『飛行機はなぜ落ちるのか』の続編となる、本書『ハイテク機はなぜ落ちるのか』は、コックピットがアナログからデジタルへの過渡期に発行された。
ハイテク機はなぜ落ちるか
目次
- なぜ自動化するのか
- 自動化の落とし穴
- コンピュータと人間
- 自動化はいかにあるべきか
本の内容
過去に名古屋空港で起きた中華航空 A300-600Rの事故。
飛行機の自動システムが、パイロットの意図に反して水平安定板を逆に動かし墜落。
事故原因は、パイロットが自動操縦システムを熟知していないことで起きた人為的ミスという調査結果だった。
この本では、ハイテク機による今までにない事故事例を紹介している。
技術的な面でも、エアバス A320機のフライバイワイヤー操縦系統のCスター制御の解説。自動操縦の方法・ピトー管の詰まりで墜落など今でも十分参考になる内容となっている。
今!だからこそ読み直す本なのかもしれない。
こんな人におすすめ
たしかに、現代の航空機はコンピューターによって飛行の安全が守られている。
多彩なプロテクション機能が常に飛行機の状態を監視。安全サイドから逸脱する前に、警告や保護機能が動作するようになっている。
しかし、想像してみてほしい。
・もしも、コンピューターに入力される前の信号(センサー)に不良があった場合はどうなるのか?
・速度はピトー管によって測定されるが、これがもし何らかの原因で詰まっていたら?
・もし、コンピューターが適正な速度で飛行していても遅い!と増速を指示したら。
・逆に早すぎると指示したら・・・
・もし、降下スピードを入力する数値に誤って指定高度を入力したら。
これらは全て過去にあったヒューマンエラーや、センサー故障により起こった事故。想像上の話ではないことを本書が語る。
著者の言葉
絶対に落ちない航空機はなく、落とさない努力があるだけである。
航空資料館