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A320neo / A321neo エンジン LEAP-1A のスペック解説 ⑰

エアバス A320neo / A321neo 用のエンジン、LEAP-1Aの概要とスペックについて紹介します。

 

CFM LEAP-1A の概要

Paris Air Show 2017 LEAP fanMarc Lacoste, CC BY-SA 4.0

LEAP(Leading Edge Aviation Propulsion)は、CFM56-5B/-7Bの後継として開発されたエンジン。

ファンの大口径化によってバイパス比は10以上、コアエンジンは大型機並みの高圧力比、燃焼効率やタービン部の改良や様々な新素材が使われた。また、高圧タービンも従来の単段タイプから2段式に変更され効率が改善された。

その結果、従来のCFM56シリーズとは全く違う進化型エンジンとなり、燃費は最大15%向上(比較:CFM56-7BE)

LEAPシリーズ

  • LEAP-1A:エアバス A320neoファミリー
  • LEAP-1B:ボーイング B737MAX
  • LEAP-1C:COMAC C919

LEAP-1Aシリーズ モデル

LEAP-1A35A:32,158 lbf
※2015年11月 EASA認証

LEAP-1A23:24,010 lbf
LEAP-1A24/-1A24E1:24,010 lbf
LEAP-1A26/-1A26E1:27,120 lbf
LEAP-1A29:29,290 lbf
LEAP-1A30:32,158 lbf
LEAP-1A32:32,158 lbf
LEAP-1A33/-1A33B2:32,158 lbf
※2016年3月 EASA認証

 

【LEAP-1A 搭載モデル】

AIB A320neo F-WNEW 27may15 LFBO-1Gyrostat (Wikimedia, CC-BY-SA 4.0), CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

  • A319-151N:LEAP-1A24
  • A319-153N:LEAP-1A26
  • A320neo Series:LEAP-1A23
  • A320-251N:LEAP-1A26E1
  • A320-252N:LEAP-1A24E1
  • A320-253N:LEAP-1A29
  • A321-251N:LEAP-1A32
  • A321-251NX:LEAP-1A32
  • A321-252N:LEAP-1A30
  • A321-252NX:LEAP-1A30
  • A321-253N:LEAP-1A33
  • A321-253EX:LEAP-1A33B2
  • A321 Series:LEAP-1A35A

 


ファン(FAN)

LEAP Engine Mockup (28422972559)aamanatullah, CC BY 2.0, v

ファンは前縁が前に張り出したフォワード・スウェプト形状

CFRP(炭素繊維強化複合材)製

従来のGE90では炭素繊維を2次元状に編んで積層させる方式だったが、LEAPでは洋服を編むように3次元状に積層させる3-D/RTM(3次元 樹脂含浸成型)技術によって製造されている。

従来のスナバ―付細長ファン(チタン合金)と比べて、ワイドコード・ファンは翼幅が広くなり大型化されたが、材質を炭素繊維複合材(CFRP)にすることで大幅な軽量化が可能。

 

ファン径 71インチ(LEAP-1BとCFM56-5C)で重量を比べた場合

LEAP-1B:ファン枚数 18枚(全重量は76.2kg/1枚あたり約4.2kg)

CFM56-5C: チタン合金製ファン 36枚(全重量は150kg/1枚あたり約4.1kg)

低圧圧縮機(LPC)

・軸流式圧縮機(3段)、チタン合金、ファンと同軸で回転

高圧圧縮機(HPC)

・軸流式圧縮機(10段)

1段から5段まではブリスク(ブレードとディスクを一体化)

GEnxの技術や最新の空力解析を取り入れた翼形状

圧力比は40(CFM56:30前後、GE90/GEnx:40~50)

燃費効率を高めるため大型エンジン並みの高圧化を達成。

燃焼室

・TAPSⅡ(Twin Annular Premixing Swirler)燃焼器(GEnxに採用された第2世代の燃焼室)

窒素酸化物を50%削減、燃焼効率・耐久性の向上

燃料ノズルの一部の部品は3Dプリンティングによる成形。

高圧タービン(HPT)

・高圧タービンは2段タイプ

単結晶動翼

内部空冷構造

3次元空力設計翼

高圧タービン・シュラウド(覆い:ケーシング)にCMC(セラミックス・マトリックス・コンポジット)を採用。

※CMC:芯材(ニカロン)を、シリコン・カーバイド(セラミックス系)の母材で覆った複合材。

低圧タービン(LPT)

・7段構成

シュラウド付きブレード

Ti-Al(チタニウム・アルミナイド合金)製 低圧タービン動翼

燃料制御

・FADEC

アクセサリー

・各種ポンプ類、機体側(発電機、油圧ポンプ)駆動用のギアボックス。

ドライブシャフトを介し高圧軸(HP)と接続、IDG(機体用発電機)の駆動には最大129kw必要。

競合エンジン

PW1100G

LEAP-1A スペック

CFM International
型式 LEAP-1A Series
搭載機種 A319neo/A320neo/A321neo
形式 二軸式 ターボファン・エンジン
構成 1-3-10-2-7
(Fan-LPC-HPC-HPT-LPT)
離陸推力
最大推力 [-1A24]
24,010 lbf(10,900 kgf)
[-1A26]
27,120 lbf(12,312 kgf)
[-1A29]
29,290 lbf(13,297 kgf)
[-1A30]
32,158 lbf(14,600 kgf)
[-1A32]
32,158 lbf(14,600 kgf)
[-1A33]
32,158 lbf(14,600 kgf)
バイパス比 11
ファン圧力比(FPR)
全体圧力比(OPR) 40
ファン空気流入量  lb/s ( kg/s)
コア空気流入量
TSFC 燃料消費率
(lb/hr/lbf)
巡航推力
巡航推力  lbf
TSFC 燃料消費率
(lb/hr/lbf)
0.51
(35,000ft M0.82)
回転数  
低圧軸(N1) 3,894 rpm (101%)
3,856 rpm (100%)
高圧軸(N2) 19,391 rpm (116.5%)
16,645 rpm (100.0%)
EGT 1,060℃
ファン
ファン直径 1.98 m(78 in)
ファン枚数 18 枚
形状 フォワード・スウェプト
ワイドコードファン
材質 CFRP
(積層方式 3-D/RTM)
圧縮機
ファン 1段
低圧段 3段
高圧段 10段
燃焼室
燃焼器タイプ アニュラ型
TAPSⅡ
(Second generation:Twin-Annular Premixing Swirler Combustor )
燃料ノズル
燃料制御 FADEC
タービン
高圧段 2段
低圧段 7段
サイズ
型式 LEAP-1A Series
全長 3.33 m
ファン直径 1.98 m(78 in)
重量 6,592 lb
 推力重量比 4.87
運用開始 2015年

※一部のデータはEASAから


【旅客機】機体&エンジン のスペック集

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