DC-8-70・KC-135R等の換装エンジン、CFM56-2の概要とスペックについて紹介します。
CFM56-2 の概要
・1971年6月、フランスのスネクマ(Snecma)は、推力10トンクラスの新型エンジン M56の共同開発パートナーを模索していた。
開発中のM56のファンモジュールを駆動するコアが、F101と合致したことからGEとSnecma(50:50)の出資で合弁会社 CFM Internationalを設立。
両国間で政治的な問題もあったが、1974年6月20日 CFM56-2の試運転が行われた。
その数年後、CFM56-2CがDC-8の換装用エンジンとして採用された。これが、CFM56シリーズ歴史の中で最初のエンジンとなった。
CFM56-2 シリーズ モデル
・CFM56-2C:24,000 lbf(DC-8-70 Series)
※1979年11月 EASA認証
・CFM56-2B1:22,000 lbf
(KC-135R/K、C-135CFR、RC-135、)
軍用規格 F108-CF-100
※1982年6月 EASA認証
・CFM56-2A:24,000 lbf(E-3、E-6)
※1985年6月 EASA認証
ファン(FAN)
・44枚の先端シュラウド付ファンブレード
材質:チタン合金(Ti-6Al-4V)
翼中央にシュラウドがないため空力的損失が少ない。先端シュラウドによって空気の漏洩が少なく効率が良い。
低圧圧縮機(LPC)
・軸流式圧縮機(3段)、チタン合金
高圧圧縮機(HPC)
・軸流式圧縮機(9段)
可変インレットガイドベーン、1段~3段は可変静翼
F101の技術を適用
燃焼室
・シングル アニュラ型(SAC)
材質:ニッケル基耐熱合金
高圧タービン(HPT)
・高圧タービンは単段タイプ
動翼の材質 Rene 80H(初期)・Rene 125(中期)・不明(後期)
内部空冷構造翼、翼表面にはフィルム冷却孔
高負荷型、ブレードの転向角は100°以上、80枚のブレードでHPT段を構成
低圧タービン(LPT)
・4段構成、シュラウド付きブレード
燃料制御
・油圧機械式 MEC+PMC
アクセサリー
・各種ポンプ類、機体側(発電機、油圧ポンプ)駆動用のギアボックス。
ギアとドライブシャフトを介し高圧軸(HP)と接続
CFM56-2B/2C:Generator(機体用発電機)の駆動には最大125kw必要。
CFM56-2A:2台のGenerator(機体用発電機)、駆動には最大123kw X 2 必要。
競合エンジン
ー
CFM56-2 スペック
Guido Allieri – Italy (GFDL or GFDL), via Wikimedia Commons
CFM International | |
型式 | CFM56-2 Series |
搭載機種 | DC-8-70 Series KC-135R,RC-135 E-3,E-6 |
形式 | 二軸式 ターボファン・エンジン |
構成 | 1-3-9-1-4 (Fan-LPC-HPC-HPT-LPT) |
離陸推力 | |
最大推力 | [-2C] 24,000 lbf (DC-8-70) [-2B] 22,000 lbf (KC-135R/RC-135) [-5A] 24,000 lbf (E-3/E-6) |
バイパス比 | 5.9~6.0 |
ファン圧力比(FPR) | ー |
全体圧力比(OPR) | 30.5~31.8 |
ファン空気流入量 | 355~369 kg/s |
コア空気流入量 | ー |
TSFC 燃料消費率 (lb/hr/lbf) |
ー |
巡航推力 | |
巡航推力 | 4,980 lbf |
TSFC 燃料消費率 (lb/hr/lbf) |
0.657~0.661 (35,000ft M0.82) |
最大回転数 | |
低圧軸(N1) | 5,280 rpm |
高圧軸(N2) | 15,183 rpm |
EGT | [-2C]
905℃ |
ファン | |
ファン直径 | 1.73 m(68.3 in) |
ファン枚数 | 44 枚 |
形状 | 先端シュラウド付き ファンブレード |
材質 | チタン合金 |
圧縮機 | |
ファン | 1段 |
低圧段 | 3段 |
高圧段 | 9段 |
燃焼室 | |
燃焼器タイプ | シングル・アニュラ型(SAC) |
燃料ノズル | ー |
燃料制御 | 油圧機械式MEC+PMC |
タービン | |
高圧段 | 1段 |
低圧段 | 4段 |
サイズ | |
型式 | CFM56-2 Series |
全長 | 2.43 m |
ファン直径 | 1.73 m(68.3 in) |
重量 | 4,672 lb |
推力重量比 | 5.13 |
運用開始 | 1979 年 |
※一部のデータはEASAから
※TSFCや材質は一般的に公開されている情報です。公開できない事項や調査中のものは[ー]で表記しています。