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B747-400/B767 エンジン RB211-524G/H(-T)のスペック解説 ⑧

B747-400/B767用のエンジン、Rolls Royce RB211-524G/H(-T)の概要とスペックについて紹介します。

・RB211-524G/Hは、524D(B747クラシック)の派生型として設計された B747-400や767用のエンジン。後の1997年には、Trent 700のコア技術を大幅に適用した「-Tシリーズ」がラインナップされた。

 

Rolls Royce RB211-524G/H(-T) の概要

British Airways G-BNLU-2008-09-13-YVRG-BNLU-2008-09-13-YVR.jpg: Makaristosderivative work: Altair78, Public domain

・RB211-524G/Hは、524D(B747クラシック)の派生型として設計された B747-400や767用のエンジン。

-524Dからの技術的な変更点としては、ワイドコードファンに変更・圧縮機の改良・高圧タービンの再設計・FADEC燃料制御などがある。これらの改良により、-524Dと比較して巡航時の燃料消費率は約8.8%改善された。

また、1997年に認定された「-Tシリーズ」は、Trent 700のコア技術を大幅に適用したことで燃費はさらに2.2%改善、重量 241lbの軽量化に成功。

高圧タービン動翼の材質に関しても、-524G/H 一方向凝固材(Mar-M-002)から-524G/H-T 単結晶合金材(CMSX-4)に変更されたことで、EGTマージンの増加、メンテナンス間隔が大幅に延長された。

この改良が適用されたエンジンが「G/H-T」シリーズとなっている。

高圧タービンにはTrent 700/800の技術が適用されている。

当初は、推力80,000 lbfクラスのHPT材料を 60,000 lbfのエンジンに使うことは、部品価格が高額となり運用コストの面で不利とされていた。しかし、高性能材料を低出力で使用することで大幅な寿命延長が得られることから、トータルコストは下がるというメリットがある。

・-524G型とH型があるが、どちらも747-400・767用。

・Gタイプは推力58,000 lbfの標準仕様、Hタイプは推力60,800 lbfの高出力仕様となっている。

RB211-524G/H(-T)シリーズ モデル

・-524G2-19:58,000 lbf(258.0 kN)
※1989年1月 EASA認証

・-524G3-19:58,000 lbf(258.0 kN)
※1989年4月 EASA認証

・-524H-36:60,600 lbf(269.6 kN)
※1989年6月 EASA認証

・-524H2-19:60,600 lbf(269.6 kN)
※1989年9月 EASA認証

・-524G2-T-9:58,000 lbf(258.0 kN)
※1997年5月 EASA認証

・-524G3-T-19:58,000 lbf(258.0 kN)
※1997年5月 EASA認証

・-524H2-T-19:60,600 lbf(269.6 kN)
※1997年5月 EASA認証

・-524H-T-36:60,000 lbf(269.6 kN)
※1997年5月 EASA認証


※動画は自動取得しているので、記事タイトルと内容が違う場合があります。


ファン(FAN)

・ファン径 2.192m(86.3 in)

-524Dまではスナバ―付ファンだったが、-524G/Hシリーズからは24枚のワイドコードファンに変更された。

チタン合金製 中空ファンブレード、2枚のチタン板にチタン製ハニカムを挟み拡散接合されたブレード。

RB211-535E4からの技術を改良した、第二世代の中空ファンブレード。

離陸出力時には、1秒間に728 kg/sの空気を一度に吸い込む。

中圧圧縮機(IPC)

・軸流式圧縮機(7段)

可変インレットガイドベーン

7段の動翼はチタン合金製

ステーターベーン(静翼)はスチール系

※-Tシリーズからは、Trent 700のコア技術が適用されたため静翼の材質は変更になっている可能性がある。

高圧圧縮機(HPC)

・軸流式圧縮機(6段)

・動翼の材質は前段からチタン合金→スチール系合金→ニッケル基耐熱合金

・ステーターベーン(静翼)はスチール系及び Nimonic系が使われている。

新しい翼型のブレード・流路の改良により効率が改善(比較は-524D)

最大出力時 10,526rpm(99.2% rpm)全体圧力比は33に達する。

燃焼室

・シングル アニュラ型

燃料ノズル18本

材質:ニッケル基耐熱合金

点火プラグは8番・12番 燃料ノズル付近

高圧タービン(HPT)

・高圧タービンは単段タイプ

デザイン変更(-524Dとは形状が違う)

内部空冷構造翼

前縁及び翼表面(腹側)のフィルム冷却

先端シュラウド付きブレード

-524G/Hはオリジナルのブレード形状だが、-TシリーズはTrent 700のコア技術が使用されたことで、ブレード形状はTrent 700とほぼ同じ(完全に同じではない。シュラウドの一部やクーリング方式が微妙に異なる)形状となった。

【材質】

-524G/Hシリーズ:MAR-M-002(DS:一方向凝固)

-524G/H-Tシリーズ:CMSX4(SC:単結晶)

中圧タービン(IPT)

・単段、動翼はDS材

シュラウド付きブレード

低圧タービン(LPT)

・3段構成

改良された低圧タービン動翼

-524Dと比較して効率が改善

燃料制御

・FADEC

アクセサリー

・高圧軸と接続されたアクセサリ・ギアボックス、各種ポンプ、機体側(発電機、油圧ポンプ)を駆動。

機体電力用の発電機:IDG(90kVA)1台

競合エンジン

GE CF6-80C2シリーズ

P&W PW4000-94シリーズ

Rolls Royce RB211-524G/H(-T) スペック

British Airways (Landor livery) Boeing 747-436 G-BNLY (City of Swansea) departing JFK AirportAdam Moreira (AEMoreira042281), CC BY-SA 4.0

Rolls-Royce(ロールスロイス)
型式 RB211-524G/H(-T)
搭載機種 B747-400 / B767
形式 3軸式 ターボファン・エンジン
構成 1-7-6-1-1-3
(Fan-IPC-HPC-HPT-IPT-LPT)
離陸推力
最大推力 [-524G,G2,G3]
58,000 lbf(258.0 kN)
[-524G -T Series]
58,000 lbf(258.0 kN)
[-524H,H2]
60,600 lbf(269.6 kN)
[-524H -T Series]
60,600 lbf(269.6 kN)
バイパス比 [-524G]
4.3
[-524H]
4.1
ファン圧力比(FPR)
全体圧力比(OPR) [-524G]
33.0
[-524H]
34.5
ファン空気流入量 [-524G]
1,605 lb/s (728 kg/s)
[-524H]
1,628 lb/s (738 kg/s)
コア空気流入量
TSFC 燃料消費率
(lb/hr/lbf)
巡航推力
巡航推力 11,813 lbf
(5,363 kgf)
TSFC 燃料消費率
(lb/hr/lbf)
[-524G/H]
0.582
[-524G/H-T]
0.572
(35,000ft M0.85)
回転数(100% rpm)  
ファン(FAN) 3,900 rpm
中圧軸(IP) 7,000 rpm
高圧軸(HP) 10,611 rpm
最大出力時 回転数  
ファン(FAN) 4,309 rpm [110.5%]
中圧軸(IP) 7,539 rpm [107.7 %]
高圧軸(HP) 10,526 rpm [99.2 %]
ファン
ファン直径 2.192 m(86.3 in)
ファン枚数 24 枚
形状 中空(拡散接合)
ワイドコード
材質 チタン合金
圧縮機
ファン 1段
中圧軸 7段
高圧軸 6段
燃焼室
燃焼器タイプ シングル アニュラ型
燃料ノズル 18本
燃料制御 FADEC
タービン
高圧段 1段
中圧段 1段
低圧段 3段
サイズ
型式 RB211-524G/H Series
全長 3.175 m(125.0 in)
ファン直径 2.192 m(86.3 in)
重量 9,670 lb
[-T Series] 9,429 lb
 推力重量比  5.99~6.26
運用開始 1989年

※一部のデータはEASAから

※TSFCや材質は一般的に公開されている情報です。公開できない事項や調査中のものは[ー]で表記しています。


【旅客機】機体&エンジン のスペック集

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