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B737-800のエンジンを一瞬で見分ける!(CFM56-7BとCFM56-7BEの違い)

・ANAの同じボーイング 737-800の機体でも、エンジンが違う機体が存在します。CFM56-7Bという旧タイプとCFM56-7BEの改良タイプを一瞬で見分ける方法を紹介します。

他にも、旧タイプと改良タイプは何がどう違うのか(改良箇所や効果)などの疑問も解決できます。

CFM56-7BとCFM56-7BE

ANA 737-800 JA55AN:CFM56-7B

ANA 737-800 JA69AN:CFM56-7BE

・同じエアラインのB737-800型機ですが、よく見るとエンジンの部分に違いがあります。

エンジンの排気ノズルの部分に注目すると、CFM56-7Bに比べて改良タイプの-7BEは排気ノズルが短くなっています。

詳細は後ほど詳しく解説しますが、実際は46cmも短くなっています。

画像の赤丸部分に注目していただくと、旧タイプのCFM56-7Bの排気ノズルはシルバー色のリング部品が3つで構成されていますが、改良タイプの-7BEでは、リング状部品が1つとなっています。

ANA 737-800 JA66AN:CFM56-7B

JTA 737-800:CFM56-7BE

CFM56-7シリーズ

・最新エンジンの印象があるCFM56-7Bですが、運用開始は1994年と意外に古く、初期の737NGシリーズ(-600、-700、-800)から使用されています。

国内で737NGが就航開始したのが2005年なので、まだまだ最新機種のようなイメージがありますが、海外では早くから使われていた機体です。

スカイマーク 737-800 JA737X:CFM56-7B

・運用が開始された1994年から現在まで、エンジン内部の構成部品も全て同じかというとそうではなく、少しでも燃費や運用コストが改善するよう日々改良されアップグレードされています。

この-7BE以前にも、高圧系にマイナーチェンジを加えた、微妙に形状が異なる高圧タービンブレードが3タイプ以上存在しているという話もあります。

このような小規模な改良は過去に何度かされていますが、”CFM56-7BE”に関してはかなり大規模なコアアップグレードとなりました。

これは、2011年のBoeing 737NGシリーズ新造機から適用される性能向上プログラムの一環で、BOEINGは機体の空力関係、CFMIはエンジン(燃費と整備コスト)と役割を分担して改良しました。

これをもってCFM56シリーズは終了となり、技術は継承されてLEAPエンジンへと移行。

 

CFM56-7BEの”E”とは?
・CFM56-7BEの”E”は、『Evolution:進化』という意味です。2009年にスタートしたCFM56-7B性能向上プログラム。2010年7月にFAAとEASAの型式証明を取得。CFM56-7BEの初号機は中国南方航空の737-800に搭載されデリバリーされた。

CFM The Power of Flight a history より

改良と効果

改良点

・CFM56-7BEは、高圧部分(内部コア)のアップグレードが主な改良点となっています。旧タイプのCFM56-7Bとは排気ノズル以外、見た目の違いはほとんどありません。

 

CFM56-7BEの改良点

  • 高圧コンプレッサー出口ディフューザーの形状及びガイドベーン(OGV)を3Dエアロ翼に変更し圧力ロスを低減。他にも、圧縮機全体の空気の漏洩を抑えた。
  • 高圧タービンブレードの空力性能、効率、耐久性の向上
    (ブレード枚数を既存の80枚から76枚に減らして整備コストを削減)
  • 高圧タービンディスクの再設計
  • 新設計の低圧タービンブレード、タービンベーンを開発。
    (ブレードとベーン枚数を既存と比べて、全体で9%削減
  • 見分けポイントにもなる、排気ノズルを46cm短く設計。

 

効果

・旧タイプのCFM56-7Bと比べて、CFM56-7BEは整備コストが4%減・燃費は2%も改善された素晴らしいエンジンへと生まれ変りました。

燃費 2%削減という数値はどれくらい効果的なのか?

・年間にすると約1,200万円以上のコスト削減

画像で見比べるCFM56-7BとCFM56-7BE

・ANAだけでなく、スカイマークやソラシドエアにも旧タイプのCFM56-7Bと、改良タイプのCFM56-7BEの2種類が存在します。

違いを見比べてみてください。慣れると一瞬で見分けられるようになるかと思います。

スカイマーク 737-800 JA737X:CFM56-7B

スカイマーク 737-800 JA737NR:CFM56-7BE

ソラシドエア 737-800 JA67AN:CFM56-7B

ANA 737-800 JA85AN:CFM56-7BE

ANA 737-800 JA66AN:CFM56-7B

JTA 737-800 JA08RK:CFM56-7BE

737-500:CFM56-3C1

CFM56-3とはまったく別物
B737-400や-500に搭載されているCFM56-3C1と、B737NGに搭載のCFM56-7Bは、見た目で判断できるファンブレードだけでなくコアも別物となっています。高圧タービンの材料となるニッケル基耐熱合金だけを比較しても、-3C1はRene125という一方向凝固(DS材)だったが、-7Bは第2世代単結晶材(SC) N5と格段に進化している。

参考にした資料

・CFM The Power of flight a history
cfm the power of flightCFM56エンジンが好きな人におすすめの本|CFM The Power of Flight

・Boeing Aeromagazine 04.12

※この記事は、コレクターチャンネル『737-800 エンジンの見分け方わかりますか?(CFM56-7B vs -7BE):2016.8月』の記事を加筆・修正し当サイトで再掲載したものです

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