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A380 エンジン Trent 900 のスペックをディープに解説 ④

エアバス A380用のエンジン、Rolls Royce Trent 900の概要とスペックについて紹介します。

世界初の総二階建て大型旅客機。その大きさはB747を抜き世界第2位(1位はAn-225)の最大離陸重量 560トン。

その巨体の原動力となるTrent 900には、RB211から培われた頑丈・高効率・軽量な3軸式と、Trent 500及び8104(デモンストレーター)の最新技術が適用されている。

 

Rolls Royce Trent 900 の概要

Airbus Lagardère - Trent 900 engine MSN100 (6)Dr Brains, CC0, ウィキメディア・コモンズ経由で

Trent 900シリーズ モデル

・Trent 970:75,152 lbf(334.3 kN)
・Trent 970B:78,304 lbf(348.3 kN)
※2004年10月 EASA認証

・Trent 977:80,781 lbf(359.3 kN)
・Trent 977B:83,835 lbf(372.9 kN)
※2004年10月 EASA認証

・Trent 980:84,098 lbf(374.1 kN)
※2004年10月 EASA認証

・Trent 972:76,752 lbf(341.4 kN)
・Trent 972B:80,213 lbf(356.8 kN)
※2005年8月 EASA認証

・Trent 972E:76,752 lbf(341.4 kN)
※2017年4月 EASA認証


ファン(FAN)

・ファン直径116in(2.94m)

ブレード数 24枚

中空フォワード・スウェプト・ワイドコードファンブレード

この形状は、高回転時に発生する衝撃波が隣接するブレードに与える影響を抑えると同時に、ブレードチップ側の失速を防止。効率改善とファン騒音を低減。

中空ブレードは、超靭性加工(SPF)と拡散接合(DB)による製造。中空内部は進化型のウォーレン・ガーダー構造に変更。

中圧圧縮機(IPC)

・軸流式圧縮機(8段)

可変インレットガイドベーン、1段・2段は可変静翼。

Trent 500及び8104(デモンストレーター)のコア技術を適用した、3次元空力設計翼となっている。(HPCにも同技術が適用)

高圧圧縮機(HPC)

・軸流式圧縮機(6段)

Trentシリーズでは初のカウンターローテーション(同軸逆回転)を採用。

エンジン後方から見て、高圧軸は時計回り、ファン及び中圧軸は反時計回りとなったことで、コア内部の空力効率が大幅に改善された。また、部品数の削減やジャイロモーメントの低減など多くのメリットがある。(コントラ・ローテーションと呼ばれる場合もある)

燃焼室

・Trent 500の技術が適用されたシングル アニュラ型燃焼器

燃料ノズル20本

材質:ニッケル基耐熱合金

点火プラグ 2本

ライナー内側全体に交換可能な遮熱タイル

低NOx型燃焼室

高圧タービン(HPT)

・高圧タービンは単段タイ

、3次元空力設計翼

Trentシリーズ初の時計回り(エンジン後方から見て)の高圧軸

動翼シュラウドの冷却を強化

セラミック遮熱コーティング(TBC)

ピーク時のガス温度はメタルの溶融温度より500℃以上高いとされている。

Trent800(10,600rpm)に対して12,200rpmと高回転化されている。

中圧タービン(IPT)

・単段、従来型と比較して負荷が軽減された中圧タービン動翼。

離陸出力時、Trent 800(7,500rpm)に対して8,300rpmまで増速。

低圧タービン(LPT)

・5段構成

High-Lift翼(高揚力化翼型設計)が適用された低圧タービン動翼

IHIによる製造、ノズルや動翼の数を削減

排気ノズル

・ディフューザー型ノズル

逆推力装置

・油圧式 カスケード タイプ

燃料制御

・FADEC

アクセサリー

・オイルポンプ出力 50psi、可変周波数発電機(VFG)

競合エンジン

・エンジンアライアンス GP7000シリーズ

Rolls Royce Trent 900 スペック

British Airways Airbus A380-841 F-WWSK PAS 2013 03 Trent 970 engineJulian Herzog, CC BY 4.0, via Wikimedia Commons

Rolls-Royce(ロールスロイス)
型式 Trent 900 Series
搭載機種 Airbus A380
形式 3軸式 ターボファン・エンジン
構成 1-8-6-1-1-5
(Fan-IPC-HPC-HPT-IPT-LPT)
離陸推力
最大推力 [970] :75,152 lbf(334.3 kN)
[970B]:78,304 lbf(348.3 kN)
[972E]:76,752 lbf(341.4 kN)
[977] :80,781 lbf(359.3 kN)
[977B]:83,835 lbf(372.9 kN)
[980] :84,098 lbf(374.1 kN)
[972] :76,752 lbf(341.4 kN)
[972B]:80,213 lbf(356.8 kN)
バイパス比 8.5~8.7
ファン圧力比(FPR)
全体圧力比(OPR) 38.5~41.1
ファン空気流入量  2,655~2,745 lb/s
(1,204~1,245 kg/s)
コア空気流入量
TSFC 燃料消費率
(lb/hr/lbf)
巡航推力
巡航推力 14,700 lbf
(6,673 kgf)
TSFC 燃料消費率
(lb/hr/lbf)
0.518
(35,000ft M0.85)
回転数(最大離陸出力時)  
ファン(FAN) 2,900 rpm
中圧軸(IP) 8,300 rpm
高圧軸(HP) 12,,200 rpm
ファン
ファン直径 2.94 m(116 in)
ファン枚数 24 枚
形状 中空
フォワード・スウェプト型
材質 チタン合金
圧縮機
ファン 1段
中圧軸 8段
高圧軸 6段
燃焼室
燃焼器タイプ シングル アニュラ型
燃料ノズル 20本
燃料制御 FADEC
タービン
高圧段 1段
中圧段 1段
低圧段 5段
サイズ
型式 Trent 900 Series
全長 4.54 m
ファン直径 2.94 m(116.0 in)
重量 14,190 lb
 推力重量比  5.29~5.92
運用開始 2004年

※一部のデータはEASAから
※TSFCや材質は一般的に公開されている情報です。公開できない事項や調査中のものは[ー]で表記しています。


【日本の旅客機】 機体&エンジン をディープに解説

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