・航空ジャンク品の一部には、物によって何倍にも価値が上がる希少価値の高い部品が存在するのも事実です。しかし、これはほんの一握りの物だけということも覚えておいた方がいいでしょう。
元 古物商が教える「オークションはなぜ高騰するのか?」「なぜ高額でも売れる部品があるのか?」などについて紹介。
もくじ
なぜ高騰するのか?その原理とは
・飛行機の部品なら何でも高値になるわけではありません。なぜ航空ジャンク部品がオークションで高騰するのかご存知ですか?
そこには『タイミング』・『定番の飛行機』・『使用経歴』という3つの要素が絶妙に配合されています。
タイミング
・どんな物でもタイミングが合っていないと高騰することはありません。
例えば、機材の退役・国内初就航・話題のニュースなど世間に注目された瞬間というのがタイミング。かなりのお宝レアアイテムでも世間が注目していなければ、5千円で購入した商品が5万円になることはありません。
人気の飛行機
・飛行機にも安定の人気機種というのが存在します。これを外すと希少・レア・お宝などと叫んでも見向きもされません。
例え話を2つ紹介します
①:例えば客室の窓。飛行機の窓は安定の人気商品なのですぐに買い手が付きます。それでは、秘蔵のYS-11の窓を2万円で販売。売れると思いますか?
たぶん売れないでしょう、せいぜい5千円がいいところ。
②:ある退役イベントでB737のファンブレードが15万円で販売され即完売しました。それでは、家宝のB747のファンブレードを20万円で販売。
売れると思いますか?
これもまた売れないでしょう。5万円なら買い手が殺到するかもしれません。
飛行機の部品は古いから価値がある、大きいから高額ということはありません。ここが古美術品や骨董品とは違う特殊な世界。
③:最後に、B767-300(CF6-80C2)のファンブレードならどうでしょう?
エアラインが公式に台座付きでイベント販売すれば20万円でも難なく売れるでしょう。また、公式以外の航空ジャンク市でも10万円までなら一定数の購入者がいるはずです。しかし、個人が販売すると7万円程度まで落ちると思われます。
しかし、同じB767-300という飛行機でもPW4000エンジンのファンだと5万円くらいが妥当。私はそう思いますが航空ファンの方はどう思いますか。あなたならこれを10万円でも欲しいですか?
このあたりが航空ファンの心を掴む難しさだと個人的に思います。
機種不明で売れる時代は終わりつつあるこれまでは、機種不明でもファンブレードなら何でも5万円~10万円で買ってくれる人がいるという時代でした。しかし、これからは売る側がエンジン型式や機種を調べなければ売れない時代に入っています。【機種不明・型式不明】という言葉に甘えて販売すると売れなくて在庫になるか、わかる人に原価以下で持っていかれるという厳しい時代に入りつつあると個人的には感じます。(様々な意見があると思いますが、あくまで一個人の見解です。)
※ここまで内容はあくまで個人的な見解や例え話です。しかし、現実に近い設定価格の話や現状の航空ジャンク界の内容は大袈裟ではないはずです。
使用経歴
・続いての話は、ジャンクイベントであまり出回っていないエアバス機のシートベルトを入手したと仮定。もしも、不要だから売る(空想)という場合、どのタイトルが魅力的ですか?
- 【エアバス機のシートベルト】
- 【某LCCのA320で5年間飛んだシートベルト】
①のように、単純に【エアバス機シートベルト】で出品しても、せいぜい購入金額+αがいいところ、あまり魅力を感じません。
これに『 事実に基づいた使用経歴』という味付けをしたのが②番。これなら購入金額の2~3倍になる可能性は十分あります。それならもっと盛大に盛るとどうなるのか!
【某LCCのA320で5年間大空を飛び乗客の安全を守って廃棄された頑丈なシートベルト】
これは逆に嘘っぽくて警戒される失敗例。タイトルの数文字だけで印象は全く変わります。
エアライン公式品はなぜ高額でも売れるのか
・昔の話ですが、エアラインが公式に退役記念として飛行機のスクラップパーツをオブジェにして販売していたのをご存知ですか?
一例をあげると、『ピトー管』と呼ばれる部品が過去に17万円くらいで販売されていました。一般の人には理解不能、航空ファンでさえ唖然となりました。しかし、多くの人の予想に反して完売するのがこの世界。
なぜだかわかりますか?
それは、誰もが知っているエアラインの機材から取り外されたという【保証された使用経歴】【定番飛行機】【絶妙なタイミング】での販売だったから。
この3つのバランスが崩れると一気に人気がなくなります。タイミングが過ぎ去った後は、売れるまでに時間がかかりました。
ジャンクイベントなら1/2から1/10程度に
・それでは、仮に航空廃品イベントで先ほどと同一の『ピトー管』が販売された場合はどうなるでしょう。
エアライン公式と同じような値段で売れると思いますか?
残念ながら同じ値段では売れません。
なぜか?
ジャンクイベントでは、ほとんどの商品が【詳細不明・機種不明・経歴不明】と全て不明なのが致命的。不明という言葉は価値を下げる最大の要因だからです。
そもそも、ジャンクイベントへはお宝や掘出し物など激安品を期待して行くのであって、高額品を買うために行くわけではありません。
ジャンクイベントの相場は、エアライン公式品の1/2~1/10が妥当な値段。もしも、1/10以下の物を発見できればお宝品となります。
公式だと〇〇万円…あるジャンクイベントで3,000円で購入したピトー管
個人出品の高騰狙いは難しい
・例えば、昔のジャンクイベントで購入した物、人から譲り受けた物、倉庫や物置に長年眠っていたものなど。商品名や搭載機種・説明も全て正しい、エアライン公式ジャンク品と比べても遜色なしの一品。
全ての条件が揃っている、マニア垂涎の品に間違いない!
当時5千円で購入した品は10万円以上に化けるか?
絶対とは断言しませんが、たぶんそれはないでしょう。
その理由は信憑性がないから。
『~だからこの飛行機の部品に間違いない』と確固たる証明ができれば高騰させることは可能です。しかし、シールや油性ペンでそれらしく記入したくらいでは今の時代難しい…
MD-90で使用されたジャンクピトー管、そう見極めるポイントがある
目が曇ると偽物をつかむ
・航空ジャンク部品だけでなく骨董の世界でも常識なのが『欲が目を曇らす』ということ。人間は欲に駆られると冷静な判断ができなくなる場合が多々あります。
大昔の話を一つ紹介します。
その友人は、【ジャンボエアバスの大型ファーンブレード@5万円】という怪しい表示のジャンク品を、お宝と思い購入しました。本人曰く、これは間違いなく747-400のもので、10万円の価値がある掘出し物だと大喜び。しかし、後になって調べて見るとDC-10の物で当時の価値としては3万円程度。買わなければよかったと後悔していました。
冷静に判断する目があれば、B747-400のCF6-80C2 エンジンとDC-10のCF6-50 エンジンのファンブレードは形状も長さも微妙に違います。詳細は省きますが、実際は比較するまでもなく見れば一瞬でわかるものです。
基本的な約束事を知らずにタイトルや販売者の言葉を鵜呑みにし、このような大物に手を出すことは失敗する確率が極めて高く危険な賭けとなります。
もっとも、趣味のコレクションならDC-10のファンブレードが3万円だと嬉しい掘り出し物なのですが…
欲で完全に目が曇り、物の真贋が見えなくなった典型的な失敗です。
人は冷静さを失うと、P&Wの箱に入ったGEの刻印ブレードを疑うことなく平気で買います。
箱はそれほど人を信じさせる力があるので要注意
(悪用はやめてください)
※初心者時代に騙された管理人からのアドバイス
※当サイトは転売を推奨しているわけではありません。管理人は激安でお宝ジャンク品を買う収集する側の人間です。
まとめ:航空ジャンクの転売は割に合わない?
・航空ジャンクというのは特殊な世界です。
たまたま家に転がっていた不用品を必要としている人に適当な値段で譲りたいだけなら、航空部品は全てが希少なので簡単に引き取り手は見つかるでしょう。
しかし、そこに利益を乗せるとなると話は別です。
1万円で購入した時点でその物の金銭的価値は5千円程度です。
イベント会場では、雰囲気で客の購買意欲が高まりますが、ネット販売は客の方が冷静です。5~10倍に引き上げられる自信がなければ航空ジャンクの転売はあまり割に合わないかもしれません。
【ジャンクに興味がある方はこちらも参考になります!】
【11】購入したジャンク部品を楽しむ
どうしても高く売りたい人は第三者に相場を調べてもらったほうがいい
・不要な物を高く売りたいその気持ちわかりますが、もし絶対に失敗したくない事情があるなら自分で値段を決めるのはやめたほうがいいかもしれません。
その理由がこちら
- 先入観(あの飛行機の部品に似ているという決め付け)
- 根拠なき自信(決まりごとに合致しているので間違いない!)
- 期待(こうなってほしい)
ある程度、飛行機の部品を見慣れてくると『これはあの機体で本来〇〇万円の価値がある』といった先入観が心の隙に入るものです。
特に自分の専門分野だと、自分にとって都合の良い答えを選んでしまい正確な価値判断とずれてしまいます。
これは、イベント会場を運営するプロでも同じこと。その道のプロでも値付けに関しては第三者と打ち合わせて決めるようです。
重要な価値判断が必要な場合は、過去10年くらいの相場を自分で調べるか、鑑定士に頼んでみるのが安心です。
身近に鑑定士がいないのであれば次のオークファンかココナラを試してみてください。
自分で過去の相場を調べるオークファン
オークファンは ”無料会員” でも過去6か月の落札相場の検索ができるので便利。気になる商品の出品をメールで通知するアラート機能なども利用できます。
また”プレミアム会員”になると過去10年の落札相場がわかるので、高騰するタイミングや時期を逃すことなく出品することも可能。
『とりあえず相場がわかればいい』という方は無料登録がおすすめです。
鑑定歴10年のプロに手軽に頼めるココナラ
ココナラは500円~個人のスキルや技能を売買できるサービス。高額な鑑定士に依頼する前に手軽に鑑定を頼むことができます。
その中からおすすめの出品者を紹介、興味のある方は参考してみてください。
鑑定歴10年 どんな物でも写真から鑑定
この方は、どんな物でも写真さえあれば鑑定できるという方です。特に飛行機の部品など何のジャンルに属するかわからない品を依頼できるのが安心ですね。
それに500円というワンコインで試せるというのも嬉しいポイント。
コレクション品の整理・断捨離方法の相談
こちらは、骨董・中古鑑定歴30年以上のプロの方。コレクション品など特殊性のあるものをどのように整理するのがベストなのか相談することができます。
せっかくのお宝品を金属クズとして廃棄される方が多いそうなので、気になる品をお持ちの方はぜひ相談することおすすめします。
もしかすると価値のあるお宝が眠っているかもしれません。
ココナラはこんな方におすすめです。
- とにかく激安で鑑定してほしい
- 身近に専門の鑑定士がいない
- 自信はあるが”お宝鑑定団”に出る勇気はない
骨董品や美術品の鑑定士は世の中多くいますが、飛行機の部品などマニアックなジャンルを鑑定する人はなかなか見つかりません。
ココナラは色々なスキルを持つ人がいる面白いサイトです。とりあえず会員登録をしておいて後から相談するか決めるのも良いかと思います。
ココナラで鑑定士を探すときは【骨董 鑑定】で検索です!
なにより500円~という安さが魅力なんですけどね
※紹介した内容は、特定の国内企業や開催イベント、ネットサイトのことではありません。世界には様々な航空ジャンクフェスタ、エアライン公式販売、オークション形式、個人サイトなどが星の数ほど存在します。その中の過去の一例をアレンジした内容となっています。また、当サイトは転売を推奨しているわけではありません。
【11】購入したジャンク部品を楽しむ
【ジャンクに興味がある方はこちらも参考になります!】
転売ヤーのブレード鑑定は一切せずにココナラに回す運営さん草ヽ(´・ω・`*)それでいいと思う。
ワイ、767 Pw4000が10万ならいらね。777のCf6なら買うど。
管理人は貴方のタービンに価値があることを見抜いたのだろう。貴方が勉強すれば高く売れるし、何も努力しなければ破格で持っていかれるだけ。そのタービンに価値がなければ管理人は喜んで機種を教えたはずだ。すでに鑑定してもらっているのに気づかないとは。
ここの管理人にタービンブレードの機種特定を質問したら断られた!これだけの種類の型式を的確に説明しているのにわからないはずがない。500円鑑定の人の方がよっぽど良心的に対応してくれた。これで出品準備ができる。このサイトはケチ!
転売目的で機種特定してもらい高く売ろうとする貴方の方がケチというか感覚おかしいのでは?マニアの同士の間でも普通は教えませんよ。このサイトさんは1枚1枚詳しく解説されています。管理人さんも購入される立場のようなのでノウハウを教えることはご自身の首を絞めることになりかねません。ケチどころか情報の大盤振る舞いだと思います。