STARFLYER A320で使用された航空機部品を入手できるチャンス
“世界にひとつ、あなただけの商品: スターフライヤー×HPT タービンブレード”
2022年9月20日(火)より、STARFLYER OFFICIAL ONLINE SHOPにて販売を開始。数量限定なので、もちろん売切れると二度と手に入らない。まだ見ていないという方はぜひチェック。
気になるお値段は、¥38,000(税込み)と送料が別途かかる。
購入を悩んでいる人向けにマニア目線で紹介。案件じゃないので、忖度なしの自由気ままな商品レビューです。
Christian Volpati (GFDL 1.2 または GFDL 1.2),
もくじ
マニア的にここがアツい!
羽田で会えるいつもの飛行機
Alec Wilson from Khon Kaen, Thailand, CC BY-SA 2.0,
・いつも利用している飛行機の本物部品が手に入るというのは、航空ファンにとってかなり心をくすぐられるポイント。
今では、航空ジャンク市やフリマに参加すれば飛行機の廃棄部品が手軽に買える時代になりました。しかし、その部品がどこのエアラインで使用されていたのか・海外?それとも国内?
「出所不明、型式不明が当然という航空ジャンクの世界」において、スターフライヤーの機材で利用されたという確固たる証明のある部品の潜在的価値はとても大きい。
取外した機体番号がわかる(これ重要)
・これまで過去30年、様々な航空会社から販売された飛行機パーツアイテム。しかし、取り外した機体番号がわかるという商品はほんの一部だけでした。
実はこれ、部品マニアにとって大きなポイント。
普通の人には、そのエアラインで使われたパーツのオブジェというだけでも十分満足かもしれませんが、部品マニアにとっては(JAXXXXの〇〇エンジンから取外した)という情報は撃沈レベル、理性が崩れ無意識にポチります。
また、既に同じパーツをいくつも持っていたとしても、経歴のわかるその一つが大きく輝く。
※商品紹介の公式サイトには、マニアにはたまらない感動レベルの情報が掲載されていました。
- STARFLYER X HPT
- エアバス A320
- 機体番号:JA07MC
- No2エンジン
- 取外し:2021年夏ごろ
CFM56ラストとなる最終形態のHPTかもしれない
・これは公式情報ではなく、当サイトが様々な文献から調べた内容なので間違っている可能性もあるということをご理解の上でお読みください。
今回のHPTが、CFM56-5B4/Pというのはスタフラ公式ショップから購入しているので間違いのない事実。
注目するところは、エンジン型式の/Pの部分。
このPという文字は、PIP(効率向上パッケージ:Performance Improvement Package)という意味で、2011年以降のA320ceoにおいて提供された改良型エンジンに付帯される文字。この改修によって燃費が0.5%向上したとされています。
以前紹介したCFM56-7Bだと、CFM56-7BEにあたります。(コアエンジンの改良内容はほぼ同じ)
この後はもうLEAPエンジンに置き換わる時代に入るので、CFM56シリーズの高圧タービンブレードが大きく変更されるのはこれが最後といっても過言ではないと思います。
※この部分は、当サイトが独自に調べた趣味範囲の内容なので誤りが含まれている場合もあります。
CFM56-5Bと-7BのHPTは判別が難しい。
・CFM56-5BといえばA320シリーズ、CFM56-7BはB737NGシリーズ、飛行機マニアならエンジンを見間違うはずがない。
そもそも「形が違う」「ファンブレードでわかる」「音も違うだろ」と言われそうですが、CFM56というヤツは微妙にズル賢いというか実に合理的なエンジンなのです。
大雑把にいうと、エンジンの心臓部にあたるコア(高圧圧縮機・燃焼室・高圧タービン部)が、-5Bと-7Bはほぼ…いや、全く同じに近い。
これは昔から、海外コレクター仲間の間でも有名な難題中の難題。
使用された廃棄HPTから-5Bと-7Bを判定する方法が無いわけでもないが絶対でもないし面倒くさい。
目の前で取外したものなら間違いはないが、人から人へと渡ってきたコレクションブレードは、もはや人の数だけ不透明となり特別な判定方法で識別しなければならない。
しかし、公式品を買えばそんな面倒なことは不要だし判断ミスもない。相場よりも数倍高い公式品を購入する理由は、この”確定された情報”にあります。
購入をためらうのがコレ
価格が38,000ft、この界隈では高すぎる…
・全て個人的な意見ということを最初にお伝えしておきます。
廃棄HPTブレードの価値は、たしかに2016年以降~2020年までの間ならこの価格帯でも割安感がありました。
しかし、2021年のフリマ市場大量放出による大暴落によって、これまで希少とされたHPT部品の価値は数か月で2015年以前まで引き戻されました。その影響によって、現状のHPT相場は¥7,500(2022年現在)がいいところ。
市場から消えればもちろん価値は上がりますが、今のコレクターの値段感覚はココ。
約5倍もの差…
これならマニアの財布が緩むかもしれない
もしも、付属の台座が航空機材料のリサイクル材だったら…
商品説明欄によると、台座やカバーの材質はこのようになっていました。
- 【台座】底面・背面:AL5052P(アルミ)<表面処理:黒アルマイト>
- カバー・円台座:アクリル(一般材)
- ガイドピン:SUS440C(ステンレス)
・もしもこの台座が、航空機の胴体や主翼に使われる2024系列や7075系列のアルミ合金だったら。もしも、アクリル製の円台座が、A320の実機で使用した窓材を加工したものだったら。(最高にテンションが上がります)
最終的に買いなのか?
・ジェットエンジンマニア、特に部品コレクターなら買い(〇)
このようなアイテムは一度買い逃すと再び出会うのに数年、中古品を定価で買える可能性は 20%くらい。
先ほども紹介しましたが、やはり中古市場の現相場と比べて判断するのが人間。形が似ていて同じようなものだとどうしても購入を躊躇してしまいます。
しかし初級・中級・上級となるにつれて、そのエンジンの歴史的変遷を追いかけたり、それには別バージョンのブレードが存在していたという発見など、イレギュラーな場面に結構遭遇します。
そんな時、ほとんどがあの時買い逃したブレードだったというのがオチ。管理人は何度も経験しています。
・転売目的(×)
特に転売を否定するわけではありません。飽きれば必要な人に売る、当たり前のことです。
ではこの商品は転売向きなのか、答えは否。
なぜなら、値付けが絶妙に上手いから。
定価がこの値段だと、その上で売るにはタイミングやHPTに関する知識が必要。
1万円の利益のために数年も寝かせる必要があり、高度な知識も必要というのは…転売品としてはどうでしょう。
・飛行機好きの方
Alec Wilson from Khon Kaen, Thailand, CC BY-SA 2.0,
「推し」のエアライン・A320が好きなら迷わず買うことをお勧めします。
この部品と一緒にベッドに入れば、心地よい睡眠とあの時のフライトが思い出せること間違いなし。
70トンを超える巨体をわずか30秒で浮かし、高度1万メートルの上空を時速800km/h以上で飛行させる。
【空飛ぶ宝石】とさえ皮肉られる、この小さな部品がなければそれは実現できない。
(ご自身の財布と相談してください)
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