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【B767-300ER・KC-767・C-2等】 CF6-80C2 エンジンのスペック マニュアル ㉓

B767-300や747-400、C-2、C-5M、KC-767等でお馴染みのCF6-80C2エンジン。その概要とスペックについて紹介します。

1984年、A300/A310に搭載され運用を開始したGE CF6-80C2シリーズは、対応する推力範囲が広く・頑丈・高い信頼性・メンテナンス性が良いことから長きにわたり使用されている。(2022現在も運用中)

エンジン制御コンピューターのプラグを変更することで容易に推力を変更できることから、ボーイング機だけでなくエアバスや軍用機(軍用コード F138)など様々な機種に搭載されている。

 

CF6-80C2の概要

KLM Boeing 747-400 on approach to LAXJakkrit Prasertwit (GFDL 1.2 または GFDL 1.2), ウィキメディア・コモンズ

CF6-80C2シリーズ モデル

・ベースはCF6-80Aエンジン。-80C2の派生型は24タイプある。

GE CF6-80C2シリーズ
エンジン型式 最大推力
(lbf)
連続最大推力(lbf) Flat Rate Temp
最大推力時気温
燃料制御 IDG 油圧ポンプ FAA
型式証明
搭載機種
CF6-80C2A1 57,860 53,390 86°F/30℃ PMC 1 2 1984/11/11 A300B4
CF6-80C2A2 52,460 48,080 111°F/44℃ PMC 1 2 1984/11/11 A310-200
CF6-80C2A3 58,950 54,790 86°F/30℃ PMC 1 2 1986/3/5 A300B4
CF6-80C2A5 60,100 56,210 86°F/30℃ PMC 1 2 1987/5/12 A300-600R
CF6-80C2A5F 60,100 56,210 86°F/30℃ FADECⅠ 1 2 1993/4/2 A300-600R
CF6-80C2A8 57,860 48,080 95°F/35℃ PMC 1 2 1990/1/22 A310-300
CF6-80C2B1 55,980 49,550 86°F/30℃ PMC 1 1 1984/11/11 VC25,B747-300
CF6-80C2B1F 57,160 49,810 90°F/32.2℃ FADECⅠ 1 1 1987/3/26 B747-400
CF6-80C2B1F1 60,030 49,810 86°F/30℃ FADECⅠ 1 1 1989/10/23 B747-400ER/F
CF6-80C2B1F2 60,030 56,170 86°F/30℃ FADECⅠ 1 1 1993/9/17 B747-400ER/F
CF6-80C2B2 51,950 49,020 90°F/32.2℃ PMC 1 1 1986/11/20 B767-200/-300
CF6-80C2B2F 52,010 49,140 86°F/30℃ FADECⅠ 1 1 1988/5/18 B767-200/-300
CF6-80C2B3F 52,010 39,850 90°F/32.2℃ FADECⅠ 1 1 1990/4/11
CF6-80C2B4 57,180 52,370 90°F/32.2℃ PMC 1 1 1986/3/5 B767-200/-300
CF6-80C2B4F 57,280 52,470 77°F/25℃ FADECⅠ 1 1 1988/5/18 B767-200/-300
CF6-80C2B5F 60,030 49,810 86°F/30℃ FADECⅠ 1 1 1994/8/11 B767-200/-300
B747-400ER/400F
CF6-80C2B6 60,070 56,100 86°F/30℃ PMC 1 1 1987/2/20 B767-300
CF6-80C2B6F 60,030 56,170 86°F/30℃ FADECⅠ 1 1 1988/5/18 B767-200/-300
KC-767
CF6-80C2B6FA 60,030 56,170 86°F/30℃ FADECⅡ 2 1 1994/1/31 E-767
CF6-80C2B7F 60,030 56,170 86°F/30℃ FADECⅠ 1 1 1993/1/27 B767-200/-300
B747-400ER/400F
CF6-80C2B8F 60,030 56,170 86°F/30℃ FADECⅠ 1 1 1997/9/2 B767-400
CF6-80C2D1F 60,690 56,730 86°F/30℃ FADECⅠ 1 2 1988/5/18 MD-11
CF6-80C2K1F 59,740 43,400 86°F/30℃ FADECⅢ 1 2 2004/7/14 C-2
CF6-80C2L1F
(F138)
51,250 44,100 95°F/35℃ FADECⅢ 1 2 2002/1/30 C-5M

 

CF6-80C2に続く”A”B”L”K”の意味とは・CF6-80C2の後に続く一文字は、航空機メーカーを表しています。
A:エアバス
B:ボーイング
D:ダグラス
L:ロッキード(-80C2L1F)
K:カワサキ(-80C2K1F)

ファン(FAN)

・ファン直径93 in(2.36m)、ブレード枚数 38枚、チタン合金製(Ti-6Al-4V)、ミッドスパンシュラウド付ブレード

空力効率の良い翼型、スナバ―形状の見直し、BPR 5.0以上を狙った高バイパス設計

最大出力時のブレード先端(チップ)速度は450m/s、1秒間に802 kg(25mプール 約1.1杯分)の空気を一度に吸い込む。

 

CF6-80C2 Fan Blade

低圧圧縮機(LPC)

・軸流式圧縮機(4段)

高圧圧縮機(HPC)

・軸流式圧縮機(14段)、可変式インレット・ガイドベーン、1~5段まで可変静翼、6~14は固定式静翼

動翼材質:チタン合金(1~5段)、ニッケル基耐熱合金(6~14段)

最大出力時のコアフローは154kg/s

全体圧力比は31.8

燃焼室

・アニュラ型燃焼器

低環境負荷タイプ

ICAO排出物基準に対してHC 12%・CO 22%・NOx 49%削減

高圧タービン(HPT)

・高圧タービンは2段タイプ

前バージョン(-50/-80Aシリーズ)をベースにデザインや材質が変更された。

初期型の材質はRene 80H、中期 Rene142(一方向凝固 DS)、後期 Rene N5(単結晶 SC)となっている。

初期型はわずか数年程度だったことから、現存するスクラップ・ブレードの数が極端に少なく、航空ファンの間では人気が高い。よくみかける航空部品オブジェは Rene 142タイプがほとんど。

1990年代:翼面メタルコート

2000年以降:セラミック遮熱コーティング(TBC)

高圧2段目はRene 80HまたはRene142

-80C2B7及びB8は、高圧タービンディスクに粉末冶金(第二世代 焼結合金材 Rene R88DT)を採用。GE90の技術なども取り入れられている。1999年から2000年にかけてCF6-80C2シリーズは大きく改良された。

低圧タービン(LPT)

・5段構成、動翼の空力効率改善

燃料制御

・FADEC

アクセサリー

・ギアボックスには、エンジン用の各種ポンプ、スターター、機体側(発電機、油圧ポンプ)が装着されている。

機体用発電機(IDG:90 kVA)1台

E-767用のCF6-80C2B6FAは、IDG(容量 150 kVA) が2台装備されている。

競合エンジン

PW4000-94

RR RB211-524G/H

CF6-80C2 seriesスペック

General Electric CF6-80C2K1F Engine at JASDF Gifu Air Base October 30, 2016 (cropped)Hunini, CC BY-SA 4.0, ウィキメディア・コモンズ

General Electric(GE Aviation)
型式 CF6-80C2 series
搭載機種 Boeing / Airbus / C-2 / C-5M 他
形式 二軸式 ターボファン・エンジン
構成 1-4-14-2-5
(Fan-LPC-HPC-HPT-LPT)
離陸推力
最大推力 [-80C2A1]
57,860 lbf(A300B4)
[-80C2B1F]
57,160 lbf(747-400)
[-80C2B6F]
60,030 lbf(767-300ER)
[-80C2B6FA]
60,030 lbf(E-767)
[F138-GE-100(-80C2L1F)]
60,030 lbf(C-5M)
バイパス比 4.97~5.31
ファン圧力比(FPR)
全体圧力比(OPR) 30.4~31.8
ファン空気流入量 1,769 lb/s
(802 kg/s)
コア空気流入量 340 lb/s
(154 kg/s)
TSFC 燃料消費率
(lb/hr/lbf)
0.316(T-O時)
巡航推力
巡航推力 11,330 lbf
TSFC 燃料消費率
(lb/hr/lbf)

回転数(最大) CF6-80C2A 
低圧軸(LP) 3,320 rpm
(101.2%)
高圧軸(HP) 10,070 rpm
(102.5%)
EGT
ファン
ファン直径 2.36 m(93 in)
ファン枚数 38 枚
形状 ミッドスパン・シュラウド付
ファンブレード
材質 チタン合金
圧縮機
ファン 1段
低圧軸 4段
高圧軸 14段
燃焼室
燃焼器タイプ アニュラ型
燃料ノズル ー本
燃料制御 FADEC
タービン
高圧段 2段
低圧段 5段
サイズ
型式 CF6-80C2 series
全長 4.26 m
ファン直径 2.36 m(93 in)
重量 9,790 lb
 推力重量比  [-80C2B6F]
6.13
運用開始 1984年

※一部のデータはEASAから


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