・Turbine aircraft propulsion
・Jet engine fundamentals
・Air intakes
・The Compressor
・Combustion chamber
・Turbine
・Exhaust nozzle
・Thrust augmentation
・Engine systems
・Envirometal considerations
・Engine/airframe integration
【本の内容】
・教科書的な専門書の場合だと、最初にエンジンの種類(ターボジェット・ターボファン・ターボプロップ)について、簡単な紹介と写真だけ構成で2~3ページというのがほとんどですが、この本は違います。
エンジンの種類紹介のためだけに、何と20ページも使っています。
・ターボジェットには(TF33、J79)、ターボファン(TF39、JT9D、CF6、RB211)、ターボプロップは(C-130 T56)、ターボシャフトには(CH-53のT64)など多種多様なエンジンを紹介。これを日本語訳にするだけで入門用の本になりそうなレベル。
ジェットエンジンの作動原理や仕組みに関してもイラストを多用して理解しやすく、構成部品なども実際のエンジン図面などを用いて紹介しています。
英語が苦手という方でも、ジェットエンジンの基礎が身についていれば読み進められる内容となっています。
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