『空の貴婦人』と呼ばれた名機、ダグラス DC-8のファンブレード
Douglas DC-8は、1960年代~1980年代まで活躍した今なお人気の往年の名機。
P&W JT3D エンジンについて
DOUGLAS DC-8
Pratt and Whitney JT3D-3 Engine
FAN BLADE
エンジン概要 | |
型式 | Pratt and Whitney JT3D-3 |
最大推力 | 8.0 t |
ファン直径 | 1.0m |
ファンブレード長 | 0.42m |
ブレード枚数 | 40枚 |
ブレード材質 | チタン合金(Ti-6Al-4V) |
バイパス比 | ー |
全圧力比 | ー |
搭載機種 | Douglas DC-8 Boeing 707 |
・ダグラスDC-8は、1960年代を代表する第1世代ジェット旅客機としてライバルのB707と共に活躍した。
ターボファンエンジンと呼ばれるエンジン前方に巨大なファンを搭載する現代の旅客機と同じこの方式は、諸説ありますがこのP&W JT3DやRRコンウェイからとなっている。
初期のDC-8にはJT3C(ターボジェット)が搭載されていたが、バリバリと空気を裂くような激しい騒音と燃費の悪さが問題となっていた。このJT3Cエンジンでは大西洋を直航で横断できないため、より推力が大きく燃費の良いJT3D ターボファンエンジンが開発された。
JT3Dエンジンは当時どれほど画期的だったのか
・元祖ターボファンエンジンは、どのような経緯で開発されどれほど画期的だったのか。
ダグラスDC-8やボーイング707は第一世代ジェット機と呼ばれ、1950年代に開発されたP&W JT3C(ターボジェットエンジン)を搭載して就航した。
しかし、ターボジェットエンジンは激しい騒音と燃費が非常に悪いため、直航便で大西洋を横断することができなかった。当時、パンナムがより推力が大きく大西洋横断も可能なエンジンをP&Wに要求したことで、JT4というさらに推力の大きなターボジェットを開発。
JT4エンジンによって直航は可能となったが、単に排気速度を早くしただけのこのエンジンは、極端に騒音が酷くなり・燃費はさらに悪化した。また、時代は静かで燃費がよくかつ推力も大きい新たな方式のエンジンを要求していた。
苦心を重ね開発されたのがP&W JT3D ターボファンエンジンと呼ばれるもので、この方式はエンジン前方に大きなファンを取り付けることで、一部をコア部分で燃焼・残りはそのまま排気する。ファンによって加速された大量の空気を燃やさずにそのまま排気することで推力を得るこの方式は、騒音と燃費を大幅に改善した。
このような経緯から、現代でも主流のターボファンエンジンが誕生した。
初期のDC-8のエンジンをJT3D ターボファンに換装したことにより、同じ燃料で2000Kmも航続距離が伸びたといわれています。
JT3D-3 ファンブレードの画像
ミッド・スパン・シュラウド
ファンブレードのサイズ
・ファンブレードのサイズは下記のとおりです。
エンジン型式 | Pratt and Whitney JT3D-3 |
ブレードタイプ | スナバー付・ファンブレード |
材質 | チタン合金(Ti-6Al-4V) |
全長 | 420 mm |
全幅 | 120 mm |
重量 | 1,200 g |
※若干の測定誤差はご了承ください。
DC-8の関連記事日本航空 ”富士号” JA8001の退役記念オブジェ
日本航空 DC-8 『富士号』記念品オブジェ JA8001