【JTWC】台風・熱帯低気圧情報

ロールスロイス F130(BR725)アメリカ空軍 B-52H 換装用エンジンのスペックと解説 ①

RR F130(民間タイプ BR725)は、24枚のスウェプト・ファンを装備した推力17,000lbf(75.6kN)のエンジン。

このエンジンは、民間タイプのBR725としてガルフストリームG650に搭載され運航実績も十分ある。2021年9月27日、アメリカ空軍 B-52H(現行 P&W TF33-P-3)の換装用新型エンジンとしてRR F130が採用されたと発表。

ロールスロイス F130/BR725の概要について紹介します。

 

BR700シリーズ

Engine BR710-1-jkb-, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

・ F130/BR725のベースとなったBR700シリーズは、1990年にBMWとロールスロイスの合弁会社(BMWロールスロイス)によって製造された推力7~10トン級のターボファンエンジン。

1999年、BMWロールスロイスは”Rolls-RoyceDeutschland”に名称を変更。

同社では、BR700シリーズの他にRolls-Royceの2軸ターボファンエンジン(Tay、Spey、IAE V2500、Dart)の製造を担当している。

 

BR710シリーズ

Untitled Gulfstream Aerospace G-V-SP Gulfstream G550; M-ATPS@ZRH;07.05.2012 (7153753143)Aero Icarus from Zürich, Switzerland, CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons

・ビジネスジェット機用として開発された、推力14,000~17,000lbf(62.2~75.6 kN)のエンジン。

1997年以降、ガルフストリームVやG550、ボンバルディア  グローバル・エクスプレスに搭載された。

BR700シリーズには、24枚のワイドコードファン、V2500をベースにした10段の高圧圧縮機、トレントのデザインをベースとした高圧・低圧タービンなど数多くの新技術が使われている。

BR715シリーズ

VH-NXN Boeing 717-231 QantasLink (National Jet Systems) (8149874983)Robert Frola (GFDL or GFDL), via Wikimedia Commons

・Boeing 717のエンジンとして、推力17,000~23,000lbf(75.6~102.3 kN)の範囲まで増強したタイプ。

BR710からの大きな改良点としては、ファン径が10インチ大きくなり1.47m(58in)となった。バイパス比は4.68~4.55、2段の高圧タービンにはシングルクリスタル(単結晶材)が採用され、低圧タービンは1段追加され合計3段となった。

 

BR725(軍用タイプ F130)

Swiss Jet AG Gulfstream GVI (G650) - HB-JUF - ZRH (23719951475)dxme from Schweiz, CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons

・民間タイプ(BR725)として2009年にEASAに認証、ガルフストリームG650に搭載され2012年以降より運航開始した。推力は17,000 lbf(75.6 kN)

BR710の派生型エンジン。ファン径は2インチ大きくなり、トレントの最新技術フォワード・スウェプトデザインのファンが採用された。また、BR715で開発された低NOx燃焼室などが採用されている。

BR700シリーズは、アメリカ空軍のE-11AやC-37において200,000時間の使用実績や、民間での運航実績も十分あったことから、B-52Hの換装用 エンジン(F130)として採用された。その規模は、2021年9月27日の時点で608基(2800億円)といわれている。

 

BR700シリーズ スペック

 

BR710 BR715 BR725
(軍用 F130)
P&W TF33-P-3
(民間 JT3D)
推力 14,000~17,000lbf
(62.2~75.6 kN)
17,000~23,000lbf
(75.6~102.3 kN)
17,000 lbf
(75.6 kN)
17,000 lbf
(75.6 kN)
ファン直径 48 in
(1.21m)
58 in
(1.47m)
50 in
(1.27m)
53 in(1.35m)
バイパス比 4.2 4.68~4.55 4.4 1.36
空気流入量 196 kg/s 268~283 kg/s 209 kg/s
全体圧力比 24 29~32 13
ファン ワイドコード
(24枚)
ワイドコード
(24枚)
フォワード・スウェプト形状
ワイドコード(24枚)
2段 スナバ―付
ファンブレード
低圧圧縮機 なし 2段 なし 6段
高圧圧縮機 10段 10段 10段 7段
燃焼室 アニュラ型
(TBCコート・Trentデザイン・燃料ノズル20個)

(低NOx型)
カンニュラ
高圧タービン 2段
(Trentデザイン)
2段
(SC材)
2段 1段(TET 871~930℃)
低圧タービン 2段
(Trentデザイン)
3段 3段 3段
燃料消費率
(lb/hr/lb)
0.63
(巡航時)
0.62
(巡航時)
0.515(離陸時)
※巡航時の数値は上がる
回転数
(100%)
低圧軸
(N1)
7,512 rpm 6,096 rpm 7,196 rpm 10,050 rpm
高圧軸
(N2)
18,924 rpm 16,661 rpm 19,000 rpm 22,300 rpm
サイズ
全長 3.40m 3.73m 5.13m 3.45m
乾燥重量 1,633 kg 2,085 kg 1,635 kg 1,769 kg
開発年 1994年 1997年 2008年 1959年

 

0

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

Translate »