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【一瞬で理解できる!】METARとTAFの読み方|自分でできる天気予報(日常生活編)

METARとTAFの読み方

【航空気象】で使われているMETAR(メタ―)とTAF(タフ)は、日常生活でもかなり役に立ちます。その簡単な読み方を紹介!

パイロットと同じ視点で空の様子を知る。航空気象は精度も抜群、あなたも数時間後の天気が予測できます!

 

例えばこれ↓
(この文字だけで、現在の天気と数時間後の天気予報がわかるって凄くないですか。)

METARとTAFで何ができるのか?

・METARとTAFが読めると、日常生活のどんな場面で役立つのか?

 

日常編

~こんな時に役に立ちます~

  • 子供が学校から帰る時間、天気は大丈夫?
  • 今から家族でお出かけ、数時間後の天気はどうなる?
  • 朝は晴天だけど大量に洗濯できる?
  • この悪天候は何時ごろに回復するのか?

 

航空マニア編

~こんな時に役に立ちます~

  • 飛行機撮影時、ランウェイ・チェンジの予測ができる
  • 数時間後の着陸滑走路、座席は右側・左側?
  • 目的地に到着する時間帯に悪天予報、ゴーアラウンドや引き返しの可能性は?

 

METARの読み方(日常生活編)

・METARは、30~60分毎に更新される空港周辺の気象状況です。

例えば、旅行など目的地の天気が今どのような状況なのか?飛行機撮影に行く際の空港の気象状況を瞬時に知ることができます。

 

METARの内容、①~⑨までの数字や文字の意味を説明します。

 

航空資料館

これから説明するMETARの内容 ①~⑨、最低限②と⑤が理解できると日常生活に役立ちます!

①:【RJTT】空港コード

・全ての空港には、4文字のアルファベットで割り当てられた【4レターコード】があります。

例えば、羽田空港だとRJTT、成田空港 RJAA、新千歳空港 RJCCとなっています。一見、難しそうですが何となく法則性のようなものがあります。

このページの最後に日本全国の空港 4レターコードを紹介しています。検索で探すのが面倒という方は参考にしてみてください。

 

ワンポイント
日本の空港に割り当てられている4レターコードには少し法則性があります。例えば、北海道から九州までは全て【RJ〇〇】、南西諸島は【RO〇〇】となっているので、この〇〇の文字を覚えるだけです。

 

航空資料館

日常生活で使用することが前提なので、お住いの近くの空港コードを1つ暗記しておけば大丈夫です。

 

②:【141230Z】(観測した時間)

・これは【JTWC 台風情報】などで何度か紹介している協定世界時(Z)です。

協定世界時を示す(Z)が付いている日時は、+9時間を足すことで日本時間になります。

この141230Zを日本時間に変換すると、14日21時30分となります。

 

日付をまたぐときは変換に注意
例えば、協定世界時【152300Z】を日本時間に変換する場合は、+9時間を足すので【160800】16日の午前8時となります。

 

③:【090/11KT】 (風向と風速)

この表示は、左側の090が風向(90度方向)・右側の11KTが風速(ノット)を示しています。

 

風向

・【航空無線講座5】でも紹介しましたが、飛行機は方位を一般的な(東西南北)ではなく、分度器のような(1~360度)で表します。

例えば、北(方位0度又は360度)、東(方位 090度)、南(方位 180度)、西(方位 270度)と表します。分度器をイメージし中心に自分が立っているとイメージするとわかりやすいと思います。

 

方位を数字で

 

風速

風速はKT(ノット)で表示されます。日本人に馴染み深いニュースや天気予報で使われている単位は(m/s)です。(明日は風速 25メートル以上の暴風なります…などの表現です。)

 

単位変換は簡単。

風速〇〇メートルに変換する方法は、ノットを2で割るだけ。

(11KTの場合だと、およそ風速 6メートルくらいの風となります。)

【G】には要注意
普通に風が吹いている時は、120/08KTなどの表示ですが、120/15G30など”G”が付いてぃる時は要注意。瞬間的に30KT(15メートル)の突風が吹く可能性があります。

④:【9999】(視程10㎞以上)

この数字は、どのくらい先まで見通せるかの視程を数字4ケタで表しています。

例えば、3000だと視程は3000m(3㎞)、300だと300m先が見えにくい視界不良の状況となっています。日常生活でも、車を運転する場合には十分注意する必要があります。

飛行機撮影の場合も、9999がベストコンディション。視程が下がってくると遠くの背景が霞んで綺麗に撮影できない可能性があります。

⑤:【ーSHRA】(弱い土砂降り)

・極端な話、日常生活では②と⑤を理解できれば十分活用できます。

METARは現在の空港周辺の気象状況。また、TAFは今後数時間後の気象状況を知ることができます。

 

天気略語

この【ーSHRA】には3つのキーワードがくっついています。分解すると【ー】【SH】【RA】となっています。説明のため、英語の教科書のように後ろから訳してみます。

  • 【RA】Rain:雨がふっています。
  • 【SH】Shower:シャワーのような状態
  • 【ー】その強度:+だとかなり酷い、-だとまぁまぁな状態。

 

天気略語にはどんな種類があるの?

強度 降水現象 視程障害現象
ー:弱い RA:雨 BR:もや
なし:並み SHRA:大雨(土砂降り) FG:霧
+:強い SN:雪 VA:火山灰
SHSN:吹雪 HZ:煙霧
TSRA:雷雨 FU:煙
DZ:霧雨
GR:ひょう、GS:あられ

 

天気略語が多い時は要注意
METARやTAFに天気略語が多く表示されている時は、かなり悪天候となっているので要注意です。

 

⑥:【FEW013・BKN030】雲量と高度

・空港周辺の空にはどれくらいの雲(雲量)があるのか。また、その雲はどれくらいの高度にあるのかを示しています。

 

3文字の略語が雲量

・航空気象観測では、見上げた空を8分割(単位:オクタス)してどれくらいの雲量があるかを示しています。飛行機撮影の場合、同じ場所・同じ機体でも雲量の違いで印象が違う写真になります。

 

【SKC:スカイクリアー】の時に撮影した画像

【BKN:ブロークン】の時に撮影した画像

記号 状態 雲量(8分割)
SKC (Sky clear) 雲一つない快晴 0オクタス
FEW (Few cloud) ポツンと少しだけ雲がある 1~2オクタス
SCT (Scattered) 雲が点在している 3~4オクタス
BKN (Broken) ほとんど雲に覆われている 5~7オクタス
OVC (Overcast) 完全に雲に覆われている 8オクタス

 

3ケタの数字〇〇〇は雲の高度

・例えば、【FEW013】の3ケタの数字は、雲の高度を100 ft(フィート)単位で末尾2桁を省略して表示しています。

この数値を百倍することで、その雲の高度がわかります。

  • 013⇒13×100=1,300 ft
  • 030⇒30×100=3,000 ft
  • 150⇒150×100=15,000 ft

馴染み深いメートルに変換したい時は0.3を掛けるだけ。

1,300 ft × 0.3 =390 m(メートル)

※FEW013とは、空港周辺の高度1,300ft(約390m)には雲がポツン(雲量1~2オクタス)とある状態。

 

⑦:【24/22】(気温/露点温度)

  • 【24】現在の外気温 24℃
  • 【22】露点温度。22℃以下になると結露しはじめます。
    (冷えたコップに水滴が付くのは、周囲の空気がこの温度以下に下がるから。)

あくまでも目安ですが、この数値から湿度もわかります。

例えば、

  • 24/22の場合⇒湿度90%くらい
  • 24/14の場合⇒湿度はだいたい50~60%くらい。
  • 24/10と極端に差がある⇒湿度30~40%と乾燥した状態

※露点温度が気温の半分くらいだと快適な湿度50~60%。気温と露点に極端な温度差があると乾燥注意といった感じです。

⑧:Q1012(気圧 1012 hPa)

・パイロットが気圧高度計を補正するための数値ですが、気圧の変化を知るのに役立ちます。

例えば、悪天候になりやすい低気圧や、940 hPa(ヘクトパスカル)の強い台風などが近づいてくると、この値も徐々に下がるので、天候の悪化を早めに掴むことができます。

⑨:RMK(補足事項)

・特に注意が必要な積乱雲(CB)や積雲(CU)など、⑥の雲についての正確な雲量や種類を示す必要がある場合はRMKで表示する場合があります。

【2CU013】⇒1,300ftのFEWは雲量2オクタスの積雲(Cumulus)

【7CU030】⇒3,000ftのBKNは雲量7オクタスの積雲(Cumulus)

 

TAFの読み方(日常生活編)

TAFは0~27時間後の気象予報です。

赤線より左側は、上述のMETARと表示内容はほとんど同じです。赤線より右側が追加された情報となります。

 

解説

  • TEMPO:一時的に
  • 1218/1223:(日本時間は+9時間なので、13日03時~13日08時)の間
  • 3000:視程 3,000m
  • TSRA:雷雨
  • BR:もや
    (以降の情報は、雲量や風向きの変化の解説となります)
    ※日本時間 13日03時~08時の間、一時的に雷雨。もやの発生により視程は3,000mまで低下する。

日常生活で利用するときは、単純に天気略語が多いと天気は悪化すると判断。風向きの表示が多い時は、ランウェイチェンジの可能性があると予想できます。

天気略語

強度 降水現象 視程障害現象
ー:弱い RA:雨 BR:もや
なし:並み SHRA:大雨(土砂降り) FG:霧
+:強い SN:雪 VA:火山灰
SHSN:吹雪 HZ:煙霧
TSRA:雷雨 FU:煙
DZ:霧雨
GR:ひょう、GS:あられ

 

もっとシンプルにTAFを読む!

・これから先の天気がどのように変化するのか一瞬で判断する方法。

それは文字数。

表示項目が極端に少ないと翌日までほぼ良好。

表示項目が多いと、これから数時間以内に崩れだす可能性が高いと判断できます。

 

翌日も天気が良い例

羽田空港(RJTT)のTAF

解説

日本時間 09/16 08:05の予報。予報期間は9/16 0900~9/17 1500まで。風向風速は020度から8KT(4メートルの風)、視程は10㎞以上、1,500ftに雲が少しある状態。

~ここまではMETARと同じ~

BECMG(天候が変化し継続する):日本時間 9/17 1200~1500の間に風向き100度方向(風速8KT)に変化しその状態を継続する。

※TAFが発表された時点の内容だと、天気は9/16・17ともに良いが、9/17 午後以降にランウェイチェンジの可能性があることが予想できます。

 

悪天候になる例

新千歳空港(RJCC)のTAF

・これは一目で悪天候になることがわかる例です。
(1つ目のTEMPOより前の文は、先ほどの解説を参考にしてください。)

解説

TEMPO(一時的に発生)日本時間 9/16 1200~1600の間、一時的に土砂降りの大雨モヤが発生し視界は3,000mまで低下。内容が長いので省略すると、9/17 1500までは大雨が降ったりモヤで視界不良になると予想される。

※航空マニアの目線でこのTAFを読むと、9/16 1200から9/17 1500まで悪天候なので、ゴーアラウンドや上空待機の可能性が高い。もし搭乗する場合なら到着遅れの可能性。乗り継ぎなら次の便に間に合うかなど、計画変更の可能性も考える必要がありそう。

 

BECMGとTEMPOの違い
TAFで使われるBECMGとTEMPOはこのように定義されています。BECMG(一定期間内に変化した状態をその後も継続する)、TEMPO(一時的に変化、その状態は1時間以上続かない)

 

空港コード一覧

日本全国の空港コード一覧。見たい空港をタップすれば、現在の【METAR&TAF】を確認できます。

 

おねがい:この内容は趣味の範囲でご利用ください。

ここで紹介した【METARとTAFを読む方法】は、日常生活や趣味の範囲として利用することを想定し解説しています。

厳密な定義や解説・略語は省略しています。

他にも誤表記や勘違いの可能性もありますので、趣味の範囲外で利用する必要がある方は、ご自身で航空気象の専門書などで内容を再確認してください。

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