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ボーイング767-300のエンジンは24種類ある|CF6-80C2という型式から何がわかるのか

CF6-80C2の種類

・B767-300ERやB747-400でお馴染みのGE製 CF6-80C2エンジン。様々な機種に搭載できるエンジンとして有名だが、その種類は何と24種類もある。

一体、何がどう違うのか?

型式別に最大推力や搭載機種などをまとめてみました。

 

CF6-80C2シリーズ型式別一覧

GE CF6-80C2シリーズ
エンジン型式 最大推力
(lbf)
連続最大推力(lbf) Flat Rate Temp
最大推力時気温
燃料制御 IDG 油圧ポンプ 型式証明 搭載機種
CF6-80C2A1 57,860 53,390 86°F/30℃ PMC 1 2 1984/11/11 A300B4
CF6-80C2A2 52,460 48,080 111°F/44℃ PMC 1 2 1984/11/11 A310-200
CF6-80C2A3 58,950 54,790 86°F/30℃ PMC 1 2 1986/3/5 A300B4
CF6-80C2A5 60,100 56,210 86°F/30℃ PMC 1 2 1987/5/12 A300-600R
CF6-80C2A5F 60,100 56,210 86°F/30℃ FADECⅠ 1 2 1993/4/2 A300-600R
CF6-80C2A8 57,860 48,080 95°F/35℃ PMC 1 2 1990/1/22 A310-300
CF6-80C2B1 55,980 49,550 86°F/30℃ PMC 1 1 1984/11/11 VC25,B747-300
CF6-80C2B1F 57,160 49,810 90°F/32.2℃ FADECⅠ 1 1 1987/3/26 B747-400
CF6-80C2B1F1 60,030 49,810 86°F/30℃ FADECⅠ 1 1 1989/10/23 B747-400ER/F
CF6-80C2B1F2 60,030 56,170 86°F/30℃ FADECⅠ 1 1 1993/9/17 B747-400ER/F
CF6-80C2B2 51,950 49,020 90°F/32.2℃ PMC 1 1 1986/11/20 B767-200/-300
CF6-80C2B2F 52,010 49,140 86°F/30℃ FADECⅠ 1 1 1988/5/18 B767-200/-300
CF6-80C2B3F 52,010 39,850 90°F/32.2℃ FADECⅠ 1 1 1990/4/11
CF6-80C2B4 57,180 52,370 90°F/32.2℃ PMC 1 1 1986/3/5 B767-200/-300
CF6-80C2B4F 57,280 52,470 77°F/25℃ FADECⅠ 1 1 1988/5/18 B767-200/-300
CF6-80C2B5F 60,030 49,810 86°F/30℃ FADECⅠ 1 1 1994/8/11 B767-200/-300
B747-400ER/400F
CF6-80C2B6 60,070 56,100 86°F/30℃ PMC 1 1 1987/2/20 B767-300
CF6-80C2B6F 60,030 56,170 86°F/30℃ FADECⅠ 1 1 1988/5/18 B767-200/-300
KC-767
CF6-80C2B6FA 60,030 56,170 86°F/30℃ FADECⅡ 2 1 1994/1/31 E-767
CF6-80C2B7F 60,030 56,170 86°F/30℃ FADECⅠ 1 1 1993/1/27 B767-200/-300
B747-400ER/400F
CF6-80C2B8F 60,030 56,170 86°F/30℃ FADECⅠ 1 1 1997/9/2 B767-400
CF6-80C2D1F 60,690 56,730 86°F/30℃ FADECⅠ 1 2 1988/5/18 MD-11
CF6-80C2K1F 59,740 43,400 86°F/30℃ FADECⅢ 1 2 2004/7/14 C-2
CF6-80C2L1F
(F138)
51,250 44,100 95°F/35℃ FADECⅢ 1 2 2002/1/30 C-5M

一覧表の見方

エンジン型式

・CF6-80C2エンジンには24種のシリーズがあり、-80C2に続く文字列で最大推力や搭載機種を見分けることが可能。

最大推力

・Flat Rate Temp(外気温)時に発生可能な最大推力。単位はポンド(lbf)で表示。

連続最大推力

・最大推力には時間制限がありますが、連続最大推力は時間の制限がなく発生可能な推力。単位はポンド(lbf)で表示。

Flat Rate Temp

・ターボファンエンジンの発生推力は外気温によって変化します。温度が高くなると最大推力は低下。上の表は、Flat Rate Temp(外気温)時の最大推力。

CF6-80C2の標準は30℃となっているが、高温高地用の推力増強型は44℃となっているタイプもある。

燃料制御

・燃料制御方式には機械油圧式のPMC/MEC方式と、コンピューターで全自動制御するFADEC方式がある。

PMCに比べてFADECはより多くのセンサーからエンジンのリアルタイム状況を把握することができ、刻々と変化する速度や高度(空気密度)・外気温の変化に応じて燃料の量を細かく自動的に調整することが可能。

結果的にPMC搭載エンジンよりも燃費が良く、メンテナンス性も向上する。

FADECにも世代があり、GE/CFMエンジン用には 1世代~3世代及びGE90用がある。

IDG

・エンジンには機体へ電力を供給するIDGと呼ばれる発電機が搭載されています。

通常のCF6-80C2には、三相4線式 AC115/200V 400Hz(発電容量 90KVA)の発電機が1台搭載されているが、型式によっては2台駆動しているタイプもある。

油圧ポンプ

・機体へ3000 psiの油圧を供給するエンジン駆動のポンプ。ボーイング機は1台だが、エアバスや軍用機には2台搭載されている。

型式承認

・FAAの型式承認日を記載。

搭載機種

・主な搭載機種を記載。抜けている機種もあるかもしれません。

エンジン基本スペック

B767-300ER・KC-767・C-2エンジン CF6-80C2のスペックをディープに解説 ㉓

国内を飛んでいるCF6エンジン搭載機

JAL

JAL:B767-300ER(CF6-80C2B7F エンジン)

・JALは、CF6エンジン搭載のB767-300/-300ERを保有。

その中には、PMC方式の燃料制御を搭載したレアな2機が存在。その他の機種は全てFADEC制御となっている。乗り比べて違いを比較してみるのも面白いかもしれない。

  • CF6-80C2B4:JA8980、JA8988
  • CF6-80C2B7F:JA601J以降~JA659Jまで
    ※機体番号は2021/3/25現在の内容です。

ANA

ANA:B767-300ER(CF6-80C2B6F エンジン)

・ANAは、全てCF6-80C2B6F(FADEC)を搭載したB767-300ERを保有しています。

AIRDO

JA601A 140507 RJTT D015INOUE, Takeshi jp, CC BY-SA 4.0

・AIRDOには、PMC方式とFADEC方式のB767-300ERが混在。退役が進む現在、乗り比べるなら早めがおススメ。

  • CF6-80C2B2:JA601A、JA602A
  • CF6-80C2B6F:JA612A、JA613A
    ※機体番号は2021/3/25現在の内容です。

航空自衛隊(JASDF)

航空自衛隊:C-2 (CF6-80C2K1F エンジン)

・航空自衛隊にはCF6エンジンを搭載する機体が3タイプ配備されています。ベースは民間機と同じCF6-80C2だが、燃料制御に使用されるFADECは3世代目(民間機はFADEC 1)となっている。

観察してみるとサウンドやスプールアップ(始動・離陸時)に差や違いがあるかもしれない。

  • CF6-80C2B6F:KC-767
  • CF6-80C2B6FA:E-767
  • CF6-80C2K1F:C-2

 

CF6は最大推力を簡単に変更できるなぜ、CF6-80C2シリーズはこれほど多くの機種に対応できるのか。

FADEC仕様のボーイング機に搭載される-80C2B〇Fシリーズの場合、大雑把な説明になるがFADEC(J13・J14)のRating PlugとIdentification Plugを変更するだけで仕様が変更可能という噂もある。(契約上の問題で簡単には変えられないが…)

基本仕様は全てCF6-80C2A1がベースとなっている。

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