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ボーイング787 Trent 1000 エンジンのスペック マニュアル ⑤

ボーイング 787用のエンジン、Rolls Royce Trent 1000の概要とスペックについて紹介します。

次世代の高効率・長距離中型機旅客機というコンセプトで開発されたB787型機。

機体とエンジンの改良で燃費を約20%向上(B767と比較)させることを目標に設計された。

機体側の空力改善や軽量化だけでなく、従来のエンジン抽気(圧縮空気)で作動する機器のほとんどが電気へと変更されノーブリード・エンジンともいわれている。

 

Rolls Royce Trent 1000 の概要

Trent 1000 GoodwinHall VirginiaTechMdlustig18, CC BY-SA 4.0, ウィキメディア・コモンズ経由で

Trent 1000シリーズ モデル

Trent 1000-A:69,194 lbf(307.8 kN)
Trent 1000-C:74,511 lbf(331.4 kN)
Trent 1000-D:74,511 lbf(331.4 kN)
Trent 1000-E:59,631 lbf(265.3 kN)
Trent 1000-G:72,066 lbf(320.6 kN)
Trent 1000-H:63,897 lbf(284.2 kN)
※2007年8月 EASA認証

Trent 1000-A2:69,194 lbf(307.8 kN)
Trent 1000-C2:74,511 lbf(331.4 kN)
Trent 1000-D2:74,511 lbf(331.4 kN)
Trent 1000-E2:59,631 lbf(265.3 kN)
Trent 1000-G2:72,066 lbf(320.6 kN)
Trent 1000-H2:63,897 lbf(284.2 kN)
Trent 1000-J2:78,129 lbf(347.5 kN)
Trent 1000-K2:78,129 lbf(347.5 kN)
Trent 1000-L2:74,511 lbf(331.4 kN)
※2013年11月 EASA認証

Trent 1000-AE:69,194 lbf(307.8 kN)
Trent 1000-CE:74,511 lbf(331.4 kN)
Trent 1000-AE2:69,194 lbf(307.8 kN)
Trent 1000-CE2:69,194 lbf(307.8 kN)
※2015年05月 EASA認証

Trent 1000-AE3:69,194 lbf(307.8 kN)
Trent 1000-CE3:74,511 lbf(331.4 kN)
Trent 1000-D3:74,511 lbf(331.4 kN)
Trent 1000-G3:72,066 lbf(320.6 kN)
Trent 1000-H3:63,897 lbf(284.2 kN)
Trent 1000-J3:78,129 lbf(347.5 kN)
Trent 1000-K3:78,129 lbf(347.5 kN)
Trent 1000-L3:74,511 lbf(331.4 kN)
Trent 1000-M3:79,728 lbf(354.6 kN)
Trent 1000-N3:79,728 lbf(354.6 kN)
Trent 1000-P3:74,511 lbf(331.4 kN)
Trent 1000-Q3:78,129 lbf(347.5 kN)
Trent 1000-R3:81,028 lbf(360.4 kN)
※2016年07月 EASA認証

 

Trent 1000 in air 2Edward Orde, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

シリーズ Trent 1000-A -C -D -E
離陸推力 69,194 lbf 74,511 lbf 74,511 lbf 59,631 lbf
対象モデル Trent 1000-A
Trent 1000-AE
Trent 1000-AE2
Trent 1000-A2
Trent 1000-AE3
Trent 1000-C
Trent 1000-CE
Trent 1000-CE2
Trent 1000-C2
Trent 1000-CE3
Trent 1000-D
Trent 1000-D2
Trent 1000-D3
Trent 1000-E
Trent 1000-E2
シリーズ Trent 1000-G -H -J -K
離陸推力 72,066 lbf 63,897 lbf 78,129 lbf 78,129 lbf
対象モデル Trent 1000-G
Trent 1000-G2
Trent 1000-G3
Trent 1000-H
Trent 1000-H2
Trent 1000-H3
Trent 1000-J2
Trent 1000-J3
Trent 1000-K2
Trent 1000-K3
シリーズ Trent 1000-L -M -N -P
離陸推力 74,511 lbf 79,728 lbf 79,728 lbf 74,511 lbf
対象モデル Trent 1000-L2
Trent 1000-L3
Trent 1000-M3 Trent 1000-N3 Trent 1000-P3
シリーズ Trent 1000-Q -R
離陸推力 78,129 lbf 81,028 lbf
対象モデル Trent 1000-Q3 Trent 1000-R3

 


ファン(FAN)

・ファン直径112in(2.84m)

20枚の中空フォワード・スウェプト・ファンブレード

この形状は、高回転時に発生する衝撃波が隣接するブレードに与える影響を抑えると同時に、ブレードチップ側の失速を防止。効率改善とファン騒音を低減。

Trentシリーズとしては、初のバイパス比が10を超える高バイパスエンジン。

ファンディスクがTrent 900よりも小さくなったことから、ブレード自体の大きさはTrent 800や900よりも大きくなった。

中圧圧縮機(IPC)

・軸流式圧縮機(8段)

可変インレットガイドベーン、1段・2段は可変静翼。

全体圧力比(ORP)を上げて効率化させるために、Trent 800・900・1000と世代ごとに中圧軸の回転数は増速している。

Trent500・900のコア技術を適用した、3次元空力設計翼が採用された。(HPCにも同技術が適用されている)

高圧圧縮機(HPC)

・軸流式圧縮機(6段)

3次元空力設計による動・静翼の最適化

全体圧力比は離陸時で47.7、上昇時には50に達し、圧縮機出口温度は680℃を軽く超える。

Trent 900に続きカウンターローテーション(同軸逆回転)が採用されている。

エンジン後方から見て、高圧軸は時計回り、ファン及び中圧軸は反時計回りとなったことで、コア内部の空力効率が大幅に改善された。また、部品数の削減やジャイロモーメントの低減などのメリットがある。

燃焼室

・Trent 500・900の技術が適用されたシングル アニュラ型燃焼器

燃料ノズル18本

材質:ニッケル基耐熱合金

燃焼室内壁はフロートウォール(耐熱タイル)

低NOx・低公害型の燃焼室。

高圧タービン(HPT)

・高圧タービンは単段タイプ

3次元空力設計翼

動翼先端のシュラウド冷却を強化

新世代のセラミック遮熱コーティング(TBC)

ピーク時の燃焼ガス温度は、タービン動翼のメタル溶融温度よりも500℃以上高いという話もある。

中圧タービン(IPT)

・単段タイプ

3次元設計による翼型、新世代のコーティング

Trent 800(7,500rpm)と比較して、1,400 rpm高く増速した中圧軸は最大 8,900 rpmで回転する。

低圧タービン(LPT)

・RRのエンジンでは初となる6段構成

High-Lift翼(高揚力化翼型設計)が適用された低圧タービン動翼

ノズルや動翼の数を最適化、従来型より削減。

現段階のLPTは6段構成だが、将来的にギヤードファン化(GTF)することで6段は不要となる。GTFによる大幅な軽量化が期待されている。

排気ノズル

・ディフューザー型ノズル

逆推力装置

・油圧式 カスケード タイプ

燃料制御

・FADEC(ヘルスモニタリング、マネージメント機能が追加)

アクセサリー

・機体側が抽気(圧縮空気)を極力使わないノーブリード機というコンセプトで開発。電気需要が従来機よりも増えたことから、250 kVAのスターター・ジェネレーターが2基装備されている。

これまで、アクセサリー(補器類)は高圧軸によって駆動されていたが、Trent 1000では中圧軸の駆動に変更された。

エンジンスタート時は、流体クラッチを介しIP段とHP段をスタータージェネレーターで同時に回転させることで素早い始動が可能となった。

競合エンジン

GEnxシリーズ

Rolls Royce Trent 1000 スペック

Rolls-Royce(ロールスロイス)
型式 Trent 1000 Series
搭載機種 Boeing 787-8/-9/-10
形式 3軸式 ターボファン・エンジン
構成 1-8-6-1-1-6
(Fan-IPC-HPC-HPT-IPT-LPT)
離陸推力
最大推力 [1000-A]:69,194 lbf(307.8 kN)
[1000-C]:74,511 lbf(331.4 kN)
[1000-D]:74,511 lbf(331.4 kN)
[1000-E]:59,631 lbf(265.3 kN)
[1000-G]:72,066 lbf(320.6 kN)
[1000-H]:63,897 lbf(284.2 kN)
バイパス比 10.4~11.0
ファン圧力比(FPR)
全体圧力比(OPR) 47.7 (Take-Off)
50.0 (climb)
ファン空気流入量  2,400~2,670 lb/s
(1,089~1,211 kg/s)
コア空気流入量
TSFC 燃料消費率
(lb/hr/lbf)
巡航推力
巡航推力
TSFC 燃料消費率
(lb/hr/lbf)
0.506
(35,000ft M0.84)
回転数(100% rpm)  
ファン(FAN) 2,683 rpm
中圧軸(IP) 8,937 rpm
高圧軸(HP) 13,391 rpm
EGT 900℃
TET 1,562℃(1,835K)
ファン
ファン直径 2.84 m(112 in)
ファン枚数 20 枚
形状 中空
フォワード・スウェプト型
材質 チタン合金
圧縮機
ファン 1段
中圧軸 8段
高圧軸 6段
燃焼室
燃焼器タイプ シングル アニュラ型
燃料ノズル 18本
燃料制御 FADEC
タービン
高圧段 1段
中圧段 1段
低圧段 6段
サイズ
型式 Trent 1000 Series
全長 3.88 m
ファン直径 2.84 m(112.0 in)
重量 13,288 lb
 推力重量比  4.80~5.60
運用開始 2007年

※一部のデータはEASAから
※TSFCや材質は一般的に公開されている情報です。公開できない事項や調査中のものは[ー]で表記しています。


【日本の旅客機】 機体&エンジン をディープに解説

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