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ファンブレードの構造(ホロー・ソリッド・CFRP)|エンジン型式別一覧まとめ

ファンブレード構造

ファンブレードの構造は大きく分けて3タイプ

旅客機のファンブレードは、主にチタン合金(ホロータイプ・ソリッドタイプ)、CFRP(炭素繊維複合材)が使用されています。

どの型式のエンジンに、どんなタイプのファンブレードが使われているのか紹介します。

 

航空資料館

同型のB777でも、P&W・GE・RR 3社のエンジンメーカーからエアラインが選択でき、ファンブレードの構造もそれぞれ違いがあります。

チタン合金(ソリッドタイプ)

ソリッドとは中実という意味で、ブレードのどこを切っても材料が詰まっているファンブレード。

1960年代以降から1990年代初期に開発された、スナバ―(ブレードの中間位置に突起)付きのファンブレードがソリッドタイプとなっています。

材質はTi-6Al-4Vが一般的によく使われている。

CFM56-7など一部のワイドコード・ファンブレードでは、ソリッドタイプが使用されている場合もある。
(参考:The Development of Jet and Turbine Aero Engines

 

B747-200B:CF6-50E2 スナバ―付ファンブレード(ソリッドタイプ)

B737-800:CFM56-7 ワイドコード・ファンブレード(ソリッド・タイプ)全てのワイドコードがホロー(中空)ではない。

CF6-50よりも重い
CFM56-7B ファンブレード1枚の重量は、CF6-50(4,600グラム)よりも400グラム重い5,000グラムとなっている。エンジンのサイズ的にはCFM56-7Bが小さいのは明らかだが、ソリッド(中実)タイプのワイドコードブレードのため重いという欠点がある。
ファンブレード(ソリッドタイプ)
機種 エンジン型式 ファンタイプ
B747-400
B767-300
PW4000系列 スナバ―付ファン
B747-400
B767-300
CF6-80C2系列 スナバ―付ファン
B737-800(NGシリーズ) CFM56-7系列 ワイドコード・ファン
A320ceo CFM56-5系列 スナバ―付ファン

チタン合金(ホロータイプ)

ホロータイプは内部が中空という意味で、ブレードの断面が軽量化のために中空になっているファンブレード。

従来のファンブレードは、翼面上に突起物(スナバ―)があるために空気抵抗となり空力損失が大きいことから、1990年以降に開発されたエンジンの多くは、ブレードを幅広にしたワイドコード・ファンブレードが採用された。

ブレードを幅広にすることで、効率の改善・ブレード枚数の低減・異物突入時の耐衝撃性・フラッターと呼ばれる振動に強いなど様々なメリットがあるが、ブレードが重くなるという欠点がある。

ファンブレードの重量が重くなると、それを保持するファンディスクを頑丈にする必要があり、ディスクが重くなればさらに軸受けやシャフトが重くなるなど、ワイドコードのメリットが失われる可能性がある。

エンジンメーカー各社は、ファンブレード製造時に内部が中空(ホロー)構造となるチタン合金製のファンブレードを開発。B777やB787など数多くの大型機で採用されている。

 

B777-200 PW4074:ホロータイプ ワイドコード・ファンブレード(JTSBの資料から)

B777-200 PW4074:ホロータイプ ワイドコード・ファンブレード(JTSBの資料から)

ファンブレード(ホロータイプ)
機種 エンジン型式 ファンタイプ
B747-400
B767-300
RB211-524系列 ワイドコード・ファン
B777シリーズ PW4000系列(PW4074・PW4077・PW4084・PW4090) ワイドコード・ファン
B777シリーズ RR Trent 800系列 ワイドコード・ファン
B787シリーズ RR Trent 1000系列 ワイドコード・ファン
A350シリーズ RR Trent XWB系列 ワイドコード・ファン
A320ceo V2500系列 ワイドコード・ファン

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CFRP(炭素繊維複合材)

・近年の大口径化するターボファン・エンジン。大型のものでは、Boeing737の胴体幅に匹敵するほど大きなエンジンもある。

ファンの大口径化による高バイパス化は燃費改善の主な手段ではあるが、ブレード単体の重量が増すことでエンジンが本体が重くなり、飛行機トータルでみると燃費改善分は相殺される場合もある。

これまでのチタン合金製ファンブレードを、カーボンファイバー(炭素繊維複合材)に変更することで大幅な軽量化が可能となる。その効果はチタン合金で製作した場合に比べてファン全体で数百ポンドの軽量化となる場合もある。

GE Aviationは、世界最大の双発機 Boeing 777用のエンジンとしてCFRPファンを採用したGE90を開発。1993年3月 初運転に成功。

GEは、ホロータイプ(チタン合金)を使用するP&W、RRとは別の路線でエンジン開発を進めた。

 

B777-200ER:GE90-94B CFRP(炭素繊維複合材)ファンブレード

ファンブレード(CFRP 製)
機種 エンジン型式 ファンタイプ
B777シリーズ GE90系列 ワイドコード・ファン
B787シリーズ GEnx系列 ワイドコード・ファン
B747-8 GEnx系列 ワイドコード・ファン
A320neo CFM LEAP系列 ワイドコード・ファン

ファンブレードのサイズ比較

左:B737-400 (CFM56-3C1) 中:B747-200B (CF6-50E2) 右:B777-200ER (GE90-94B)

 

2021年02月21日現在の情報
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8+

2 COMMENTS

匿名

777全機ではなく一部ということか。何故、テレビはエンジン名を伏せるのか。忖度か。ネットはいいな自由で。

2+
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三ツ星

某航空評論家が説明していたフォローブレードの意味がわかりました。ありがとうございました。

3+
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